四の字(しのじ)とは、漢字文化圏の迷信において、死と音が通じることから忌み数とされる漢数字の「四」のことである。漢字文化圏のうち、声調のない日本語と朝鮮語では漢字の「四」と「死」が同音であり、他の地域でも声調だけが違う。このため、漢数字の四を不吉と見なす迷信があり、二字が同音となる日本などで特に四が忌避される。死の連想を嫌う病院では特に忌避が強く、後述の通り病室の番号に「4」の数字を使用することは避けられる傾向がある。日本では平安時代から四を忌避することがあった。『小右記』天元五年(982年)三月十一日の条に、四人を忌んで五人にしたという記述がある。これは数の 4 を嫌った例だが、数ではなく音の「し」を忌むだけのほうが多かった。このため、和語の数詞を使い、「四」(し)を避けて「よ」を用いることが行われた。例えば「四人」を「しにん」ではなく「よったり」あるいは「よにん」と呼んだ。大永二年(1522年)に足利義晴が祇園会を見物した時の記録である『祇園会御見物御成記』の献立には、「二、三、よ、五」と記されている。また、重箱は四段のものが正式だが、上から順に一の重、二の重、三の重、与の重(よのじゅう)と呼び、四の重(しのじゅう)とは呼ばない。同様に、本膳料理で五膳あるいは七膳まである時、本膳、二の膳、三の膳、与の膳(よのぜん)、五の膳と呼び、四の膳(しのぜん)とは呼ばない。その後、江戸時代には、「むつかしや四の字をきらふ旦那様」(1709年)、「四の字でも小つぶ四つは気にかけず」(1801年)という雑俳が詠まれ、「しの字嫌い」(1768年)という古典落語も作られ、四の忌避を滑稽に感じる向きもあったことが分かる。日本語の数詞で、4が「よん」になったのも「し」の忌避と考えられる。当時はまだ「よん」は一般的ではなく、「し」が使われていたことがわかる。ただしこれは東京の話で、大阪では江戸時代にすでに「よん」になっていたという。現在の日本では、病院やマンションの部屋番号等で4の付く部屋はしばしば飛ばされ、例えば203号室の隣は205号室になっていることが多いが、一方で4階を問題にする例は少なく、3階の真上に5階を設ける高層建築は滅多にない。一方で、ナンバープレートの一連指定番号は、下2桁が42, 49のものは要請がない限り払い出されない。それぞれ「死に」、「死苦」(あるいは「轢く」)を連想させるからである。鉄道車両の形式付与でも、4000系などの称は避けられる傾向にある。高松琴平電気鉄道ではかつて志度線・長尾線向けの車両は2桁の形式だったが、30形(2代目)では番号が39に達した後は40番台を忌み番として避け、29、28、27と付番し、30形(3代目)では2両1組だったため37+38の次は29+30、27+28と付番していた。また、阪急電鉄では、4000番台は事業用車両に使用されている。現在、救援車として4050形が在籍している。うどんなどでも4玉を避ける傾向があり、四と死の連想は、ビジュアル系ロックバンドやホラー小説作品などでは不吉さの演出などのために積極的に使われる。例えば坂東眞砂子の小説『死国』(四国と掛けている)がある。一方で、欧米文化の影響で四つ葉のクローバーは縁起がいい。病院の階数や部屋番号には、4の他、「苦」に通じる9も忌避される。ただし、「九」と「苦」が同音になるのは日本語だけなので、日本だけの風習である。中国語では、方言によっては必ずしも「四」と「死」が同音にはならないので、4が常に不吉とされているはいえない。風水における四神などのように神聖視されることも少なくない。中国の軍用機の番号は、瀋陽 J-5のように、4を避けるために5から割り振られる。普通話では「九」と「苦」は全くの別音になるので、中国には9を忌避する風習は無い。むしろ逆に、普通話では「九」と「久」はどちらも で同音なので、中国では好まれて使われる。韓国では病院には一般に四階がない。他の建物で四階がある場合でも、エレベーターのボタンには4の代わりに "F" (four) が書かれていることがある。マンションなどの建物では3階のすぐ上が5階となっていることがある。韓国軍の打ち上げた人工衛星アリランとムグンファには4号が存在しない。北朝鮮軍の旅団は「第4旅団」が欠けている。ベトナム語では「死(tử)」と類似音の「四(Tứ)」よりむしろ「惨(thảm)」につながる「三(tam)」が嫌われてきた。しかし、特に若い世代では漢語にもとづく(ニャッ、ニー、タム、トゥー、グー)という数の数え方では10まで数えられない者も多く、固有語による(モッ、ハイ、バー、ボン、ナム)が一般的な数の数え方になっているため、忌み数字はあまり知られていない。香港やシンガポールなどの漢字文化と西洋文化の混在する地域では、13と併せて嫌われることもある。そのため、12階の次が15階と飛番となっている建築物も存在する。心理的ストレスは心臓病を引き起こすことが知られている。中国人・日本人とアメリカ白人とを比較すると、前者には毎月4日に心臓病による死亡率のピークが見られるが、後者にはそのようなピークは見られない。四の字の迷信による心理的ストレスが原因と考えられる。心臓病以外の死亡率は変化がない。
出典:wikipedia
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