進研ゼミ(しんけんゼミ)は、ベネッセコーポレーション(以下「ベネッセ」)が行なっている小学生・中学生・高校生向けの添削式の通信教育講座である。なお本項では、以下についても取り扱うこととする。なお当ゼミは、「進研」を略称とする進学研究会とは何ら関係はない。かつてベネッセ(当時は福武書店)は1955年より学生向けの通信教育事業を5回も企画したが、いずれも入会者が集まらず失敗していた。ところが1969年に高校生向けに開講した「通信教育セミナ」(現在の「高校講座」)は、進学競争が過熱化し始めた時期と重なり順調に会員数を伸ばし、1972年に中学生向けに「通信教育セミナ・ジュニア」(現在の「中学講座」)を開設した。この「通信教育セミナ」は「進研ゼミ」として発展し、1980年には「小学講座」を開設するほか、未就学児部門として1988年に「幼児講座」、1994年に「おやこ講座」(2-3歳児向け)と対象を広げ、通信教育業界の売上げ1位となった。なお未就学児部門はその後「こどもちゃれんじ」として独立し、幼児講座は「ほっぷ・すてっぷ・じゃんぷ」、そしておやこ講座は「ぽけっと」となった。しかし少子化の影響もあり、2000年には会員数が420万人に激減、またゆとり教育の導入(小中学生の学習内容が3割減)で進研ゼミの存在理由も薄くなり、2003年には会員数も370万人にまで急激に減少。授業の進み具合や進路希望などに合わせて学習教材を細分化するなどしたが、2004年の会員数は400万人程度にとどまっている。2010年2月9日より中高生会員を対象とした携帯電話事業ベネッセモバイルFREOを開始したが、加入者数は延びず、わずか1年でサービス終了に追い込まれた。2015年2月17日よりプリペイドカードタイプのオンライン教材である『BenePa(ベネパ)』を開始し、コンビニチェーンであるローソン限定で専用プリペイドカードを発売した。※ 会員数は「進研ゼミ」と「こどもちゃれんじ」(進研ゼミ時代を含む)の合算。しかしながら、2014年7月9日に発生した個人情報流出事件の影響もあり、2016年4月の時点でゼミ会員数は243万人に減少している。いずれも現在は「こどもちゃれんじ」として独立。またこれらのほか、大学生および社会人向けの講座として「キャリアUPゼミ(キャリアアップゼミ)」も開講されていた。郵便・宅配便を利用した通信教育システムである。毎月、自宅宛に教材が郵送されてくるので、その問題を解き、付属している返信用封筒に入れて返送する教材もある。返送された解答用紙を「赤ペン先生」という同社の添削指導員が採点、間違いに対するアドバイスを赤色のペンで記入して、受講生に返送する。また「到達度確認テスト」という名称などの教材を解いて送ると、受講生にあった勉強の仕方のアドバイスや進学校を教えてくれるものもある。小学講座・中学講座のテキスト、および高校講座の授業対策用テキストの名称。なお、正式タイトルは学年を冠した表記となっている(例:『小三チャレンジ』)。なお、対象によって表記が以下のように異なる。ちなみにこの「チャレンジ」という名称は、同じベネッセが出版する辞書(例:『チャレンジ小学国語辞典』、『Challenge中学英和辞典』)のほか、同社提供のラジオ番組のタイトルにも使用されている。また、かつての幼児・おやこ講座のテキストは『こどもちゃれんじ』といい、のちに進研ゼミから独立した現講座の名称となる。高校講座の大学入試対策用テキストの名称。「~の中に入れる」の意味の接頭語「en」に「大学:college」をつなげたベネッセによる造語で、「勇気づける:encourage」とかけているとのこと。テキストのほか、ビデオ(DVD)やCD教材などがある。会員から郵送されてきた添削問題に対し、赤ペン(厳密には赤マジックペン)による直接手書きで指導する。ただし、中学講座における「インターネット返却」ではパソコンで添削を行なっている。学年専任で、かつ小学講座では一年を通じた担任制となっている。報酬は、添削した答案枚数に応じた出来高制。教員免許など特別な資格は必要ないが、「4年制大学卒程度で応募時の年齢が45歳くらいまで」となっている。この条件を踏まえてか、「結婚退職した元学校教員の専業主婦が、願わくば教育関係の仕事に、それもパートないしは内職程度の作業負荷でカムバックしたい」というパターンの応募人気が、事業開始当初より高かったようである。採用選考は書類審査と筆記試験、そして面接で行なわれる。また選考合格後も、事例などを扱いながら具体的に学ぶ研修が課される。添削指導が主に自宅で行なえる手軽さもあり、採用選考の競争倍率は高い。ちなみに「赤ペン先生」は、ベネッセの登録商標である。課題を提出するともらえるポイント(小学講座はシールの枚数)に応じて賞品をもらえるシステム。かつては「提出シールプレゼント制度」と呼ばれ、課題の得点によって1993年度まで金・銀・青のシールとなっていたが、現在は小学講座5~6年と中学講座と高校講座はシールではなくポイント制に、小学講座1~4年は色分けがされていない金のみの「がんばりシール」となっている。学年や教科、提出課題の種別によって、もらえるポイント(またはシールの枚数)や賞品の内容が異なる。また、特別キャンペーン等の実施期間中は、条件を満たせばもらえるポイント(またはシールの枚数)が増える(2倍など)こともある。ベネッセはダイレクトメールのために年間255億円(日本企業では最高額)を費やすが、この大半が進研ゼミの入会案内・勧誘である。同じ学年でも、男子用・女子用で別々に、また47都道府県別の受験情報など、何十種類もの内容のダイレクトメールを用意。このダイレクトメール戦略が「5人に1人が進研ゼミ受講生」というほどの驚異的な会員数の増大につながっている。その反面、資料請求申請をしていないにも拘らず高頻度でダイレクトメールを送り付ける戦略には、プライバシーや森林保護などの観点より、激しく批判する保護者や生徒も少なくない。時にはすでに亡くなった子供のところにまで送りつけてくる例すらある。なお、かつてはダイレクトメール送付のために住民基本台帳から個人情報を閲覧していたが、2005年10月をもって閲覧を中止した。しかし住民基本台帳の閲覧を中止したのみで、すでに得た個人情報に依存し、その個人情報も2014年7月に流出するという事態に達したことから激しい批判を受けている。ダイレクトメールの特徴としては、開封率を高めるために、進研ゼミの素晴らしさがテーマのプロパガンダマンガを同封していることである。この手法を教育系事業のダイレクトメールに初めて使用したのは進研ゼミである。学習内容と同じく漫画も各学年別に男子向けと女子向けが用意されている。マンガの内容は、「スランプ中の主人公が進研ゼミを始めたら勉強だけでなく恋もうまくいき、部活でも大活躍」など比較的煽った内容が目立っているほか、ライバルである学習塾に対抗する形で、「進研ゼミは学習塾と違い時間に拘束されない」を謳い文句とした比較広告もあるなど、進研ゼミ特有の特徴が明記されている。また作中ではグラフを利用した比較も多用される。また、宣伝用漫画の主人公は大抵「一度進研ゼミに入会するものも退会してしまったことでスランプに突入してしまい、成績が悪化した」という前科を持っている。ストーリーは社内の広報担当者が担当するが、あくまで漫画を使った広告であるため展開は毎回同パターンである。しかし作画はプロやデビュー前の漫画家に依頼しており、絵柄は作家ごとに異なっている。また、漫画以外のイラストもイラストレーターに依頼している。漫画は商品ではなく広告であるため公式サイトでは無償公開されているが、近年では登場人物のフィギュア化をメーカーが検討するなど、漫画として人気が出ることもある。進研ゼミから発送されるダイレクトメールには、宣伝用DVDが同封されていることがある。その内容は、宣伝用冊子とほぼ同じ内容となっており、成績悪化に悩む保護者などの不安を煽り入会を勧める煽動的な内容が目立っているほか、既述のような学習塾対抗のための比較広告もある。子供向けの宣伝用アニメのあとには保護者向けの広告が流され、比較広告や付録などが放送され、広告の最後に進研ゼミへの入会を子供に勧める内容のナレーションが流される。高校講座を受講し、かつ大学進学を果たした人に対しては、現在高校講座を受講している後輩に際してのサポート役ともいうべき「ゼミレポーター制度」を設けている。ゼミレポーターには「ゼミレポNETWORK」という会報が配られる。かつては、ゼミレポーターを卒業した人向けの組織もあり、「進研インター」という会報が配られた。進研インターの内容は一部ゼミレポNETWORKでも紹介された。これらのほか、同じベネッセ(当時福武書店)が出版していた『プロシード英和・和英辞典』のCMソングとして、ハウンド・ドッグの「15の好奇心」が使われていた。福武書店→ベネッセ提供で、進研ゼミのCMを流す番組は以下のとおり(過去を含む)。以前の提供クレジットは「進研ゼミ」または「進研ゼミ○○講座」であったが、2014年7月に発覚した個人情報流出事件により、一時提供を自粛していた。2014年11月に提供再開後、クレジットは「Benesse」となっている。下記2番組は一社提供。
出典:wikipedia
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