メルシーステージは日本の競走馬。「孝行馬」として知られる。母は京成杯3歳ステークスの勝ち馬マミーブルー、兄に日経新春杯を勝ったメルシーアトラがいる。※以下馬齢は旧表記とする。北海道三石町の三石ファームで生まれる。3歳時は7戦して1勝、2着が4回あったものの、その時点では特筆すべき能力や話題性を持つような馬ではなく、4歳になって初戦の500万下条件戦でも4着に敗れていた。しかしその20日後、こぶし賞を勝ってから突如として別馬のような走りを見せ始め、続くオープン戦のバイオレットステークスを圧勝、アーリントンカップで重賞を初制覇し、こぶし賞から数えて4戦目の毎日杯ではレースレコード（翌週に行われた古馬重賞競走・サンケイ大阪杯をも上回るタイム）で4連勝を達成し、一躍クラシック戦線の中心の一頭となる。また、兄・メルシーアトラの悲惨な事故死、後述する父・ステートジャガーが行方不明という境遇などがある種の悲劇性を釀し出し、背景という意味での話題性では世代のトップクラスに躍り出た。重賞2連勝を含む一気の4連勝が競馬関係者に強くアピールし、毎日杯のレース後、それまで行方が分からなくなっていた父・ステートジャガーの行方捜しがされることとなった。現役時代、宝塚記念に出走した際に禁止薬物が検出されて失格となったステートジャガーは、その後種牡馬となるも繁殖牝馬が集まらず廃用となり、岐阜の乗馬クラブで余生を送っていた。そこにメルシーステージの活躍により種牡馬復帰の話が持ちかけられ、大人しい性格から奇跡的に去勢を免れていたステートジャガーは、種牡馬としてふたたび供用されることとなった。これによりメルシーステージは「孝行息子」、馬名から「父よ、舞台（レースに出走することができる）をありがとう」として競馬ファンに認知されるようになった。クラシック本番の第54回皐月賞では4番人気に推されるも道中の不利やハイペースに巻き込まれ13着に惨敗。続く第61回東京優駿（日本ダービー）でも17着と惨敗（いずれのレースも勝ち馬はナリタブライアン）、休養明けの秋は、神戸新聞杯2着、京都新聞杯5着（勝ち馬はいずれのレースもスターマン）と上々の始動をみせ、天皇賞（秋）にオグリキャップ以来6年振りに4歳馬として出走した。結果10着に敗れはしたものの勝ったネーハイシーザーからコンマ6秒差で着順以上の善戦であった。その後体調を崩し、故障もあり長期休養を挟んだ復帰後は出遅れ癖がつき得意の先行策を取れないことがたびたびあり惨敗を繰り返し、結局毎日杯以後は17戦して二桁着順が11回という成績で1997年に引退。ただし第32回中日新聞杯では3着馬のマンノチャレンジに一度は抜かれるも持ち味の二の脚と勝負根性でふたたび抜き返し2着を死守し実力の片鱗をみせた。引退後は行き先が決まっていなかったが、その「親孝行」に感銘を受けた青森の牧場主が身元を引き受け、そのまま青森で種牡馬として供用された。しかしもともと体質が弱かったため、1頭の産駒も残せないまま、翌1998年11月に死亡した。ステートジャガーは活躍した産駒を2頭しか残しておらず、そのうちの1頭がメルシーステージであった。競馬関連の書籍などでは、4連勝後の惨敗の連続から「父親を捜すために懸命に走り、それが達成されたから気が抜けたのだ」といった擬人的な描かれ方をされている。メルシーステージの活躍により種牡馬に復帰したステートジャガーは、その後しばらく青森で種牡馬として供用されていたがメルシーステージに続く仔を出せず、現在はふたたび行方不明になっている。

出典:wikipedia