(たいと)は、総画数が84画という最も複雑な漢字(和製漢字)である。日本人の苗字であるとされ、他に「だいと」・「おとど」とも読むとされる。日本で苗字として用いられたとされる国字。「」(タイ、雲の意、䨺)と「」(トウ、龍が行くの意、)の合字で、右の画像のとおり、相似た2種類の字形(1)・(2)が確認されている。双方は本来同一字だったと推測されるが、『実用姓氏辞典』などが(2)の字形で「たいと」と読むとする一方、『難読姓氏辞典』だけが(1)の字形で「だいと」「おとど」という読みを載せている。何れも出典が不明のままであり、後述するように苗字としての実在性が認め難い現況を考え合わせれば、この漢字について確定的な基本要素(形・音・義)は何一つないことになる。上記のように「」を載せる文献はいずれも苗字として解説しているものの、苗字に関する全国的な悉皆調査が行われた事例がないため、この苗字が現存するのか、あるいはかつて存在したのか、それとも文献に登場しても実際には存在しない幽霊名字であるのかは不明である。1960年代初め、ある証券会社にこの苗字を持つ者が現れ、名刺を残していったともいわれるが、真偽のほどは定かでないし、実名であったのかもわからない。なお、国語学者の笹原宏之は、かつては親が自分の子のために造字や難読字を用いてその名とする事実があったことを指摘した上で、この漢字も本来苗字などではなく、「」の2字で「たいとう」と読む某人の仮名(けみょう)だったのではないかと考察している。難読で画数の多い字を使った著名人の例としては、明治時代前期の政治家・小野梓の幼名「一(てついち、一)」があった。なお法務省が提供する戸籍統一文字情報の検索サイトでは、漢字の画数は64画までとなっている。最も画数が多い漢字(和製漢字)であるとする説が広まった結果、上記の(1)の字を店名に用いて「おとど」と読ませるラーメン店が2010年6月千葉県松戸市に出現したことによって、現在はこの字の用例が実在している。その後東京都内にも支店を複数構えており、Webページやメディアにも登場しているが、印刷上の都合からか平仮名で店名が示されているのが実態である。(2)の字形を店名に用いて「たいと」と読ませる浜松市西区の四川料理店は、雲雲雲龍龍龍と漢字六文字でマピオン電話帳に登録されている。2016年現在、Unicodeには未収録の文字であるが、Unicode 9.0.0のU-source Ideographsのドラフトに含まれており、問題がなければ以降のバージョンに収録される予定である。2015年10月25日、上述の『難読姓氏辞典』を典拠としてU-source ideographsの参照番号UTC-02960への追加提案が提出された。2015年11月2日、Unicode Technical Comittee #145 において、「」を含む1656字をU-source Ideographsに追加することが決議された。2016年1月14日、UTC-02960として「」を含むU-source IdeographsがUnicode 9.0.0の公開レビューに提出された。『今昔文字鏡』には66147番に (2) の字形でこの文字が登録されており、BTRON仕様OSの「超漢字」は初期の頃、この文字が表示できることを広告のキャッチフレーズとして用いていた。TRONコードから今昔文字鏡が撤退した現在では、GT書体枠に収録されている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。