九州旅客鉄道株式会社(きゅうしゅうりょかくてつどう、英称:"Kyushu Railway Company")は、1987年4月1日に日本国有鉄道(国鉄)から鉄道事業を引き継ぎ発足した旅客鉄道会社の一つ。主に九州地方と山口県の一部の鉄道路線を管理運営している。また、旅行業・不動産業・農業なども展開している。本社は福岡市。通称はJR九州(ジェイアールきゅうしゅう)。英語略称はJR Kyushu。コーポレートカラーは赤色。「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」(JR会社法)に依る特殊会社であったが、平成27年(2015年)6月10日法律第36号により、2016年(平成28年)4月1日を以て、JR会社法の適用対象から除外され、法令上は特殊会社ではない民間会社となった。しかしながら、株式は上場されておらず、北海道旅客鉄道(JR北海道)、四国旅客鉄道(JR四国)、日本貨物鉄道(JR貨物)と同様、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部(以下、鉄道・運輸機構。発足当初は日本国有鉄道清算事業団)が全株式を保有している。JR北海道、JR四国と共に、経営支援策として経営安定基金(3877億、元本の利用はできない。利益配当のみ経常利益に含まれる)が与えられていたが、2015年の法改正により、基金は全額取り崩され、九州新幹線貸付料の一括前払いや鉄道・運輸機構からの借入金の一括返済等に充当された。また、法改正後も3年間の時限措置として引き続き、固定資産税の減免を受けている。1987年のJR九州発足後は、福岡市博多区の博多駅前に福岡本社、北九州市門司区の門司港駅隣の旧国鉄九州総局ビルに北九州本社を構えていたが、2001年に福岡本社に統合し、北九州市小倉北区の西小倉駅近隣(小倉駅からも至近)に北部九州地域本社を設置している。グループ会社は34社を抱え、不動産や駅ビル事業など鉄道と縁深い事業だけに留まらず、船舶事業、ドラッグストアや居酒屋チェーンなどの経営、はては農業といった幅広い事業を営んでおり、関連事業の収益が鉄道事業を超えている。また、近年では、九州新幹線全線開業前に放送し、YouTubeで配信された『祝!九州縦断ウエーブ』と銘打った大規模イベントを敢行してのCM制作や、日本初の超豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」の運行を行っている。九州の各地でJR九州の特急と高速バスが競合している。さらに福岡市と北九州市の都市同士を結ぶ博多駅 - 小倉駅間では国鉄分割民営化により山陽新幹線が西日本旅客鉄道(JR西日本)の所有となり、JR九州の所有する鹿児島本線とは競争関係となっている。このような経営環境もあり、鉄道事業においては特急列車の増発、運賃面でも特急料金の値下げ、「2枚きっぷ・4枚きっぷ」やインターネット専用の割引切符の販売など新幹線・在来線特急列車用の割引切符の拡充などが行なわれている一方で、普通列車や一部特急列車のワンマン化、余剰人員の削減、駅無人化の推進など徹底的なコストカットも推し進めている。また、鉄道事業のほかにも不動産、船舶、飲食業、農業などといった事業の多角化を推し進めてきた。この結果、発足初年度の営業損益は288億円のマイナスとなったが、九州新幹線が部分開業した2004年度に、営業損益が黒字に転換した。以降、営業黒字を拡大している。近年では、2011年3月12日に全線開業した九州新幹線を軸として、事業の基盤となる地域の活性化を目的とした観光列車を相次いで投入、多角化を進めている関連事業と鉄道事業との相乗効果をもって利益を拡大する事業戦略を推進している。2012年度から5カ年の中期経営計画では「株式上場の実現」を目標としている2015年1月27日、政府は2016年度に鉄道・運輸機構が保有するJR九州の株式を売却し、東証一部などに上場させるとする報告書が国土交通省より発表された。JR九州は前述の通り政府が造成した経営支援を目的とする経営安定基金を保有しており、上場に際してはその取扱が焦点となっていたが、九州新幹線の施設使用料(年102億円)の一括前払い(計2205億円)および借入金の償還などに充て、国庫に返納せず全て使い切る方針であるとしている。方針通りにJR九州の上場が実現すれば、東日本旅客鉄道(JR東日本)、西日本旅客鉄道(JR西日本)、東海旅客鉄道(JR東海)に続いてJRグループでは4社目、本州以外を営業エリアとする「三島会社」では初の上場となる。また、同年6月3日にJR九州の完全民営化を軸としたJR会社法が参議院本会議で可決・成立し、6月10日にJR会社法改正法が公布され、2016年4月1日より施行された。2016年10月17日、株式公開 (IPO) 価格が2600円に決定され、LINEを上回る2016年最大規模のIPOとなることが明らかになった。JR九州全体では2004年度以降、営業損益が黒字に転換したものの、2016年3月現在、鉄道事業においては発足以来一度も黒字を計上したことがなく、九州新幹線が全線開業した後も依然として厳しい経営状況が続いているが、減価償却費の大幅な圧縮などにより、2017年3月期に当社発足以来初めて鉄道事業が226億円の営業黒字となる見通しであることが発表された。当時のJR九州社長唐池恒二は「2014年度を目処に鉄道事業を黒字化させたい」としていた。2016年のIPOにおいては、投資家の間でも訪日観光客の強い伸びが安定した企業成長につながるといった見方があるとされている。九州新幹線長崎ルート(西九州ルート)が2008年4月に着工され、2022年度の完成を見込んでいる。優等列車の運行については、民営化後博多駅を中心とした体系に改められ、同駅から九州各県の主要駅に向かう新幹線・在来線特急列車が発着している。九州新幹線は、九州内においては博多駅・熊本駅・鹿児島中央駅の各都市間の輸送を主としている。このほかにも主な駅で佐賀・長崎・大分・宮崎の各都市を結ぶ在来線特急列車や高速バスと連絡している。加えて、山陽新幹線の新大阪駅と鹿児島中央駅との間で直通運転も行っている。通常は博多駅から熊本駅までは1時間あたり3 - 4本、鹿児島中央駅までは2本 - 3本の頻度で運行されており、繁忙期などは山陽新幹線に直通する臨時列車も多数運行され、最大で1時間に6本ほど運行される時間帯もあるなど、高頻度での運行がなされている。博多駅を中心として、小倉駅・佐賀駅・長崎駅・佐世保駅・大分駅などの間で特急列車を運行している。特に博多駅 - 小倉駅・佐賀駅間に関しては、「在来線特急毎時上下各3本運転」と高頻度での運行を行っている。宮崎駅に関しては途中駅での接続で対応しているが、特急料金の通算や同一ホームでの乗り換えなどで便宜を図っている。このほかにも宮崎駅 - 鹿児島中央駅間や、大分駅 - 熊本駅間を結ぶ特急列車も運行されている。博多駅はかつて日本で在来線特急が最も多く発着するターミナル駅となっていた。特に九州新幹線全線開業前の博多駅 - 鳥栖駅間は3系統8種の特急列車(「リレーつばめ」「有明」「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」「ゆふ」「ゆふDX」「ゆふいんの森」)が運転され線路容量は限界に達しており、2003年には待避専用の太宰府信号場が設置されたほどである。2011年3月12日に九州新幹線が全線開業して「リレーつばめ」が廃止、「有明」が朝晩のみの運行になったことでこの区間の線路容量にも若干余裕ができたため、1976年の長崎本線・佐世保線電化開業以来行われていた「かもめ」「みどり」の併結運転は終了した。「みどり」は「ハウステンボス」と併結運転を行っており、「かもめ」との併結運転が終了するまでは「かもめ・みどり・ハウステンボス」の3階建て列車が運行されていた。2008年6月発売の時刻表より、管内の「エル特急」の呼称がすべて「特急」に変更された。定期運行の寝台特急については1994年に「あさかぜ1・4号」「みずほ」が廃止されたのを皮切りに縮小が進み、2009年3月14日のダイヤ改正で「はやぶさ」「富士」が廃止されたことでJR九州管内から消滅した。また2011年3月12日のダイヤ改正で「ドリームにちりん」が廃止されたことで定期運行の夜行列車自体が消滅した。急行列車については特急格上げや廃止が進められ、2004年に「くまがわ」が特急に格上げされたことで消滅した。JR九州の発足後、福岡・熊本・大分・鹿児島の各都市圏では普通列車の増発が進められ、長距離を運行する普通列車の系統を分離、JR他社線への直通運転を廃止するなど、運転区間の細分化、車両を需要に合わせた短編成化も並行して行われた。一部の区間では、快速列車の新規設定や増発・停車駅追加などを実施した。しかし2000年代以降博多 - 小倉間では特急列車の増発が図られるとともに、快速列車については停車駅の追加のほか毎時1本を準快速に格下げし快速区間の短縮を行った。朝や夜間の一部を除く大半の列車で待避停車があり、博多 - 小倉間を日中の快速は68-70分。準快速にいたっては通過駅が5駅しかなく78分を要することとなり、最速55分で結んでいた国鉄時代と比較しても同区間の所要時間は大きく延びている。振り子式車両の883系や885系を投入して大幅に速度向上した特急列車との格差は拡大している。また、九州各地の在来線特急列車や新幹線も、乗車距離の短い区間に廉価な特急料金や割引切符を設定し、列車の増発や停車駅を拡大することによって、短距離でも利用しやすい体制を整えている。普通列車では、1988年の香椎線と三角線を皮切りに、車掌を乗務させないワンマン運転を九州の各地で拡大させた。普通列車のワンマン運転は2015年3月時点で、山陽本線の下関駅 - 門司駅間、鹿児島本線の門司港駅 - 鳥栖駅間(福北ゆたか線との直通列車を除く)、筑肥線の姪浜駅 - 筑前前原駅間を除くすべての区間で行われている。2004年以降は一部の特急列車もワンマン運転となっている(車内改札は客室乗務員が担当する)。JR九州では管内各地のローカル線でD&S(デザイン&ストーリー)列車と称する観光面に特化した観光列車を多数運行している。D&Sの由来は、これらの列車が特別なデザインと運行する地域に基づくストーリーの「デザインと物語のある列車」であることから。1989年に同社初の観光列車である特急「ゆふいんの森」が運行を開始し、2004年には九州新幹線が一部開業することを契機に、鹿児島県・宮崎県を中心として多数の観光列車が運行を開始した。その後、九州新幹線が全線開業、沿線である熊本・鹿児島両県でさらなる観光列車の投入が行われた。D&S列車はそのほとんどが従来から使用されていた車両をリニューアルした車両で運行されており、中には普通列車用の車両を改造し、観光特急と称して運行している列車もある。各D&S列車の特徴としては、内外装やサービスに乗客を楽しませる仕掛けが施されてあり、車内にアルコール飲料を提供するバーを備えた特急「A列車で行こう」や、沿線の浦島太郎伝説にちなみ、ドアが開くとドア上部から玉手箱の煙に見立てた白いミストが噴出する特急「指宿のたまて箱」、中には、列車の運行中に客室乗務員が沿線の神話をモチーフにした手作りの紙芝居を披露するサービスが行われている特急「海幸山幸」といった列車も運行されている。2015年8月現在、JR九州管内で以下の10種類のD&S列車を運行している。2013年10月15日より、寝台列車「ななつ星in九州」を運行している。ななつ星in九州は、1室の料金が1人最大55万円ともなる超豪華寝台列車で、数日にわたって九州を周遊する。日本初となる観光に特化した寝台列車(クルーズトレイン)であり、主に国内やアジアの富裕層をターゲットにする。1996年に普通運賃を値上げしつつ、JR他社より安いグリーン料金や、JRグループの中では唯一、在来線特急の繁忙期(指定席特急料金が200円増しになる時期)を設定しないなど料金の値下げをしている。ただし、九州新幹線に関しては繁忙期・通常期・閑散期の設定がなされており、時期により指定料金が異なる。JR九州の競争区間(主に九州内の高速バス)の対象である旅客に対する値下げ戦略は、2001年に割引きっぷのほとんどを特急回数券「2枚きっぷ・4枚きっぷ」に集約した。この「2枚きっぷ・4枚きっぷ」において、高速バスとの競合する区間では普通乗車券よりも安くなる区間も存在する。また、インターネットでの割引切符の予約・販売も推進しており、「2枚きっぷ」と同等の価格で片道から購入できる「九州ネットきっぷ」、早期予約で「4枚きっぷ」以上の割引率で片道から購入できる「九州ネット早得」といった割引切符が設定されている。JR九州のインターネット予約サービスはJR西日本の同サービス「e5489」とも連携しており、山陽新幹線方面のインターネット専用割引切符「eきっぷ」「スーパー早得きっぷ」も購入できる。快速・普通列車用の割引回数券としては、6枚つづりの「ミニ回数券」がある。特急列車の設定のない一部の区間(長崎 - 佐世保間、唐津 - 福岡市地下鉄博多間など)では、普通列車用の「2枚きっぷ・4枚きっぷ」を発売している。若者向けの割引商品として、1996年に16歳から29歳までの人が入会可能な会員制割引サービス「ナイスゴーイングカード」を開始し、2011年まで新規入会受付を継続した。2012年からは16歳から24歳までの人が購入可能で2枚きっぷ・4枚きっぷより割引率の高い割引きっぷ「ガチきっぷ」を長期休暇期間に発売している。全線フリーの企画乗車券については以前「九州グリーン豪遊券」(2003年まで)・「九州レディースパス」(2002年まで)の発売が終了してから数年間存在しなかったが、2007年に入り特急列車・九州新幹線が利用可能な「九州特急フリーきっぷ」が発売開始され、以後使用期間を限定し、商品名を変更して発売されている。また同年にはJR九州の普通列車と九州内の私鉄路線に乗車できる「旅名人の九州満喫きっぷ」が発売された。このように割引きっぷを設定する一方、急行列車の特急格上げ、山陽新幹線と在来線の乗継割引の廃止など、負担増となった例もある。また九州新幹線には新幹線と在来線の乗継割引が導入されていない。特急車両に関しては、発足当初はJR他社と同様、485系電車など国鉄から引き継いだ車両の座席交換などの改良工事を進め、1988年にJRグループ初の新系列車両である783系電車を導入した。また、水戸岡鋭治のデザインによる個性的な車両やデザイン面を重視した列車を相次いで開発し、アクアエクスプレスを皮切りに、787系電車、883系電車、885系電車などの新系列特急車を多く導入している。九州新幹線の全線開業以前は比較的車両によって使用される列車が固定されていたこともあり、外装に列車名をロゴとして表記する車両も多く見られた。このため運用の変更が起こると、885系電車では「かもめ」編成の「ソニック」と「ソニック」編成の「かもめ」が博多駅のホームに並んだり、稀ではあるが783系電車において「ハウステンボス」編成の「みどり」と「みどり」編成の「ハウステンボス」が併結するなどの事態が発生した。九州新幹線の全線開業により、787系は「ハウステンボス」「ソニック」以外のJR九州管内のすべての在来線電車特急に充当されるようになったことと、885系では「かもめ」「ソニック」への使い分けが事実上消滅して共通運用になっていたことから、この2形式は共通運用を前提とした「AROUND THE KYUSHU」ロゴへの変更が行われている。また、前述の観光列車に至っては指宿枕崎線指宿駅発着の「指宿のたまて箱」に予備車が1両あるのをのぞいて予備車両を持たないため、「海幸山幸」や「あそぼーい!」などのように週末などのみの運転に限定したり、「ゆふいんの森」や「はやとの風」などのように毎日運転ではあるが専用車両の検査時には別の車両で代走する、という措置が取られている。普通列車関係では、トイレの設置を進めており、近年では103系1500番台および303系の全編成、キハ125形の全車に、バリアフリー対応トイレが設置された。この結果、トイレ非設置の普通列車はキハ31形単行列車くらいとなっている。車両の禁煙化については、民営化直後の1988年には普通・快速列車の分煙化を行い、さらに1995年には普通・快速列車は全面禁煙とした。一方特急列車でも年々禁煙車は増加しており、2003年からは特急列車の喫煙車は編成最後部(下り列車基準)の1両のみとし、指定席・自由席を1両に集約していた。また、1999年に投入された「有明」用の787系では、喫煙ルームを設けることで客室内を禁煙とした。その後、2007年3月18日のダイヤ改正で、JR北海道・JR東日本と共に管内特急の喫煙コーナーの廃止を含む大幅な禁煙化が行われた。この改正により管内特急の大半が全面禁煙となり、「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」に喫煙車が、「ゆふ」「ゆふDX」「ゆふいんの森」「九州横断特急」「くまがわ」に喫煙ルーム(客席内は禁煙)が残るのみとなった。2009年3月14日のダイヤ改正でこれら特急の喫煙車および喫煙ルームが廃止となり、当時残っていた寝台特急をのぞいて全特急が完全禁煙となった。なお、九州新幹線に関しては、部分開業した2004年に運行を開始した「つばめ」に充当された800系に関しては、当初から全面禁煙であった。全線開業に伴い運行を開始した「みずほ」および一部の「さくら」「つばめ」に充当されるN700系7000番台・8000番台では客室内は全室禁煙で、3・7号車に喫煙ルームが設置され、JR九州管内を運行する列車では2年ぶりに喫煙可能の列車が登場した。2012年2月現在でJR九州管内を運行する列車において、車内での喫煙が可能なのはN700系7000番台・8000番台で運行される「みずほ」「さくら」「つばめ」の喫煙ルームのみで、それ以外の新幹線・在来線全列車は全面禁煙となっている。2012年4月1日からは福岡・北九州都市圏の一部エリアの在来線駅においてホーム上の喫煙コーナーを廃止し、全面禁煙となった。ただし、博多駅・小倉駅の喫煙ルームは存続している。所在地:福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目25番21号(博多駅前ビジネスセンタービル)ダイヤ改正については3月に実施することが多く、他のJR各社に合わせて実施される。JR九州発足以降に同社の路線で運行されている、もしくはかつて運行されていた愛称付きの列車を挙げる。種別が変更された列車は変更後のもので記載し、他社の車両による運行のものはその会社名も記載する(廃止列車は廃止時点)。詳細は各列車の記事を参照。JR九州の車両のデザインは、鮮やかな色彩を用い、社名英称・列車愛称・形式称号などをヘルベチカによるレタリングに統一した塗装と、快適さを主眼においた内装を持っている。これらは同社のデザイン顧問に就任した水戸岡鋭治(ドーンデザイン研究所)の手によるものである。建築デザイナーとしてホテルや公共施設のデザインを手がけていた水戸岡は、1988年のキハ58系「アクアエクスプレス」からJR九州の車両デザインに参加する。効率と採算重視というそれまでの鉄道車両の常識の対極をいくともいえる「居住空間としての客席」との考え方によるデザインにより、1992年の787系「つばめ」は、そのデザインと優れた内装によって、ブルーリボン賞・グッドデザイン商品(現・グッドデザイン賞)といった日本国内の賞のみならず、日本国外からもブルネル賞を受賞している。以降も水戸岡は883系「ソニック」・885系「かもめ」そして新幹線800系「つばめ」などの特急用にとどまらず、普通列車用まで含めた新車両や、国鉄継承車両のリニューアルのデザインを手がけている。D&S列車(観光列車)に使用されている車両の大半は国鉄から継承した車両の内外装を水戸岡のデザインを基に改造した車両であり、特に「はやとの風」「指宿のたまて箱」には一般形気動車のキハ140形を改造した車両が特急列車として使用されている。車両の製造に関しては、電車では日立製作所笠戸事業所と近畿車輛の2社に集約されている。しかし例外として2011年3月の九州新幹線全線開業に伴うN700系8000番台の投入では一部に川崎重工業車両カンパニー製の車両も存在する。一方、気動車では新潟鐵工所(現・新潟トランシス)製が多いが、一部に富士重工業と日本車輌製造で製造された車両も導入している。他社からの購入車両としては、後述の415系のほか、1992年にはJR四国から2000系気動車の導入で余剰となっていたキハ185系を購入し、久大本線・豊肥本線の急行を特急に格上げ(「由布」→「ゆふ」・「火の山」→「あそ」)したこともあるほか、2005年の台風14号の被害から廃線となった高千穂鉄道からTR400形を購入し、日南線向け観光特急「海幸山幸」用に、2015年には四国で余剰となったキハ47形をスイーツトレイン「或る列車」に改造するなどの事例もある。近郊形電車については811系を皮切りに813系・815系・817系といった新形式車両を北部九州を中心に積極投入。817系は南九州エリアにも投入され、国鉄時代の車両を淘汰している。一方で、門司 - 下関間で運用可能な交直両用電車は、分割民営後は1両も造られておらず、交直両用電車の更新についてはJR東日本からE531系の投入で余剰となった415系1500番台を購入する形で行っている。一般型気動車については、キハ200系・キハ125形の2形式が投入されたが、いずれも国鉄時代の車両を淘汰するには至っておらず、キハ40系をメンテナンスしながら併用している状況にある。座席の種類別で見ると、JR九州発足後に開発された普通列車用の電車については、ワンマン運転を前提に投入された815系を除いて原則転換クロスシート車としているが、一方で近年福岡都市圏向けに投入される電車(303系、305系、813系500番台、817系2000番台・3000番台)にはロングシート車も積極的に投入されている。発足当初は団体用のジョイフルトレインも保有していたが、団体用については1994年までに全廃され、以後は東海旅客鉄道(JR東海)と同様に保有していない。団体専用列車には一般の特急形車両のほか、D&S列車(観光列車)用車両を使用しており、結果的にジョイフルトレインと遜色ない対応を可能としている。支社別の車両基地設置状況は、以下のとおりである。名称の後に続く()内の文字は各車両基地の略号。ただし、漢字1文字は機関車にのみ付される。本社支社社歌は『浪漫鉄道』でハイ・ファイ・セットが歌っている。国鉄から民営化されてJR九州発足以来デザインにほとんど変更は無く、駅社員、乗務員(運転士、車掌)とも共通の制服である。冬服は紺色のスーツ型で襟元にはコーポレートカラーの赤色のラインが入る。ジャンパーはベージュ色の厚いタイプの物が使用されていたが、2011年より黒色で「AROUND THE KYUSHU」「KYUSHU RAILWAY COMPANY」ロゴが入り、ラインなど白い部分には反射材を採用した、水戸岡鋭治のデザインによるスッキリとした物に更新された。駅長、新幹線車掌、在来線優等列車車掌など管理者クラスの社員は濃い紺色でダブルタイプとなる。ネクタイは紅と金色のストライプでインナーシャツは個人のものを使用する。制帽はJR他社と異なりヨーロピアン風の型状(ドゴール帽)で、正面には旧国鉄のシンボルマーク「動輪」にJRマークが入ったものに、赤色のラインが入った帽子を採用している。なお、乗務員は上着の左肩には「運転士」「車掌」などのエンブレムを付けている。このエンブレムは在来線の乗務員と新幹線の乗務員とでデザインが異なり、新幹線の乗務員のエンブレムは下部に金色の刺繍が入っており「新幹線 運転士」「新幹線 車掌」と標記されている。女性用制服は営業関係社員と運転関係社員とでは異なる。営業関係社員は左肩元に「KYUSYU RAILWAY COMPANY」のロゴが入った黒のスーツタイプの制服にスカーフを巻く。制帽はない。この制服にはパンツタイプ、スカートタイプが存在する。運転関係社員は前述の男性用制服と同じ紺色の制服を着用する。制帽に関しては、これまで男性社員同様ヨーロピアンタイプの帽子であったが2010年6月ごろより変更され、JR他社同様ハットタイプのものとなった。一方、夏服は冬服よりは薄い紺色のズボンに男性はチェック柄の女性は水色の半袖のワイシャツを着用する。上着は省略する。駅長、車掌区長、新幹線車掌、在来線優等列車車掌など管理者クラスの社員は灰色で襟元に赤色のラインが入ったダブルのスーツタイプの制服を着用する。勿論、制帽も灰色のヨーロピアンタイプである。女性の管理者クラスの社員も同じものを着用する。女性の営業関係社員は上述の冬の制服の上着を省略し、代わりにインナーのベストを着用する。観光列車「ゆふいんの森」「あそぼーい!」号の車掌はオリジナルの制服を着用する(博多車掌区、門司車掌区、大分車掌センターの車掌が着用する)。通常の制服と異なり黒のダブルの制服で胸元にそれぞれ、ゆふいんの森・あそぼーい!号オリジナルのロゴが入ったピンバッジを付けている。制帽は省略されている。また、門司港駅では男性駅員・駅長の制服も他の駅とは異なっており、門司港レトロと調和されたデザインの制服となっている。客室乗務員、駅の女性用制服、ななつ星in九州の全乗務員のデザインは車両などのデザインも手掛けているドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治によるものであり、それぞれ冬服・夏服もある。2017年度より制服のデザインが変更される。2009年3月1日から、独自のICカード乗車券「SUGOCA」(スゴカ)のサービスを福岡県内の都市圏と佐賀県の一部を中心とした148駅で開始し、2012年12月1日より、既存エリアが熊本、大分の各都市圏まで拡大、長崎、鹿児島の各都市圏を中心に新規エリアが開設された。さらに2015年11月14日に宮崎市に新規エリアが開設されたことで九州全県の主な都市圏での利用が可能となった。2015年11月14日現在、JR九州全566駅のおよそ半分にあたる284駅で利用が可能である。発行するのは、プリペイドタイプのIC乗車券(無記名式・記名式)と、それに定期乗車券の機能を一体化させたIC定期券の2種類で、発売の際、デポジット料金として500円を徴収する。積み増せるチャージ上限は20,000円。開始当初から電子マネー機能を搭載しており、駅売店などで利用できる。ポイントシステムについては2010年2月1日に導入され、また西日本鉄道(西鉄)が導入しているnimocaにあるクレジット兼用型についても、グループ企業や系列の商業施設「アミュプラザ」などが独自に導入していたクレジットカードを統合する形で、同年3月に「JQ CARD」(三菱UFJニコスもしくはクレディセゾンと提携)の発行を開始した。相互利用の拡大も進められている。2010年3月13日からは、nimocaおよび福岡市交通局が導入しているはやかけん、JR東日本のSuicaを含めた、4社局のICカード乗車券の相互利用を開始した。2011年3月5日には、JR西日本のICOCAおよびJR東海のTOICAと相互利用を開始し、2013年3月23日にはJR北海道のKitaca、関東私鉄・バス事業者のPASMO、中京圏私鉄・バス事業者のmanaca、近畿圏私鉄・バス事業者のPiTaPaとの相互利用(PiTaPaは交通利用のみ、他は交通利用と電子マネーサービス)を開始している。2014年度の1日平均の乗車人員は以下のとおり。2015年度の1日平均の運輸取扱収入額は以下のとおり。PHP研究所編:「JR九州のひみつ」より有価証券報告書によれば、JR九州には3つの労働組合がある。カッコ内は略称。組合員数が最大の労働組合は九州旅客鉄道労働組合である。各労働組合と会社との間で労働協約を締結している。CM等で活躍すべてJR九州一社提供番組。
出典:wikipedia
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