騎士(ナイト、きし)とは、永野護の漫画『ファイブスター物語』に登場する用語である。極めて高い反射速度と耐久性・筋力を持ち、モーターヘッド(新設定ではゴティックメード)を駆り戦場にて戦うことを生業としている人々を指す。ヘッドライナーともいうが、シリーズが進むにつれ死語化し「騎士」としか呼ばれなくなっていき、2013年の連載再開以降の新設定では、正式名称は「ウォーキャスター」で通称が「ヘッドライナー」および「騎士」という事となっている。どちらにせよ最も多用されている呼称は「騎士」となっている。おおむね国家や各種騎士団・傭兵騎士団に所属する他、各地組織の用心棒などとして雇われることも多い。一般には自らのモーターヘッドとファティマを持つことが、騎士としての最低条件と見なされる。騎士は超帝國に誕生した騎士達の血を受け継いでいるが、その血を濃く受け継いでいる者らの能力は絶大で、純血の騎士として一般の騎士とは区別される場合がある。星団暦以前のAD世紀「ファロスディー・カナーン超帝国」の時代に、遺伝子改造によって生み出された戦闘人種を原種とする。彼ら戦闘人種の完成形は「純血の騎士」と呼ばれ、その余りに強力な戦闘能力のため額に「ハイブレン・コントロール」の紋章を刻まれ、「ハイブレン」を使うダイバーによって制御・支配されていた。特に超帝国の泰皇帝の管理調整下で生まれてくる純血の騎士は「超帝国剣聖」という、より強大な力の持ち主であったが、後に第9代泰皇帝である炎の女皇帝と共にスタント遊星群に向かい、太陽王の元に残されたネッド・スバース以外の「超帝国剣聖」は行方不明となっている。超帝国崩壊後、騎士の血は一般人との混血で薄まりながらも広まり、星団歴に入った頃には全ての人類に騎士の血が劣性遺伝として受け継がれており、全く騎士とは無関係と思える家系からも、時折ヨーン・バインツェルのような強力な騎士が誕生している。逆に超帝国剣聖の血統で有りながらも一生涯騎士の血に目覚めなかったスジャータ・ルースの例もあることから判るように、騎士同士の組み合わせからすら確実に騎士が生まれる保証は無く、コーラス王家の様に直系嫡出子が必ず強力な騎士として生まれてくる様な例は、あくまで特殊例に過ぎない。なお星団暦3031年(単行本第12巻)現在、前述の「超帝国剣聖」は2家系が現存している。ひとつは「太陽王」及び「天照家」の元で長期間凍結され、星団歴2200年後半に覚醒した「最後の純血の騎士」である前述のネッド・スバース(ナッカンドラ・スバース)を祖とする家系。もうひとつはAD世紀に超帝国剣聖スキーンズと超帝国の皇女ヤーン・バッシュ(新設定ではヤーン・ダッカス)という「純血の騎士」同士の自然受胎受精卵をL.E.D.ドラゴンが預かり、そこから星団暦2600年代にファティマを代理母として誕生したダグラス・カイエン(カイエン・バッシュ・カステポー)を祖とする家系である。人間と比較して極めて高い反射速度と耐久性・筋力を持つ。男女共に総じて大柄な体格になる傾向があり、女性でも身長が2mを超える事は珍しくない。無論、全員が大柄になる訳ではなく、160cm前後の小柄な騎士も存在するが、相対的に見れば少数派になる。騎士の能力と体格は必ずしも一致する訳ではない。また、騎士の能力が高いからといって、身体も頑健であるとは限らない。騎士は貴族の家系に現れる事が多いと思われているが、「純血の騎士」の血は全星団に劣性遺伝として広く行き渡っており、約20万分の一と確率は低いものの庶民の中からも騎士が生まれることがある。逆に騎士同士では子供が出来るのは難しく、一般人との子供も含めて必ずしも騎士になるとは限らない(ただし例外もあり、コーラス王家の長子は間違いなく騎士の能力を持っている。またボォス星の少数民族であるミミバ族は騎士並の能力を持っている者が多く、優秀なヘッドライナーを輩出している)。この様に存在自体が貴重で世襲が不可能であるため、騎士の身分は貴族より上に置かれている。騎士の超人的能力は、生まれながらに有しているものではなく、成長過程で起こる「騎士代謝」と呼ばれる生理現象によって、身体が作り変えられることで獲得されるものである。騎士代謝は、一般的に幼少期に起こるものであるが、ミッション・ルース(ボード・ヴュラード)のように、稀に成人後に起こる例も知られており、この場合には変態時の身体的負担がより大きくなるために死亡する確率(ルースによれば生存率は30%)が高い。またファティマの製造技術を応用した有機合成による四肢再生技術においても、完全な回復には一般人より時間がかかる(騎士能力の完全な回復には数年を要する)。このため、騎士は普段から身体の各パーツを複製しておき、戦闘による損傷時はそれを移植する事で早期回復を図る事が多い。騎士が銃ではなく剣を武器として使うのは、その身体能力に起因する。時速数百キロ以上で走り、瞬間的には衝撃波起こし疾走し、巨大なコンクリートを素手で破壊し、レーザーさえ目視で回避できる騎士にとって、点の攻撃である銃よりも線の攻撃である剣を用いた接近戦で目標を一刀両断にするのが最も能力を生かせる戦術となるのである。星団歴2200年、凍結されていた「最後の純血の騎士」ナッカンドラ・スバースが覚醒、各国を放浪。その際リチウム・バランスに遺伝子情報を提供し、ファティマを生み出す基となった。星団にはもう一種の戦闘人種としてダイバー(魔導士)が存在するが、騎士と直接対決した場合は反応速度の速さでまず間違いなく騎士が勝つのと、モーターヘッドのコクピットは完全シールドによりダイバーパワーも通用しないため、ダイバーはもっぱら裏舞台での諜報・暗殺などを担当する。また少数ながら騎士とダイバーの両方の力を持つバイアと呼ばれる者も存在する(ダグラス・カイエン、サリオン他)。モーターヘッドを駆り戦場にて戦うことを生業とする。彼らが出陣すれば通常の軍隊はおよそ役に立たないため、騎士同士の戦いで戦場の勝敗が左右される「戦の全権代理人(イアン・ケーニヒの弁)」。騎士はその超人的な身体能力故に、一般人から尊敬される一方で妬みや羨望、恐怖の対象となっている。また「星団法」により、如何なる理由があろうとも職務に無関係な形での一般人への暴行は重罪と見做されるなど、人権を制限されている。これらの制限は騎士の能力が発現していれば年齢などに関わらず適用され、例えば幼少の頃であっても周囲からのいじめに対して暴力をもって仕返しをすることは決して許されない。貴族や有力者の家系であってもこれらの制限を免れないが、国王やそれに準じたクラスともなると、往々にして法違反行為をもみ消すこともある。騎士である以上は、強ければ国家や傭兵団のヘッドライナーに、弱くても「騎士警察官」や警備員の様な仕事に就かなければならず、実質上「職業選択の自由」は存在しない。但し騎士としての本分を果たした上での他の職業との兼業は多く見受けられる。主な兼業の職種としては元々支配階級から多く輩出される為か政治家兼任の騎士は多い。他、法律家、科学者(マイト、マイスター含む)、財団・会社経営者など。また騎士は「プロスポーツ選手」にはなれない。騎士が一般人に混じってスポーツをするのは、人間の100メートル競走にチーターが参加したり、人間の綱引きにゾウが参加したり、人間の競泳自由形にイルカが参加したりする様な物で、まるで勝負にならないからである。なお、騎士本人が未成年の間は一般人と同様に学校教育を受けることができるが、処々で一般人の学校に在籍し一般人に混じって教育を受けていることを伺わせる描写が見られる一方、騎士専用の教育施設と言った描写は見られない。騎士に求められているものはヘッドライナーとしての活躍であるが、そのためにはファティマの存在が欠かせない。しかしながら、「マスターの選択」はファティマに許された数少ない権利の一つであり、弱い騎士はファティマには選ばれないことがある。ファティマがなければモーターヘッドの操縦はできず、ファティマを持たない騎士は一般市民からは「半騎士」と呼ばれて馬鹿にされ、騎士としての特権を得られないのに騎士の制限はきっちり受けるという極めて不当な立場に置かれてしまう。しかし女性騎士を中心にファティマに対して嫌悪感を持っている者も少なからずあり、彼らは人間的外観を持たないエトラムル・ファティマを所有することを選ぶか、もしくは活動にファティマを必要としない忍者・スパイといった職業を選ぶことになる。名声を上げるためには、国家騎士団などに所属し出世するのが近道であるが、デコーズ・ワイズメルの言葉を借りれば「能力があったとしても従順な騎士を選ぶ騎士団が少なくない」ため、出世の道は険しい。貴族や高名な騎士の家系に生まれた騎士達は、家の名声ゆえに武功を立てる事が強く期待され、それ無しには高い地位に就いたり庶民を治める力を持つことができない。また、騎士には戦争において「一騎討ち」が優先される、自分の名誉を守るなど独特の権利である「騎士権」が認められている。星団には特定の騎士に与えられる称号が存在する。「ハイランダー」のように特定の国家が所属する騎士に与えるもの、「天位」のように特定の人物が騎士一般に与えるもの、「黒騎士」のように特定のファティマ・モーターヘッドと結びついたもの、「シルバーナイト」のような世間に認められた自然発生的呼称などがある。代表的な称号としては「天位」と「剣聖」がある。天位は相対的なものだが、剣聖は絶対的なものである。剣聖は騎士として最も優れた者に与えられ、天位の中でもより優れた者には、各時代一人ずつ強天位(ごうてんい)と小天位という称号が与えられる。バキンラカン聖帝は、初代聖帝アロコマタ・ルリエ以来騎士の技量を見抜く能力があるとされ、聖帝のみ(剣聖の位はアトール皇帝も含む)「天位」「剣聖」位を授与する権利を有する。騎士は様々な剣技を使うが、その難易度により各称号相当のランク付けがあり、剣聖剣技・天位剣技がある(中には「ミラー」の様に、ダイバーパワーも同時に持ち合わせていなければ使えない技も存在する)。また肉体での戦闘に限らず、これらをMH騎乗時に応用してMH剣技として使う者もいる。その時代で最も優れた技能を持つ者に与えられる称号。基本的に騎士の力を見抜く能力があるバキンラカン聖帝、もしくはアトール皇帝(「アトールの巫女」とも呼ばれる)のみに称号授与の権限がある。他の称号を持つ者と比較して技能に明確な差がある。原則として空位はなく、剣聖の死亡あるいは行方不明、また引退などにより空位になった場合には、星団の有力者らにより次の剣聖の選出が行われる。強天位を持つ者が剣聖として選ばれる可能性もあり、適格者不在の場合は剣聖の称号を返上した者が再度剣聖に就く場合もある。現在(第6話)は剣聖カイエン死亡直後のため一時的に空位。AD世紀の時期にも同名の称号が存在していたが、最も強力な騎士という点が同様であるだけで、現在のものとの連続性は無いと思われる。現時点で発表されている剣聖は、その殆どが「純血の騎士」もしくはその数代以内の子孫である。純血の騎士の力がいかに絶大なものであるかが垣間見えるともいえる。過去の剣聖は以下の通り。カッコ内は剣聖在位期間である。上記の他、『F.S.S. DESIGNS 2』では、レント王妃アラド・バスコ・スバース(ナッカンドラの次女・ハイアラキの母)に対しても剣聖の称号が与えられている。ただし同書のアラドに関する記述には矛盾する箇所もある。剣聖に次ぐ称号で、その称号は一時代に一人に限られる。天位を授ける権利を持つ。現在はイオタ宇宙騎士団団長のジャコー・クォン・ハッシュ、それ以前はフィルモア帝国ノイエ・シルチスのアビエン・疋棟斎(ヒートサイ)。強天位に次ぐ称号で、その称号は一時代に一人に限られる。天位を与える権利を有する。現在はバキンラカンのオルカオン・ハリス。騎士として優れた技能を持った者へ与えられる称号。しかし明確な基準はなく、絶対的な強さを保証するものではない。称号を持つことは名誉だと考えられているが、存在を知られていない者や称号を希望しない者もおり、天位でなくても天位を超える能力を持つ者も数多く存在する。天位のみバキンラカン聖帝やアトール皇帝だけでなく、天位よりも上位の称号(小天位、強天位、剣聖)の所有者からも与えられる。クリスティン・Vとママドア・ユーゾッタがダクラス・カイエンにこっぴどくやられた後に天位をもらったことや、デプレッサー・ビートが父カイエンとの初対面の時、乱入者として認識したため母ヤーボの代わりにムグミカ女王を守ろうとした姿勢を買われて幼児でもあるにもかかわらず天位をもらったケースから察すると、功績ではなく将来性の高さで授与されるようである。剣聖クラスまで成長できる見込みがあれば、今は(魔導大戦初期における)ワスチャ・コーダンテ並に弱くても問題がないため、ダイ・グ・フィルモア5世がクリスに語ったように天位持ちが初陣で戦死しても珍しいことではない。フィルモア帝国の皇帝代理騎士(および騎士であるフィルモア帝国皇帝)の称号。戦場でのフィルモア帝国皇帝の代理をつとめ、絶大な決定権を有する。Vサイレン・ネプチューンかVサイレン・プロミネンスを駆る。現在はクリスティン・Vと、現皇帝エラニユース・ダイ・グ・フィルモア5世。ファティマ・エストがマスターとして認め、MHバッシュ(バッシュ・ザ・ブラックナイト)を駆る者を黒騎士と呼ぶ。エストのマスターであっても、バッシュに乗らない場合は黒騎士とは呼ばれない。騎士にはその身体能力を生かした戦闘のため特別に考案され伝承されている技術が存在し、これを「剣技」と呼ぶ。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。