ブラックスワン級スループ (Black Swan class sloop)はイギリス海軍のスループの艦級。改ブラックスワン級もここで扱う。ブラックスワン級は8隻が1939年から1943年に進水し、改ブラックスワン級は29隻が1942年から1945年に進水した。本級は船団護衛用に駆逐艦より低速で浮上したVII型とIX型Uボートよりは高速であるように機関を小型化した替りに軽巡洋艦並の長大な航続距離を有し、対潜能力に特化したフラワー級などのコルベットやリバー級などのフリゲートと同じ設計思想で建造された艦級であるが、戦訓により航空機による航空攻撃への対処として対空火力を強化した改設計が行われたのが本級である。本級は第二次世界大戦で29隻のUボートを沈め、特にフレデリック・ジョン・ウォーカーが指揮する「スターリング」は9隻のUボートの撃沈に関与した。戦後もイギリス海軍、エジプト海軍、インド海軍、パキスタン海軍および西ドイツ海軍で活躍した。1949年4月、アミシストが長江で中華人民共和国軍の攻撃を受けた(アメジスト号事件)。何隻かは朝鮮戦争に参加した。基本デザインは前級をベースにしており、長船首楼型船体を踏襲している。軽いシア(艦首の反り返り)の付いた艦首甲板から主砲の10.2cm連装高角砲を背負い式で2基、1番主砲の基部から上部構造物が始まり、その上に箱型の艦橋の背後に軽量な三脚式の主マストが立つ。船体中央部の1本煙突の後方に艦載艇が置かれ、2本1組のボート・ダビッドが片舷1基ずつ計2組により運用された。その後方に後部見張り所が立ち、船首楼の最後部に3番10.2cm主砲が後ろ向きに1基が配置された。甲板一段分下がった、後部甲板上に対潜爆雷が配置された。主砲は「1936年型 QF Mk XVI HA 10.2cm:4インチ(45口径)高角砲」を引き続き採用している。15.9 kgの砲弾を仰角45度で18,150m、最大仰角80度で11,890mの高度まで到達できた。これを連装砲架で3基を搭載した。砲身の俯仰は仰角80度・俯角10度で旋回角度は340度の旋回角度を持っていたが、実際は上部構造物で射界に制限を受けた。発射速度は毎分15~20発だった。他に近接対空火器として、ブラックスワン級は「4cm(39口径)ポンポン砲」を4連装砲架で1基搭載しており、近接火器として「ヴィッカーズ 12.7mm(50口径)機関銃」を連装砲架で4基を搭載した。また、改ブラックスワン級はこれらの代わりにエリコンFF 20 mm 機関砲を連装砲架で6基搭載していた。ただしこれらの装備は基本的なもので、ポンポン砲を2連装砲架で2基搭載していた艦もあり、その後の追加装備等は各艦によって様々であった。機関はアドミラルティ三胴式重油専焼水管缶2基にパーソンズ式オール・ギヤードタービン2基2軸と組み合わせて最大出力3,600hpで最大速力19ノットを発揮した。改良型は4,300馬力で速力20.0ノットと僅かに向上した。
出典:wikipedia
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