ドリーム号(どりーむごう)は、国鉄バスが運行を開始し、現在はJRバスグループ(JRバス東北、JRバス関東、JR東海バス、西日本JRバス、中国JRバス、JR四国バス、JR九州バス)、及びJRバスとの共同運行会社により夜間に運行される長距離高速バスの夜行便の名称。本項では関連した系統についてもあわせて記述する。東名高速道路の全通を受け、東海道新幹線の補完も兼ねて、東名高速線と同時に、東名高速線と名神高速線を直通する夜行便として開業した夜行高速バスである。開業からムーンライト号の開業までは日本一長距離の路線バスであり、日本では初めて高速道路を経由する夜行バス路線である。また、主要都市間を直行する高速バスとしても日本においては早期の事例である。国鉄分割民営化までは東京から名古屋・京都・大阪の各都市への路線のみであったが、民営化後の本州JRバスの分社化後からは各方面への路線展開が進んだ。2008年現在では、JRバスグループが中心となって運行する夜行バスの名称として使用されている。1969年6月10日の東名高速線の開業と同時に運行開始した。運行開始当初は東京-大阪間(1989年3月以降の「ドリーム大阪号」)2往復、東京-名古屋-京都間が1往復であったが、同年12月3日からは東京-名古屋間(1989年3月以降「ドリームなごや号」)と東京-京都間(1989年3月以降「ドリーム京都号」)の2系統に分割された。1969年6月の輸送人員は4,960人と、1便あたり41.3人という高い乗車率となり、1969年度の輸送人員は111,496人となった。1970年には日本万国博覧会が開催されたことから、東京-大阪間の系統を万博会場バスターミナル経由で運行、1970年度の輸送人員は385,075人と、飛躍的な利用者数の伸びがあった。1971年4月には東京-神戸系統(1978年4月に一旦廃止、1989年3月以降「ドリーム神戸号」として再開)を新設した。1978年には神戸系統を廃止、大阪系統も同年には減便されたが、1981年には神戸ポートピア博覧会への直行便運行を行なった。また、1984年からは国鉄では2番目となるハイデッカー車両の投入が、1986年からは国鉄では初のスーパーハイデッカー車両が投入された。以後の詳細については、ドリーム号各路線の単独記事を参照されたい。夜行路線バスで一般的な独立3列シート・トイレ付き車両で運行される。東京⇔名古屋・京阪神・四国間を結ぶ車両には、専用のダブルデッカー車が使われている。2007年3月16日より一部の便の車両で、リクライニング角度を浅くするかわりに、座面ごと後傾させるチルト機構や枕を新たに付加し、就寝時の姿勢の最適化を図った新構造の座席を備えた車両の運行が開始された。このシートを西日本JRバスでは「クレイドルシート」と称している。2000年頃から台頭を始めた、旅行会社による貸切バスを使った主催旅行の形式を採る東京周辺と京阪神周辺を結ぶ安価なツアーバス(片道4,000から5,000円程度。時期によっては3,000円台もある)に対抗するため設定された。普通運賃は東京 - 名古屋・大阪間が片道5,000円で、区間によっては往復割引(東京 - 大阪間の場合で片道500円割引)や早売も設定されている。通常のドリーム号が独立3列シートの車両を使用するのに対し、東名ハイウェイバス・名神ハイウェイバスなど昼行バス用と同様の4列シート車両を使用する。首都圏と京阪神を結ぶ路線では専用のダブルデッカー車も導入されている。廉価便とは逆に、室内の快適性とアメニティーサービスを重視しさらに予防安全装備を持つ車両を特徴とする。現在単独のデラックス版として運行されている夜行バスは「プレミアムドリーム号」「グランドリーム号」の2種類である(2007年3月15日までは「スーパードリーム号・スーパーニュードリーム号」も運行されていた)。なお「ドリームなごや号」では一部の便において上級グレードと一般の3列シートとの合造車による運行が行われている。「プレミアムドリーム号」ではレーダーや自動ブレーキ・白線認識カメラなどの安全運転支援装備の採用の他、毛布も大き目のものとされ紙パックのお茶や専用スリッパ、ウェットタオルが用意され鉄道のグリーン車並みのサービスを提供している。このため通常便に比べて運賃がやや高めに設定されている。「プレミアムドリーム号」は1階席に旅客機のファーストクラスやJR九州の一部の特急列車に連結されているデラックスグリーン席に相当する「プレミアムシート」が設定されている。従来8席分であった1階スペースに大型リクライニングシートを4脚のみ設置したこの席はシートピッチを通常の座席の約1.5倍確保したことにより、リクライニング角度を最大156度に拡大することが可能となり寝台に迫る居住性を実現している。また座席幅も独立2列シートとしたことで大幅に拡大されており、各座席に地デジ対応液晶テレビも装備される。2階席用のスーパーシートからは新たにチルト機能を付加しており、2列シートの1階席とは違い3列シートではあるものの鉄道の新幹線や特急車両用グリーン席(3列シート)に相当するグレードの座席が用意されている。座席数を従来のスーパーシートより6席減らした上で(30席→24席)約1.2倍シートピッチを拡大し、同時に座席幅の拡大も行われた(ただし座席の配列については車体幅の関係上3列独立シートではなく、肘掛が独立した2-1アブレスト仕様の座席となっている)。2010年7月のダイヤ改正による増発分に対応する増備車については座席定員確保のため、クレイドルシートを採用した上で2階席を再び旧来の「スーパードリーム号」のシートと同レベルの車内設備に戻した定員29名のスーパーシート席(座席幅525mm、最大リクライニング角度135度)として製造されている。プレミアムシートの追加料金設定は2007年から2010年6月末までの1階席が片道1,300円、2階席が同700円となっている(2007年現在、通常版(昼特急を含む)片道運賃との差額)。往復割引運賃については2階席のみ適用があり(通常版の往復運賃+1,400円で利用可)、1階席については往復割引の適用が無い。2010年7月から追加料金設定が再度変更され、繁忙期についてはドリンクサービスの廃止と2階席の仕様変更(グレードダウン)に合わせるため、2階席の差額料金が200円に引き下げられた(閑散期は通常版の割引率が高いため、1,400円の差額となる)。なお、かつてのスーパーシート料金は300円(ドリンクサービス付き)であった。また、2014年10月31日より新型車両(ハイデッカー車)による「グランドリーム号」が運行されている。新型クレイドルシート(ゆりかご式)を装備、シートピッチは従来のスーパーシートより40mm拡大。通常版より1列少ない10列のため乗車定員は28名となっている。抗菌防臭加工のシート生地を採用した。また、空気清浄機やWi-Fiも装備しており、通常版「ドリーム号」や「プレミアムドリーム号」のスーパーシートよりも若干運賃を高めに設定している。プレミアムシート・スーパーシート・4列シート(青春エコ仕様)の合造車で運行される。標準的な高速バス車両に比べ、設備は劣るものの、安い運賃(料金)で利用できるため、人気の高まった貸切ツアーバスや、他社も参入した東京⇔大阪間の廉価版夜行高速路線バス(多摩バス・近鉄バスの「カジュアルツインクル号」、東北急行バス・近鉄バスの「フライングスニーカー号」)へのさらなる対抗を図って、前記の廉価版よりもさらに格安に設定された(廉価版などと異なり往復割引は設定されていない)。廉価便と同じ4列シート車両で、超得割青春号は中国ハイウェイバスや貸切バスで使用されていたトイレ無しの車両で運行する(現在は専用の新車も導入)。このため概ね2時間おき、都合4回の休憩がある(青春メガドリーム号・青春エコドリーム号はトイレ付車両のため、休憩は通常便・デラックス便と同様1回のみであった)。このような設備の格差から、正規座席でも廉価便よりさらに700〜1,500円運賃を安くしている(購入日・購入時期により運賃は異なる)。超得割青春号では、2009年2月28日出発便まで、正規の座席満席時に限り補助席を2,100円で発売していた(青春メガドリーム号は補助席なし)。但し補助席の発売はバス出発地の窓口のみとなり、また補助席への着席の場合は休憩時にはその都度降車することが条件となっていた(正規座席についてはみどりの窓口などでも販売)。2009年9月10日の出発便をもって青春メガドリーム号の運行を終了。翌9月11日から青春エコドリーム号の運行を開始した。青春エコドリーム号は従来の車両(4列シートのダブルデッカー)が使われているが青春ドリーム号と比べると座席数が1列分多くなっている。2011年7月15日のダイヤ改正により、青春ドリーム号と超得割青春号を廃止、廉価便は青春エコドリーム号に一本化された。座席は全席指定席で、事前に乗車券を購入する必要がある。ドリーム号の運行開始当初は、東名高速線と名神高速線を直通する系統という位置づけから、運賃は東名高速線と名神高速線の通し運賃を適用していた(合算ではない)。1974年10月1日からは座席指定料金が設定され、運賃と座席指定料金は別立てとなっていた。このため、周遊券の経路で東名高速線や名神高速線が含まれている場合、周遊券とは別にバス指定券を購入すれば乗車できた。1990年6月6日に座席指定料金が廃止され、以後は運賃の中に座席指定料金を含む、他社の高速バス路線と同様の運賃体系となっており、東名高速線と名神高速線とは別体系の運賃となった。ただし、これでは周遊券での利用ができなくなるため、新たに「ドリーム号周遊利用券」が設定され、周遊券利用時に限りバス指定券に相当する料金を別途徴収する制度が新設された。この制度は周遊券の制度が廃止され、入れ替わりに周遊きっぷが販売開始されて以降も継続されたが、周遊きっぷも廃止されたことでこの制度はなくなった。2008年現在、乗車券はJRバスなどの運行会社の窓口の他に、JRの駅や旅行会社のみどりの窓口で購入できる(一部を除く)。また、高速バスネット、発車オ〜ライネット(一部路線)といったバス便予約ウェブサイトからも予約・購入(クレジットカードによるチケットレスサービス)できる。高速バスネット、発車オ〜ライネットで予約した場合は、ローソン・ファミリーマートでも購入できる。また、事前予約なしでの直接購入も可能。高速バスネットで予約・購入の場合、路線によっては事前購入割引やネット上のクレジット決済割引が設定されている。乗務員交代と休憩の際、乗務員によるタイヤ・ホイールナットやハブなどの簡単な車両点検が行われている。なお、かつては民営他社夜行バスのように交代乗務員を乗務させたり、仮眠ベッドを車体下部に設けていた事もあった。東京 - 京阪神間のドリーム号ならびにびわこドリーム号は東名高速三ヶ日ICを降りたところにあるJAみっかび特産センターの駐車場で乗務員の交代を行う。同センター内にはJRバス関東東京支店三ヶ日営業所が入居している。三ヶ日ICで一旦高速を降りる運行形態は国鉄時代から続いているもので、上記の乗務員交代の他東京 - 名古屋間のドリーム号も休憩停車のためにこの駐車場に立ち寄るため、午前3時頃の三ヶ日には上下双方で10台あまりのドリーム号が並ぶことになる。かつてはドリーム号の到着に合わせて軽食などを提供するドライブインも開店していたが、現在は営業していない。また新宿 - 京都・大阪・神戸間を走る中央ドリーム号は中央道小黒川PA内で、JRバス関東と西日本JRバスとの間で乗務員交代を行っている。2004年より2005年までの一時期、ニュードリーム京都号(現・中央ドリーム京都号)の1往復の内の1台は、駒ヶ岳SA内での交代はあるものの、京都駅までの全区間JRバス関東の乗務員が担当していた便も存在した。東京 - 名古屋間を走るドリーム号については、JR東海バス担当便については静岡IC構内にある東名静岡BSで同社の乗務員同士で交代を行っている。ここにはJR東海バス静岡支店が隣接している。JRバス関東担当便のうち、ドリームなごや・新宿1号は京阪神系統と同様に中央道小黒川PA内で同社乗務員同士の交代を行っている。昼行の中央ライナー号などとセットの乗務体系となっている。また、ドリームなごや・三河2号はやはり京阪神系統と同様に三ヶ日で同社乗務員同士の交代を行っている。京阪神ドリーム静岡号については、通常便(1号車)は尾張一宮PAにて、JR東海バス名古屋支店の乗務員と西日本JRバス神戸営業所の乗務員が交代する。尾張一宮PA - 名古屋支店間は連絡車にて移動となる。一方続行便(2号車)は三ノ宮発着ではなく大阪発着のため、大阪高速管理所の乗務員と名古屋支店の乗務員が尾張一宮PAで交代となる。広島ドリーム名古屋号については、吉備SAにて、JR東海バス名古屋支店と中国JRバス広島支店の間で乗務員交代を行っている。吉備SAは中国JRバス岡山支店の最寄りで、両社とも同支店で乗務員滞泊する。鹿児島ドリーム広島号においては、須恵PAにて、中国JRバス広島支店とJR九州バス鹿児島支店の間で乗務員交代を行っている。須恵PAはJR九州バス福岡支店の最寄りで、両社とも同支店で乗務員滞泊する。なお、運行開始当初は、中国JRバス担当便は山口駅にて広島支店と山口支店の間で交代を行い、JR九州バス担当便は2人乗務で鹿児島〜広島間を通し運行していた。出雲ドリーム博多号においては、久地PAにて、中国JRバス島根支店とJR九州バス博多支店の間で乗務員交代を行っている。出雲路号時代の運行開始当初は西日本鉄道・一畑電気鉄道ともに2人乗務、中国JRバスは出雲市駅にて出入庫を行う乗務員と実車運行を行う乗務員との間で交代を実施した。出雲ドリーム博多号となった後は、久地PAにて島根支店と広島支店の間で乗務員交代を行っていた。東名・名神高速道路を走るJRバスを中心とした、ドリーム号と昼行便の、走行位置をリアルタイムでインターネット上から検索できるバスロケーションサービス、「Just Ride」を提供している。位置情報に加え、遅延時分の表示もある。2008年2月に新名神高速道路の一部区間である亀山JCT〜草津JCT間が開通したことにより、伊勢湾岸自動車道・東名阪自動車道経由で豊田JCT〜草津JCT間が約30km余り短縮され、2008年4月22日より先行的に名神ハイウェイバスの一部便が同高速道路経由になったが、2008年7月1日ダイヤ改正で本格的に移行を行った。同年以降、一部のドリーム号も同高速道路経由になっている。ただし、新名神高速道路が通行止めになった場合は名神高速道路への迂回ルートとなる。なお、新名神高速道路の全線開通は2020年頃の予定となっている。
出典:wikipedia
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