たが屋(たがや)は、落語の演目の一つ。原話は不明だが、江戸時代から高座にかけられてきた非常に古い噺。主な演者として、三代目三遊亭金馬や五代目古今亭志ん生、五代目柳家小さん、五代目三遊亭圓楽などがいる。江戸時代の花火メーカーと言ったら玉屋と鍵屋。しかし、玉屋のほうは、事もあろうに時の将軍・徳川家慶公が日光に参詣する前日に火災を起こし、天保14年5月に取り潰しになってしまった。しかし、なぜか掛け声は未だに『玉屋〜♪』。時は安永、川開きの当日は花火大会が開かれており、両国橋は大勢の人でごった返していた。そんな中を馬に乗り、お供を連れた侍が通りかかる。身動きが取れないのだが、侍達は町人達を無理やり掻き分けて通ろうとした。と、反対方向から道具箱を担いだたが屋が通りかかる。唯でさえ混雑している上に侍の登場だ、たが屋はあちこち振り回された上に道具箱を落っことしてしまった。その途端、中に入っていた箍(たが)が弾けてその先が侍の笠を弾き飛ばしてしまう。頭に来たのはお供の侍だ、謝るたが屋を手打ちにすると言い出し大騒ぎ。町人達が許すように言っても聞こうとしない。とうとうたが屋も堪忍袋の緒が切れてしまい『斬れるものなら斬ってみろ!』と開き直ってしまった。気圧された供侍が斬りかかってくるが、刀の手入れが悪い上に稽古もサボっていたせいで腕もガタガタ、あべこべにたが屋に刀を叩き落されてしまった。慌てて拾おうとするが、たが屋が手を伸ばすほうが早く、供侍は切り餅みたいに三角に。焦った主侍が、中間から受け取った槍をぴたっと構える。今までの奴と違って隙はない、そこでたが屋はわざと隙を作ってみた。そこへ侍が突きかかってくる、焦ったたが屋は槍をつかみ、遣り(槍)繰りがつかなくなった侍は槍を放して刀に手をかける。が、たが屋が斬りかかるほうが早く…。侍の首が中天にピュー…。「上がった上がった、たが屋〜♪」江戸の両国橋上で起こったドタバタを描いた作品で、よく『町人階級の侍に対するレジスタンス』と言われるが、実は原版と現行のものとは結末がだいぶ異なっている。元々は、首が飛んだのはたが屋のほうだった。近年では、こちらの型は七代目立川談志が使っていた。ちなみに、『たが』(箍)というのは桶や樽を作る際、板材が外れてばらばらにならないよう帯状に桶や樽の周囲に巻いて締めるもの。日本では細く割いた竹を束にし、ロープのようにねじって造る。西洋では金属製のものもある。光文社文庫から発行されている異形コレクションの一冊、『夏のグランドホテル』にこの落語が登場している。飯野文彦作の『お迎え』という作品で、主人公のライバルである烏亭閻馬という噺家が主人公と競い合うように高座にかけていた。
出典:wikipedia
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