大谷古墳（おおたにこふん）は、和歌山県和歌山市大谷の紀ノ川河口地帯右岸に所在する古墳時代後期の前方後円墳である。国の史跡に指定されている。築造時期は5世紀後半から6世紀初頭と考えられている。和泉山脈の南側山麓に造営されていて、前方部を南西に向けて位置している。発掘調査は、和歌山市教育委員会が京都大学研究室に委嘱し、1957年～1958年にかけて行われた。1978年11月5日、国の史跡に指定された。主体部出土遺物は、1982年6月5日、重要文化財に一括指定された。埴輪列が確認されている。後円部から阿蘇山の凝灰岩製の組合せ式家形石棺が出土している。石棺は、底石、4枚の側石、2枚繋ぎの蓋石で出来ている。蓋石は、屋根形をしており、2.96m×1.6mの大きさである。両側に6個の環状縄突起をつくってある。20歳から30歳くらいの人骨が出土している。紀氏一族の武将の奥津城（おくつき）と推定。紀ノ川下流域における5～6世紀の首長の墳墓は、左岸にある岩橋千塚古墳群であると考えられているので、本古墳の被葬者は別の首長と考えられる。大陸文化との関係が注目される。

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