恵み野駅西口周辺開発事業(めぐみのえきにしぐちしゅうへんかいはつじぎょう)は、北海道恵庭市に位置する千歳線・恵み野駅(北海道旅客鉄道)西口周辺で行われる土地区画整理事業。恵み野駅西口開発は、閑散としている恵み野駅の西側、約27ヘクタールの土地を開発し、多数の商業施設、娯楽施設、高齢者住居等が誘致される計画。土地は北海道・道央の動脈である国道36号に隣接し、北海道道46号江別恵庭線(道道江別恵庭線)を挟む場所に位置している。1982年に恵み野駅が開業して以来、駅の東側には新興住宅街が広がっている。主に札幌市へ通勤、通学する市民が多く、駅東口に隣接してイトーヨーカドーが建設されるなど、恵み野地区は札幌圏のベッドタウンとして栄えてきた。西側には素朴な風景が広がり、昔からの小規模な住宅街が存在していた。駅西口に隣接して哲仁会・えにわ病院が存在していたが、2004年に恵庭駅東口に名称を変え我汝会・えにわ病院として移転開院している。当初、計画を市に持ち掛けたのは民間事業者の札幌綜合商事(本社・札幌市)。市は西口開発に意欲的な姿勢を見せ、計画は市民に周知されずに一度、決定した。この時点で市の拠出金額は約8億円と試算されたが、財政負担には根拠がないといわれ、民間事業者が行ってきた開発事業に自治体がこのような積極的支援をした例は数少ない。2007年5月14日、恵庭市長は記者会見を開き「1年間は関連予算の執行も、恵み野駅西口の市街化区域の編入申請もしない」と述べ、西口開発は見直される方針が明らかにされた。市は「事業主体の民間事業者(札幌綜合商事)の社会的な信用は十分ではない」として、札幌綜合商事に大手総合商社からの確実な支援を示す文書を求めていた。しかし回答がなく、これによって計画の見直しが決定された。この決定で計画は一旦白紙に戻されたが、西口開発そのものは行っていくとして、市は新たな民間事業者の公募を開始することとした。沿道商業・業務地区に複合商業施設のフレスポ恵み野としてオープンする。駐車場約900台を完備。戸建ての一般住宅として160区画が造成される。想定人口は450人を見込む。以下の施設が建設される予定だった。共同企業体の1社の北海道アーバンコーポレーションの親会社が民事再生手続に入ったため白紙となる。戸建ての一般住宅として造成される。当初、事業期間は許可申請等の手続きが2007年度からを予定し、2008年度から造成工事に着手し概ね3、4年での完成が目指されていた。事業費において用地取得や造成等に必要な費用の総額は約40億円と見込まれていた。計画では4つの事業用地に区画され、以下の施設が建設される予定だったが全ての見直すことになった。戸建ての一般住宅として118区画が造成される。シルバーマンションや賃貸共同住宅は合わせて約150戸が建設され、これらの戸数を合計した想定人口は約550人とされていた。市は、公共施設である道路や公園、下水道といった生活基盤の整備に取り組む。市の財政投資額はこの整備に掛かる費用の総額である約8億円。国庫補助金(約3億4,650万円)、市債(約3億6,940万円)、一般財源(約8,410万円)が拠出される。なお、市は当初、拠出金額を10億円と試算していた。減額された理由は都市計画道路を生活道路に変更、保護林の整備が縮少されたことなどによる。恵み野駅西口開発における市民の反応は冷ややかで、恵庭市議会の自由民主党・平成クラブが2006年12月に市内25,000世帯を対象に投函して返送を求めたアンケートでは、全体回収率4.284%(1,071通)のうち賛成は191、反対は635、よく分からないとしたものが207という結果であった。また、同市議会の日本共産党が同年に実施したアンケートでは、309人中賛成は8.41%、反対は76.05%という結果であった。市は2007年1月27日、恵み野駅西口開発に関してフォーラムを開きアンケートを実施した。開発事業についての考えを問う複数選択可の項目で、回答者123人の39%、48人が「恵庭のまちづくりに必要」と賛成意見を選んだ。しかし、この48人中13人は「既存商業への影響が心配」の選択肢も重複して選んでおり、賛成しながらも地元商店の客足が鈍らないような開発事業を求める声があることを窺わせた。「既存商業への影響が心配」を選んだ回答者は全体で43.1%を占めた。JR北海道の主力列車である快速エアポートは以前、恵庭市内の全駅(島松駅、恵み野駅、恵庭駅、サッポロビール庭園駅)を通過していた。2002年3月、快速エアポートの停車駅に恵庭駅が追加されたが、停車駅を「恵庭駅」と決定したのは市である。決定当時、乗降人員が最多であったのは恵み野駅。それでも恵庭駅が新たな停車駅として選ばれたのは、恵庭駅が街の顔であることと老朽化した周辺地域の再整備を考えて、というのが市側の説明である。恵庭駅東側の黄金(こがね)地区の住宅地造成や駅周辺地域の再整備計画(黄金地区土地区画整理事業)は進展しているものの、この再整備計画よりも規模が大きい恵み野駅西口開発を市が積極的支援するのならば、新たな停車駅に恵庭駅を追加させたことに対しても市民は疑念を抱いてしまう。これによって市がこの地域の再整備を実質「失敗」だったと認めてしまう形になっている。恵み野駅西口開発において、治安の悪化も懸念されている。事業用地から程近い人道用の恵み野地下歩道では過去に暴力事件が発生している。ここが犯罪発生の温床になるばかりではなく、恵み野駅周辺地域全体の治安の悪化が懸念されている。なお、恵庭市には警察署がなく、今後も警察署が設置される見通しはない(管轄は千歳警察署による)。2006年11月27日、恵み野駅西口開発における初の説明会が恵庭商工会議所で市商店街振興組合連合会に対するものとして開かれた。中島市長は「今こそ変化の時」と、西口開発に関して説明した。2007年3月、市が発行する広報の特集で恵み野駅西口開発について掲載し、市民に対して初めて開発事業内容を周知させた。特集の中で、市の考えとして利点や必要性をアピールしている。ただしデメリットやリスクに対する言及はしていない。市や一部の市議会議員は、恵み野駅西口開発に反対している市民や商業者に対し「反対のための反対」に過ぎないと批判している。賛成側には、反対意見に説明が伴っていてもこのように批判するケースが多く、市民に周知されず計画が一人歩きしてきた現状は無視されている。恵庭市議会議員の林謙治(無所属)は、自らが発行する広告で恵み野駅西口開発に対する自身の意見を掲載し、市民に紹介した。林議員は西口開発に賛成している立場だが、その意見は市民と乖離している。例えば、1の意見は恵庭市と北広島市、千歳市の店舗数と店舗面積という数字を単純に列挙して比較したものに過ぎず、市民が現状に何も不満を抱いていないことは反映されていない。4の意見のソースは示されておらず、読者は本当の情報か判断できない。また、6の意見は北広島市、千歳市に大型商業施設の計画があるから、恵庭市も追随しなければならないというものである。広告の中で北広島市の大型商業施設の計画を紹介しているが、林の意見では西口開発が市民の求めていない計画だということは無視されている。2007年3月に行われた定例会で、恵み野駅西口開発に関して市議会議員からいくつか質問が提出された。
出典:wikipedia
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