AT-3は中華民国（台湾）の航空工業開発センター（AIDC 漢翔航空工業股份有限公司）が開発した練習機。台湾空軍で使用されている。中国語での愛称は「自強（ツチャン）」。台湾において開発された初のジェット機である。1970年代中盤に入り、台湾空軍ではそれまで使用していたT-33練習機（初飛行1948年）の老朽化に伴い、後継機を求めるようになった。台湾の航空工業開発センターはアメリカ合衆国のノースロップの協力を得て、後継練習機を開発することとした。1975年に開発契約が結ばれ、初号機は1980年9月16日に初飛行している。1982年には量産が始まった。機体は、ターボファンエンジン双発の低翼配置のものである。主翼はスーパークリティカル形のほぼ直線翼で後退角は7度しかない。エンジンは胴体側面に装備され、ノズルは胴体後部側面に位置する。練習機であるため、タンデム複座であり、視界は良い。固定武装として機銃を装備できる。部隊配備は1984年から開始され、1990年までに60機が生産された。1980年代後半に単座の軽攻撃機型の検討も行われ、2機の試作機が製造されている。これはA-3またはAT-3A（愛称は「雷鳴」）と呼ばれている。なお、AT-3も改装を受け、軽攻撃機としてのアビオニクスを装備したAT-3Bに20機が改装されている。AT-3は、岡山基地の空軍軍官学校にて戦闘機乗員養成過程における中間・高等練習機として用いられ、同校教官パイロットによる曲技飛行隊の雷虎特技小組（サンダータイガー）でも使用されている。2012年2月3日　2機が台湾南部の屏東県で空中衝突。うち1機が墜落しパイロット2名が負傷した。

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