乾電池(かんでんち)は、電解液を固体に染み込ませて担持させ、扱いやすくした一次電池である。(一回限りの使用で使い捨てるものが一次電池、充電して繰り返し使うものが二次電池)一次電池は、乾電池と、電解液を液状のまま使う湿電池に分けられるが、現在の一次電池はほぼ全て乾電池である。文字どおりには、一次電池以外の化学電池である二次電池や燃料電池も、湿電池と乾電池に分けられるが、これらの用語は一次電池に限って使う。二次電池では、それぞれに当たるものを開放型・密閉型と言う。乾電池は、小型湿電池の性能に不満を抱いた日本の時計技師屋井先蔵が、より取り扱いが簡素でまた日本の寒冷地でも使用可能な時計用小型一次電池「屋井式乾電池」を発明。その後、ドイツのカール・ガスナーがドイツで乾電池の特許を取得し、1887年(明治20年)寒冷地でも使用可能な電池として発明された。その後、改良と規格化を経て現在の円筒形となった。乾電池は基本的に充電ができず、放電後に機器を動かすには電池の交換が必要なため、寸法・電圧などが国際電気標準会議のIEC 60086(日本ではJIS C 8500)で規格化されている。日本で実際に「乾電池」として売られるものはその内、通称単1形 - 単6形・9V形などと呼ばれる一部である。それ以外は、小型のものは「ボタン型電池」、それ以外は「リチウム電池」のように電池系で呼ばれる。以下では、この狭義の「乾電池」について主に述べる。幾つかの形状・電圧などが規格化されていて、高い互換性がある。形の小さい電池に、より大きい電池の形状をした「スペーサー」と呼ばれる製品を包み込むように装着して、形の大きい電池として使用できる場合もあり、特に利用頻度の少ない単4形以下の電池に対してしばしば用いられる。以下は、アルカリ乾電池の容量の目安。円筒型には他に、ドアチャイムなどに使われる、単5形と高さが同じ、直径がやや細い形状で12ボルトの「23A」がある。平型にはほかに、マンガン電池を内部で並列に繋いだ「平3型」(1.5V)、直列に繋いだ「平5型」(3V) などの大容量大型乾電池が通信用などに用いられる。「0210」(315V)、「0160W」(210V×2組)、「015」(22.5V)、「W10」(15V)といった高電圧の小型積層電池がエレクトロニックフラッシュ用に用いられる。ただしこれらの使用は稀になりつつある。現在はラジコンエンジンの始動用にVT-10(1.5V)や道路標識灯用の電池がよく使われている。9V型はトランジスタラジオ用に設計されたものである。真空管ラジオのB電池にBL-030(45V)、BL-045(67.5V)等の高電圧電池も存在したが、国内での生産は終了し、海外に数種類が残るのみである。IEC 60086とJIS C 8500の規格名称の意味を述べる。一次電池の内部構造には、次のような種類がある。電池の容量はAh(アンペア・アワー)で表わされる。例えば2,000mAhの容量であれば、100mAを20時間ほど流せるはずである。しかしアルカリやマンガンは大電流に適しておらず、大電流の用途では極端に容量が少なくなる。さらに実際の電池寿命は「休ませながら間欠的に使うと長持ちする」、「周囲の温度の影響を受ける」ことが知られている。また製品によるバラつきも大きい。100mA未満で使用した時の目安として上記より、それぞれの特徴がうかがえる。円筒型乾電池の場合、構造別では、次のような用途との組み合わせが適していると言われている。ボタン型電池などには以下のような種類がある。懐中電灯や乾電池で動作するおもちゃのような電力消費の大きいものには単1形や単2形が多く使われ、ラジオなどの小型の電子機器には単3形や単4形が広く使われる。単3形を基準にすると、単4形の電池容量は約半分、単2形は約3倍弱、単1形は約5 - 6倍となる。主流は単3形だが、近年機器の小型化が進んだ事や電力消費が抑えられている事もあり単4形の流通量が増え、単1形、単2形は減っている。単5形は小型のライトや防犯ブザーに使用される。アルカリ乾電池とマンガン乾電池の特徴の違いによる使い分けは浸透せず、また製造企業の宣伝戦略もあって「アルカリ乾電池は、マンガン乾電池より価格が高いが強い(長持ちする)」という認識が広まった(それ自体は虚偽ではない)。その後アルカリ乾電池が安くなってマンガン乾電池との価格差が少なくなると、アルカリ乾電池のみを扱いマンガン乾電池を置かない店も増えた。アルカリ電池に起きやすいとされる液漏れは、過放電によって更にその確率が上がる。過放電とは、機器を作動させることができない電圧(通常0.9V が基準)になること。これにより、乾電池内に水素が急速に発生し、内圧上昇による破裂を防ぐため、安全弁が開く構造になっている。このとき水素と一緒に内液が放出される。また、マイナス側端子の損傷も原因の一つ。度重なる改良が行なわれているが、現在でも基本的にはどの電池にも起こりうる。異種電池の混用によって、先に寿命を迎えた電池が過放電ないし逆充電状態に置かれて引き起こされることもある。マンガン電池が相応とされる微弱電力機器(時計など)にアルカリ電池を入れた場合、結果的に長期間の使用となり液漏れを誘発することもある。何らかの理由でいったん液漏れが発生すると、アルカリ電池の場合は電解液が水酸化カリウム等の強アルカリのため、漏れた液に触れば化学火傷を起こし、目に入れば失明のおそれもある。また、電池の種類を問わず液漏れは金属腐食の原因となるため故障が起こりやすい。一時期、複数の大手メーカー製乾電池で、製造後の一定期間内に通常の使用方法で液漏れを起こし機器が使用不能になった場合に修理費などの補償を謳っていたことがあった。現在でもマクセルのボルテージやFDKのリモコン専用電池(商品名は「私はリモコン用の乾電池です!」)、酸化銀電池で続いている。1993年以降に発売された乾電池の多くには、使用推奨期限が刻印されている。使用推奨期限は、使用開始を推奨する期限を示した物であり、期限までに使い終わることを推奨しているわけではない。期限は製造時から数年程度が一般的。ほとんどのメーカーが、マンガンは単1、単2が3年、単3から単5が2年、6F22が1年半となっている。アルカリは単5と9Vを除いて5年が多くなっているほか、近年のモデル(富士通 Premiun G、maxell ボルテージ、パナソニックエボルタなど)では10年となっている。リチウム電池では米国エナジャイザー社のアルティメットリチウムで15年となっている。家電量販店をはじめとした回収体制が確立している充電池に比べると認知度は劣るが、乾電池はリサイクルの対象である。一例として、回収された使用済み乾電池は、資源化施設に運ばれた後製錬され、亜鉛合金、電気亜鉛、鉄等に再資源化される。一般に、自治体が担っている場合が多く、公共施設の入り口付近に回収ボックスが設置されている場合が多い。マンガンなどの希少金属を再生・再資源化するために拠点回収するなど、蛍光灯等の有害ゴミと同様に回収する市町村・小売店も多い。現在日本で生産されている乾電池には水銀が含まれていないため、廃棄する場合は、特に大都市部などでは不燃ゴミとして回収しているところが多く、これらの地域のホームセンターや家電量販店などでは乾電池の正しい使用法を啓発するビデオや手引書の中でも、粘着テープ等で電極を絶縁してから不燃ゴミとして廃棄するように示されている。『水銀0使用』とは『水銀不使用』の意味。日本では、マンガン乾電池は1991年、アルカリ乾電池は1992年から、水銀は使用されていない。ボタン形酸化銀電池は、無水銀化した物を2005年にソニー株式会社が商品化させた。2005年1月から、10種を全世界で順次販売する。ただし設備が水銀使用電池と共用なので、微量の水銀が検出されることもありうる。なお、アルカリボタン電池はいまだに水銀0化がなされていないものが多く、処分には注意を要する。中国製でも一部の電池には水銀が使用されている。電池の歴史を参照。
出典:wikipedia
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