『三国志』(さんごくし)は、横山光輝による日本の漫画。1971年から1986年まで、潮出版社『希望の友』『少年ワールド』『コミックトム』に連載された。単行本は全60巻(文庫版は全30巻)が潮出版社から発売されている。近年も、カジュアルワイド(全25巻)、愛蔵版(全30巻)などの形でたびたび再版されている。横山光輝の代表作の一つ。吉川英治の小説『三国志』(以下、吉川三国志)を基調に独自の解釈等を織り交ぜて描かれた作品。「吉川三国志」が諸葛亮の死で終わっているのに対し、本作は蜀が滅亡するまでを全60巻で描いている。三国志を描いた漫画の先駆にして、黄巾の乱に始まり蜀の滅亡までを描ききった長大な作品である。この作品によって横山光輝は1991年、第20回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した。単行本20巻までは児童向け雑誌である『希望の友』で発表されていたこともあり、登場人物のセリフや表現が子供でも分かりやすいように配慮されていた。また、張飛が孫悟空の緊箍のような輪を身につけた、向こう傷の大男に描かれたり、ひげを生やした十常侍(詳細は宦官を参照)、ひげ面で巨漢の呂布、そして痩せている董卓など、一部の登場人物の外見は『三国志演義』には基づいておらず横山のオリジナルになっている。後漢末を描いた作品ながら、連載初期には登場人物の服装が唐・宋の時代のものになっているが、当時は中国との国交も完全には回復しておらず、後漢末期の風俗を記す資料などが手に入りにくかったとする旨のコメントを横山自身が寄せている。そのため、幽州太守の劉焉が天子しか付けることを許されない冠(冕冠)をつけていたなどの連載中に見つけた不都合点をコミック版になってから修正したほか、以後も官職や時代に合っていなかった服装などを、テレビのロケなどで中国に幾度も訪れて始皇帝陵などを参考に研究し、1997年に発売された文庫版で「一新」としてこれらの修正を加え、言葉なども一新した。もっとも武将の鎧・武器については漢末ではなく唐・宋代のものになっており、後にも修正されていないが、これは先行する三国志を題材とする諸作品でも同一である。また、相当な長編であるため、長らく登場しなかった人物が骨格までまったく別人のようになって再登場することもある。劉備を中心に描いたことや連載誌変更の都合で、官渡の戦いから袁氏滅亡に至る曹操の華北平定という魏建国の基礎にあたるエピソードがほとんど削られている。削られた部分については、作中でも時間が経過した設定になっており、青年的な容姿だった劉備や曹操が中年的容姿に変わっている(関羽や張飛など、容姿に変化が無い登場人物もいる)。また、その結末も59巻で五丈原の戦いでの諸葛亮の死(234年)を描き、残り1巻あまりで蜀の滅亡(263年)までの30年間を描き、魏に成り代わる晋の誕生、そしてその晋による呉の滅亡・天下統一までは描かれていない。60巻の主人公と言える姜維についても、魏に降伏した所で出番が終了しており、蜀復興に向けての策略とその失敗による死は割愛されている。諸葛亮死後の話が大幅に割愛されているのは、吉川英治の小説と同様である。※()内は希望コミックス登場巻本作の軸となる国。首都は成都。険阻な山岳に守られた要害の地。首都は洛陽。中国の3分の2を支配する大国。玄徳のライバル曹操がその礎を築いた。首都は建業。本作品は何度かアニメ化されている。
出典:wikipedia
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