西洋の命数法(せいようのめいすうほう)では西洋の諸言語における命数法について述べる。西洋の諸言語の命数法には、long scaleとshort scaleと呼ばれる2種類がある。これは漢字文化圏でいう万万進と万進の関係に似たものである(命数法#漢字文化圏を参照)。long scaleやshort scaleは標準的な用語ではないが、意味するところが明確なので、百科事典や科学的な文章でしばしば使われる。19世紀から20世紀の大部分では、イギリスでは前者のみ、アメリカでは後者のみが使われていた。それ故、それぞれ「イギリス式」、「アメリカ式」とも呼ばれるが、今日ではイギリスでも後者が使われるため、「イギリス式」という表現は正確ではない。歴史上フランスでは双方共に用いられており、19世紀はじめには広範囲でshort scaleに移行した。アメリカはこれに従ったもので、long scaleを使用していた20世紀初頭のイギリスにおいてアメリカでは方式が違うことに注意を呼びかけている。しかし、現在ではフランスも他の英語圏を除くヨーロッパ諸国に合わせてlong scaleに落ちつき、それとは逆にイギリスではshort scaleに移行するという複雑な経緯を辿っている。1948年、国際度量衡総会はlong scaleの普遍的な使用を提案し、short scaleを使っている国々にlong scaleに戻すよう呼びかけた。しかし、英語圏においては上述の通りアメリカを筆頭にイギリスが移行したこともあり、現在では一般的にshort scaleが使用されている(歴史も参照)。英語の場合は、以下のようになる。現在英語圏の多くの国でshort scaleが用いられている。以下はその一部である。英語圏と東欧を除く多くの大陸ヨーロッパの国々ではlong scaleを使う。以下の国では独自の命数法を使っている。Milliardを用いるこれらの国々において "thousand milliard" という用語が時折使われるが、これは予算についての文脈でのみである。「ドイツの国債が2004年末の時点で約1418 milliardユーロであった」というように、milliardは予算の単位としては主要なものとなっている。予算以外については、10はthousand milliardではなくbillionという。19世紀にはshort scaleを用いていたが20世紀になってlong scaleに戻したヨーロッパの国は2つあるが、イタリアはその1つである(もう1つはフランス)。イタリア語では、bilioneという単語は公式には10を意味するが、口語では10と10のいずれをも意味し得る。またtrilioneも、10と(まれに)10のいずれをも意味する。そのため、曖昧さを避けるために、こうした単語を使う人はほとんどいない。一般には10はmille miliardi (a thousand milliards)、10はun milione di miliardi、10はun miliardo di miliardi、10はmille miliardi di miliardiという方が多い。アメリカ合衆国では、19世紀初頭から学校でshort scaleが教えられてきた。そのため、専らshort scaleのみが用いられている。合衆国以外の国では何世紀にもわたってlong scaleが用いられてきた。従って、long scaleの使用もいまだ続いており、そのためshort scaleの公式の立場がはっきりしていない。イギリス英語においてmilliardという用語は今や時代遅れであり(派生語のyardは使われる。#long scaleとshort scaleの比較を参照)、現在では刊行物でも筆記物でもbillionが10以外を意味することはない。イギリス政府もBBCも専らshort scaleを用いている。イギリス英語で10の意味でbillionを用いた場合、誤解される可能性が高い。オーストラリアでは、2つの物を同じmillionの単位で比較するときなど、10をthousand millionと表すこともある。1999年現在、オーストラリア政府の財務省はshort scaleが標準であるとは見なしていないが、時折short scaleを使っている。Australian Department of Finance and Administration(AusInfoとして知られる)は現在、short scaleを推奨しており、法的定義もshort scaleである。教育、放送局、文学においても、他の英語圏と同様にshort scaleを用いている。他の英語圏の国と同様、現在、インドもアメリカのshort scaleの影響を強く受けている。しかし経済関連のメディア以外ではまちまちであり、話者の教育環境や学歴によるため、イギリスの影響下であったこともあり、多くが伝統的なlong scaleを使い続けると思われる。また、日常生活では、現在でもインド独自の命数法を用いている。(short scaleもlong scaleも用いない国参照)エスペラントの公式の単語であるbilionoやtriliono等の意味するところは曖昧であり、long scaleとshort scaleのどちらを支持するかを国家が推定するのを妨げることによって、国際的なエスペラントのコミュニケーションの本質は問題を複雑化させていた。ただ、現在では非公式だが一般に用いられている -ilion- という接尾辞 (10) を用いることで曖昧を避けようとする方向に向かっている。これは10のべき乗を表すために追加されたもので、例えばduiliono(duはラテン語で「二」)は 10 = 10、triiliono(triはラテン語で「三」)は 10 = 10 を表す。miliardoは明確に10を表す単語であるが、最近ではこれを基にした-iliard-を非公式な接尾辞 (10) と見立ててduiliardo = 10 = 10、triliono = 10 = 10のように表すことが多い。つまり-ilion-の1000倍の数を表すのである。これによって、mililiono = 10 = 10やmililiardo = 10 = 10等の大きな数も簡単に作れるようになった (mil = 1000)。long scaleとshort scaleを使用している国では百万より大きい単位では同じ単語が異なる桁を示すなど表記の仕方が異なる。混乱を回避するために以下のような表示がされる。なお命数法の違いに加え、小数点や3桁を区切る記号をコンマかピリオド(終止符)かという小数点の問題がある。小数点および3桁区切りに関しては国際機関の資料では小数点を基準に3桁毎にスペースを入れる例が見られる。この場合、小数点には地域(言語)によりピリオド又はコンマが使われる。国際単位系(SI)文書の要約は次のように記している。「数字列のなかの小数点の記号は終止符(ピリオド)かコンマのいずれかを状況に応じて使い分ける。英語系の文書ではピリオド、ヨーロッパ大陸諸国の言語の場合にはコンマを使うのが普通である。数字の桁数が大きい場合には、小数点を基準にして数字を三桁づつグループにして、その間にスペースを入れると読みやすくなる。ただし数字の間にピリオドやコンマを入れてはいけない。」
出典:wikipedia
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