ネオジオ(NEOGEOまたはNEO・GEO)は、SNKが開発・販売、及びレンタルしていた家庭用ゲーム機、並びに業務用ゲーム機の名称。また、両機で使用されているシステムウェアの総称でもある。家庭用向けとして開発が進められたが、後に業務用(アーケード用)にも流用されることになったという、当時としては非常に珍しい経緯を辿ったゲーム機器並びにシステムウェアである(具体的な説明は後述する)。ネオジオの基となるハードウェアは、ネオジオのサードパーティーとなるアルファ電子(後のADK、2003年倒産)が開発した。詳細はADKを参照。キャッチコピーは「凄いゲームを連れて帰ろう」。イメージキャラクターは、黒い燕尾服に黒マントと黒シルクハットに笑い顔をイメージさせる切れ込みの入った、のっぺりした仮面姿の「ゲーマント」。なお、この項目では家庭用カセット版を中心に説明するが、業務用ネオジオとの共通箇所も併せて説明する。従来は、ゲームセンターの業務用ゲーム機(アーケードマシン)でのゲーム内容の差し替えは内部基板の交換に依っていた。しかし、基板が嵩張ることから製造や流通のコストを押し上げる要因ともなっており、また小さなゲームセンターにとっては、ゲーム内容の入れ替えが大きな負担となっていた。この問題に対して業務用ゲーム機メーカーのSNK側が出した回答の一つが、家庭用ゲーム機のように、汎用のハードウェアを作成し、ソフトウェアをロムカセット化した上で、ゲーム機内のスロットに投入する事で、簡単にゲームの差し替えを行えるようにするという物だった。システム基板とソフトウェアの供給媒体との分離自体は1980年代にすでに確立されており、データイーストのデコカセットシステムやカプコンのCPシステムなどで既出の手法だったが、供給媒体をカートリッジとして交換を容易にしたほか、1台の基板で複数のソフトウェアを導入し切り替えることが可能な作りにするという独自の要素を導入した。また、初期タイトルのソフトウエアは3万円程度と、業務用としては非常に安価に設定された。この価格は、初期の家庭用のソフトウエアと同額である。これにより開発された業務用ネオジオである、通称「Multi Video System」(略称:MVS)は、ソフトウェア交換が楽な上に1台のゲーム機で複数ゲームを提供できる事から、スーパーマーケットなどに併設されているような小規模なゲームコーナーや、玩具店・書店の店頭にゲーム機を設営する際に、その省スペース性が受けて普及した。なお、後期型の1カートリッジタイプを除けば、ソフトウエアごとのインカムを別々に集計する機能が備わっているため、不人気タイトルを容易に特定でき、適切なタイトル変更が行える仕様だった。また、前述した「ソフトの交換が楽で非常に安価」というのが実現できたのも、ソフトウェアの媒体がカートリッジ(カセット)だったためである。1990年に発売され、日進月歩の歩みでハードの移り変わりが激しいこの業界で、2004年までに家庭用ネオジオと共に14年間もソフトを供給し続けた。業務用のMVSがリリースされた一方、MVSと同時開発していた家庭用ネオジオもリリースされることになった。通称「Advanced Entertainment System」(略称:AES)で、これは後述のネオジオCDも同様である。ただし、業務用が通称の「MVS」で呼ばれるのに対し、家庭用は「ネオジオ」と呼ばれることが多かったため、あまり浸透していない通称である。発売当時、他の家庭用ゲーム機メーカーが「そこそこのハードウェアでそこそこの表現力」のマシンをリリースする中、「ゲームセンター向けハードウェアと同じ品質で、且つゲームセンターでヒットしていたゲームがほぼそのまま家庭で遊べる」という特徴により、特に金銭に糸目をつけない熱心なゲームファンに支持された。しかし、その特徴のために、非常に高価だったため、「レンタルゲーム機」として当時急速に日本全国に普及していたレンタルビデオ店で貸し出す事業を行った。このレンタル事業は後に一般販売と平行して行われるようになり、ネオジオCDが発売された1994年まで続いた。なお、パソコンゲーム業界では1980年代前半よりレンタルを「違法コピーの温床」と否定的に捉える風潮が強かった。家庭用ゲーム業界もそれをほぼそのまま踏襲していたことから日本ではアメリカ合衆国と異なりゲームレンタルは「潜り」の商売とみなされて来た経緯がある。そのため、ネオジオのソフトを含めたレンタルは日本初のメーカー公認レンタルである。なお、セガが1999年から2000年にかけてTSUTAYAと提携して行ったドリームキャストのレンタル開始に際して「日本初のメーカー公認ゲームレンタル」との報道も見られたが、これは誤りである。レンタル事業で一定の成功を収め、更に消費者側から“購入できるネオジオを”との声もあった事から、家庭用ゲーム機販売事業へ参入、高級ゲーム機としての市場を開拓すべく1991年7月1日より一般販売が開始される。当時の他機種のハード本体の価格は定価1万円前半 - 2万円前半、ソフトが5千 - 1万円程度だったのに対し、ネオジオは本体が58,000円、ロムカセットソフトも3万円以上した。初期タイトルのロムカセットソフトの価格は、業務用ロムカセットソフトと同額だった。これは、当時の他機種の価格をも考えた上で、ネオジオのゲームを1本買うだけで他機種の本体が2台買える計算である。ソフトがこのような価格設定となった理由は、大容量のロムカセットを使用していた点と製造拠点の確保に由来する。当時はアーケード基板と家庭用ゲーム機とは性能差が大きかったため、家庭用ゲーム機用に移植されるのもある程度の期間(半年から1年)を経た後で、かつアーケードとまったく同じグラフィック・音楽で移植されない=できないのが当たり前だった。その時代に「アーケードと全く同じものが、アーケード稼動2ヵ月後に家庭で遊べる」という絶大なバリューを持ったネオジオが登場した。なお、当初は「MVS用ソフトウェアにわずかな変更を施したものが家庭用」と思われていたものの、後述する「MVSコンバーター」や「ユニバースバイオス」の登場により、実際は業務用も家庭用カセット版も中身は全く一緒で、最初から家庭用のプログラムも組み込まれていることが明らかになっている。2004年、SNKプレイモアは『サムライスピリッツ零スペシャル』を最後にネオジオの生産を終了させた。生産終了の最大の理由は、海賊版、エミュレーターなどのコピー問題である。SNKや後継会社のSNKプレイモアはこの問題に対策を施したが、発売から10年以上も経っていたこともあって、ハードはすでに徹底的に隅々まで解析され尽くされていた。そのため、知識のある人間によってコピーガードなどのプロテクトは簡単に解除されたり、会社側がさらにセキュリティを強化しようとしても、今度はソフトの互換性に問題が生じることとなってしまった。以上のことなどを踏まえ、SNKプレイモアは生産終了を発表し、事実上ネオジオの歴史に幕を閉じることとなった。このことについては、「ザ・キング・オブ・ファイターズ完全読本」内でも、SNK時代からのSNKプレイモア社員によって語られている。こうして終焉を迎えたネオジオは、一般的には存在自体知る人も少ない旧世紀のマイナーなゲーム機として、顧みられる事も少なくなったが、全盛期を知るゲームファンには今なお根強く支持されており、一部発展途上国では現在でも安価で良質なゲームが楽しめるゲーム機として重宝されている。近年の動向については次節にて詳説する。SNKが倒産した後、枝分かれ組のひとつでもあったブレッツアソフトはネオジオに代わる後継機種として「クリスタルシステム」という基板を発表する。この基板は韓国のマジックアイズ社が開発した「VRanderZERO」というマザーボードのアーキテクチャを流用し独自にカスタマイズした基板で、見た目は小型のMVSといった趣きの基板だった。しかし、元々のVRanderZEROマザーが非常に故障しやすい基板だったのと、直後にブレッツアソフトがサン・アミューズメント社に吸収合併されたため、実際に発表されたタイトルは『ザ・クリスタルオブキングス』とメキシコのEVOGA社のブランドで発売された『エヴォリューションサッカー』の2タイトルのみに留まり、日本国内では公式に発売されず、『ザ・クリスタルオブキングス』のみ非公式で発売された。SNKプレイモアにとってブレッツアソフト、サンアミューズメント、そしてSNKネオジオ社は現在では傍系扱いとなっているため、クリスタルシステム基板そのものが無かったことになっている。生産終了後、SNKがネオジオ向けに開発していた作品を初めとする、SNKプレイモアが現在、権利を所有しているアーケード向けの作品の大半については、サミー(後のセガサミーホールディングス)が開発したプラットフォームである「ATOMISWAVE」へ移行し、事実上、このプラットフォームが「MVSの後継」という立場を担うこととなった。しかし、わずか2年後で、SNKプレイモアはプラットフォームをタイトーの「Taito Type X」に変更している。また、タイトーのアーケード向けダウンロード配信システム「NESiCAxLive」での配信も予定されている。2005年、SNKプレイモアはPlayStation 2(以下:PS2)向けとして、『NEOGEO オンラインコレクション』というシリーズを発表。高額なネオジオ向け製品が完全移植で、安価にPlayStation 2で楽しめることとなった。しかし第1弾として発売された『餓狼 MARK OF THE WOLVES』(以下:餓狼MOW)は、完全移植とあまり呼べるものではなかった。この作品はSNK時代の作品であるものの、オープニングに出てくる「SNK」及び「SNK Presents」のロゴが「SNK PLAYMORE Presents」に差し替えられており、また「基本操作説明」の画面も収録されていないなど、シリーズタイトルや謳い文句とはかけ離れたような移植だった。一応完全移植と呼べるようになったのは第3弾である『THE KING OF FIGHTERS オロチ編』からである。しかし、第3弾以降の一部の作品でも、表現などの問題もあって修正せざるを得なくなってしまったものもあった。逆に、第2弾の『月華の剣士1・2』以降の作品には、第1弾である『餓狼MOW』にあったギャラリーモードはおろか技表やプラクティス(トレーニング)モードなどすら無く、PS2用に少し変更を加えただけの、ネオジオ版ほぼそのままのいわゆるベタ移植だった。また、このシリーズは発売延期が多く、SNKプレイモア側は「諸般の事情」としか説明せず、具体的な延期理由については明らかにしていない。2010年、ネオジオは発売後20周年を迎えた。これを記念し、SNKプレイモアは同社サイトに20周年記念ページ“ NEOGEO MUSEUM ”をオープン、ほぼ同時に別会社に委託する形でネオジオの補修を再開するなど、旧来のファンへ向けてのアピールを続けている。現在ではそれぞれのプラットフォームにて安価にダウンロード販売がなされているタイトルも多く、入手もゲームプレイも容易である。移植にあたってはバーチャルコンソールとプロジェクトEGGのようなROM版そのままの完全移植に近いものから、ネオジオステーション、Xbox LIVE アーケードのように元から新たな機能を追加した上での新規移植とも言える出来のタイトルも存在する。SNKプレイモアはD4エンタープライズに版権許諾を出すという形でWiiのバーチャルコンソールに参入しており、同サービスで一部のネオジオ用ソフトがダウンロード販売されている。2010年12月22日にはPlayStation 3およびPlayStation Portableにおいてネオジオ用ソフトのダウンロード販売を行うネオジオステーションが開始された。PS3版は、1080p描画によりi/p変換を排し液晶などフラットパネルディスプレイ上でブラウン管と遜色ないプレイ環境を実現するとともに、インターネットを通じてラグの少ない高品質なマルチプレイが楽しめる。PSP版はアドホック通信によるマルチプレイに対応している。両機種とも、ゲーム中の任意の状態のセーブ、ネオジオ用メモリーカードや当時のバグなどの現象を含めたエミュレーション等が可能な他、購入済全タイトルを網羅するBGM鑑賞モードを搭載している。2011年4月19日には上記のD4エンタープライズが運営するプロジェクトEGGより、Windows向けにネオジオ用ソフトの配信を開始。千差万別なWindows環境に合わせて解像度を含む各種設定が変更可能であり、クイックセーブやムービーキャプチャも搭載されている。この他、Xbox 360のXbox Live Arcadeに移植されたタイトルも存在する。それぞれHD高画質化されており、オンラインによる対戦・協力プレイが可能、実績システム、インゲームマニュアル(格闘ゲームでは技表を表示)などに対応している。2012年12月、SNK公式ライセンス商品として日本国内でも発売された。SNKから公式に発行されていたネオジオ関連の広報誌および公式ファンクラブは以下の物が存在した。
出典:wikipedia
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