クミン(、学名:)とはエジプトなどを原産とするセリ科の一年草。種子(クミン・シード、)に強い芳香とほろ苦み、辛みがあり、香辛料として用いられる。一般には種子と呼ばれているが、植物学上は果実である。和名はウマゼリ(馬芹)。漢名は孜然()。フランス語ではキュマン ()、オランダ語ではコミン()、インド亜大陸周辺ではジーラ ( )。地中海沿岸東部原産の一年生または二年生の草本で、高さは20-40cm程度。株全体に毛はなく、葉柄は長さ1cm程度と短く、針形の鞘がある。葉は細長い針型で、2回羽状に全裂する。花は傘形花で直径2-3cm。花弁はピンクまたは白色、長楕円形で、先端がわずかに欠ける。種子は長楕円形で両端が狭く、長さ6mm、幅1.5mm程度、全体が白い剛毛に被われている。花期は4月ごろで、5月ごろに種子ができる。温暖湿潤な気候と水はけの良い肥沃な土壌を好む。暑さや乾燥を嫌うため、多くの地域では冬の作物として栽培される。最大の輸出国はイランだが、インドからヨーロッパにかけて広い地域で栽培されている。同じ種でも栽培される条件によって香りや形質に違いがある。最も古くから栽培されているスパイスの一つと言われ、紀元前16世紀の古代エジプトの医学書「エーベルス・パピルス」にも記載されているほか、古王国時代の墓所からは副葬品として発見されている。古代ギリシアや古代ローマでは薬用や美容、食卓に備え付ける薬味として用いられていた。新約聖書の時代にはパリサイ人はクミンで十分の一税を物納していた。中世ヨーロッパでも料理や薬用として用いられたが、家禽類の逃亡を防ぐ、恋人の心変わりを防ぐためにライスシャワーにクミンを混ぜる、事前に匂いをかぐと妊娠しやすくなるなど、迷信やまじないと関わりがあった。種子のクミン・シード()は、南アジア、中東、中央アジアの料理に香辛料としてよく用いられる。カレー粉にも配合され、カレーに特有の香りとわずかな辛味を与える。香りの主成分はクミンアルデヒド (cuminaldehyde (HC)CHCHCHO)。インド料理には必須のスパイスのひとつで、様々な料理を作る際に、始めに油に香りをつけるためにクミン・シードを油で熱する。ガラムマサラやチャツネを作る際にもよく使われる。単独で使うと薬臭く感じられることもあるため、他の香辛料と併用される場合が多い。トルコ料理、ウイグル料理、ポーランド料理、レバノン料理、モロッコ料理、スペイン料理でも非常によく用いられる。メキシコ料理、テクス・メクス料理ではチリコンカーンなどに用いられるチリパウダーに配合される。オランダのライデンにはライツェ・カース()と呼ばれる、クミンを練りこんで風味を付けたチーズがある。その他、各国でスープ、パン、ケーキ、ピクルス、ソーセージなどにも用いられる。薬用としてはインド、ヨーロッパでは健胃薬や駆風薬、利尿剤となると言われている。クミン・シードは外観が同じセリ科の香辛料であるキャラウェイシードやフェンネル(小茴香)と似るので混同しやすい 。
出典:wikipedia
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