HD DVD(エイチディー・ディーブイディー、High-Definition Digital Versatile Disc)とはDVDフォーラムによって議論および承認が行われた青紫色半導体レーザーを使用する第3世代光ディスクの規格である。対応機器を3波長化することで従来のCDやDVDも使用できる。2002年8月29日に東芝とNECが、ソニー・フィリップス・松下電器産業(現パナソニック)が中心となって開発を進めていたBlu-ray Disc(以下、BD)に対抗する形でDVDフォーラムに第3世代光ディスク候補の「AOD(Advanced Optical Disc)」として提案、同年11月26日にDVDフォーラムがAODを「HD DVD」の名称で正式承認したことにより誕生した。2008年2月19日にHD DVD陣営の中心である東芝が全面的な撤退を発表し、また普及団体も解散したためBDとの規格争いは終結した。HD DVDはDVD規格をベースにしてハイビジョン放送時代に対応するために開発されたディスクメディアの規格である。CDやDVDと同様、直径12cm/8cm、厚さ1.2mmのプラスチック製の円盤であるが、読み取りに使われるのは波長405nmの青紫色レーザーである。DVDよりも波長の短いレーザーを用いることでより高密度の記録が可能となっている。HD DVDの直径12cmディスクは1層で15GBの容量を持ち、2層で30GBの容量を持つ。直径8cmディスクでは1層で4.7GB、2層で9.4GBの容量を持つ。保護層の厚さがDVDと同じ0.6mmであるため、DVD製造ラインの一部を流用することが可能であるとされ、また振動によるレンズとディスクの衝突の回避に使用する接近検知システムの一部流用が可能であるとされた。HD DVDはほぼ同時期に規格が策定されたBDと第3世代光ディスク規格の地位を争っていたが、市場(消費者と、その動向を受けた映画配給会社)はBDを選択。2008年2月19日、HD DVD陣営の中心であった東芝が全面的な撤退を発表し規格争いは終結した。なお2004年12月には、HD DVDのコンテンツや商品開発の促進や普及を目的とした「HD DVDプロモーショングループ」がメモリーテック、日本電気、三洋電機、東芝の4社が中心に設立された。だが2008年2月の東芝のHD DVD終息表明を受け関連各社もHD DVD事業の撤退方針を打ち出しており、同グループも約3年以上にわたる規格争いの歴史に終止符を打つこととなり2008年3月28日に公式に解散した。HD DVDは製品として展開されることはなくなったものの、物理規格や再生機器設計などの技術の一部がCBHDに流用されている。HD DVDの記録メディアにはDVDと同様に読み取り専用型と記録型の規格が存在する。書き換えができる記録型HD DVD規格はランドグルーブ記録を採用しているHD DVD-Rewritable(HD DVD-RW)の規格策定が行われていたが2層化が困難なことなどからHD DVD-Rの基本構造を継承したHD DVD-ReRecordable規格を策定しHD DVD-Rewritableの名称を「HD DVD-RAM」に変更、HD DVD-ReRecordableの名称を「HD DVD-RW」と決定した。「RW」はデータ用のみ2007年7月からPCメーカー等に向けてサンプル出荷されており、2007年12月に製品化されている。また、ビデオ用「HD DVD-RW」も2008年2月に製品化が発表されたが東芝の撤退により対応するビデオレコーダーは発売中止となりメディアの発売も中止された。しかしその後、磁気研究所、あきばんぐダイレクトが台湾RiTEK社製のHD DVD-RWメディアの販売を開始した。この製品はAACSに対応しており、書き込みに対応したQosmioシリーズの一部で地上デジタル放送のムーブが可能である。現在のところ、日本国内で入手可能なHD DVD-RWメディアはRiTEK社製のものだけである。「RAM」の製品化はされていない。多層化に関しては2005年5月に片面3層45GB(1層15GB)HD DVD-ROMの開発発表が行われ、2007年のCESにて片面3層51GB(1層17GB)HD DVD-ROMの発表が行われた。また片面3層51GBのHD DVD-ROMについては2007年9月12日にDVDフォーラムによって規格化がなされ、11月15日に正式にver.2.0として承認され規格化を完了したが製品化はされていない。主に市販ビデオソフトを収録するために策定された規格。従来のDVD-Video規格のHD DVD版とも言えるものだが、コピープロテクションなどではAACS(Advanced Access Content System)とよばれる新技術が使用されている。各プログラムデータの多重化(コンテナフォーマットを参照のこと)にはMPEG2 PSシステムが採用されている。HD DVDではHDiとよばれる対話型操作機能が利用可能である。このHDiはマイクロソフトが中心となって開発されXMLやECMAScript、SMILといったWWW関連技術からなるものであった。HDiはHD DVDにおいて必須機能でありすべてのHD DVDプレイヤーで利用できる。また全てのプレーヤーにネットワーク端子の搭載が必須となり、インターネットを通じた追加コンテンツの配信が可能である(対応ソフトのみ)。DVD-VideoのCSS(Content Scramble System)が破られ違法コピーが蔓延していることから、CSSに代わる新たな著作権保護機構としてより強固なAACSが採用されている。このAACSは再生専用メディアに限らず、記録型メディアにも対応している。映画会社などからリージョンコード導入に対する要望により導入に向けて検討が行われていたものの、最後までHD DVD-Videoではリージョンコードによる制御は行われていなかった。片面にDVDとHD DVDの両方の記録層を持つツインフォーマットディスクは記録層の深さが現在のDVDと同じであることからピックアップ用のレンズ共用が可能なため、設計製作上のハードルが低いとされる。一部のHD DVDソフトで採用されていた。HD DVDにおいてDVDでのDVD-Videoに対するDVD-VRに相当する規格。映像コーデック、音声コーデック、インタラクティブ機能、著作権保護機構、リージョンコードについては前述のHD DVD-Videoに準拠している。その他の特徴は以下の通り。ワーナー・ブラザーズが提案したDVDメディアにHD DVDのアプリケーションフォーマットで映像を入れる規格である。「3x DVD」という名称でもよばれDVD-Videoの3倍の帯域幅を持ち、MPEG-2のかわりにVC-1やH.264といったより高圧縮のコーデックを用いることでハイビジョン規格の映像をDVDメディアに保存することが可能である。DVDメディアであるため記録容量がHD DVDに比べ少なく、記録時間や画質の面ではHD DVDに劣る。片面2層8.5GBのDVDに平均ビットレート13Mbpsで85分のハイビジョン映像の記録が可能である。また一般的なDVD-Video規格とは全く異なるため一般的なDVDプレイヤーで再生することはできず、再生にはHD DVDプレイヤーが必要である。当初ワーナー・ブラザーズが想定していた物は片面2層8.5GBのDVDに平均ビットレート8Mbpsで120分のハイビジョン映像を収録し、青紫色半導体レーザーを用いないHD DVD9(またはBD9)対応のDVDプレーヤーで再生可能にする事である。結局、HD DVD9の製品化はなされなかった。BD規格でも同様に、BDのアプリケーションフォーマットを用いたVideo規格としてDVD-Videoの3倍の帯域幅を持つBD9が考えられている。2007年9月12日、DVDフォーラムにてHD Recのロゴを策定した。HD RecはDVD-R/RW/RAMメディアにHD DVDフォーマットを採用することにより、MPEG-4 AVCなどのコーデックでSDとHDの映像を記録する規格。レコーダーやカムコーダーでの使用を見込んでいた。詳しくはHD Recの項目を参照。ワーナー・ブラザーズが独自に開発していた両面ディスクで片面にHD DVD、もう片面にBDを記録する。2規格が店頭に並び混乱を生じることへの解決策として製品化が進められたが2007年秋に開発中止され、2008年1月のワーナーのBD一本化発表により必要性が無くなった。HD DVDが読み取りに用いるレーザーは405nmの青紫色レーザーである(BDも同様)。HD DVDはDVDと同様に記録面から0.6mmの深さに記録層がある(BDは0.1mmの深さに記録層がある)。また、DVDとHD DVDとの片面2層ツインフォーマットディスクはDVDとBDのツインフォーマットディスクより製造が容易であった。HD DVD陣営においては「DVDからHD DVDへの橋渡し的役割を果たす」としてコンテンツホルダーに対して採用を呼びかけていた経緯があった。しかしDVD層を不要と感じる一部の消費者は無駄なコストを払うことに抵抗を持っており、賛否両論があった。現在の一般的なDVDと同じ12cmディスクにおいてHD DVDは片面1層15GB、2層30GBである。対するBDは片面1層25GB、2層50GBである。映画スタジオ各社は当初30GBで十分な容量があると感じ、2層HD DVDの30GBと1層BDの25GBをターゲットにコンテンツを制作していた。しかしBD陣営はDVDとの差別化を図るためBDに豊富な特典コンテンツを収録するようになり、また画質の要求も高まって映像ビットレートを高く取るようになったため2層50GBをフルに活用し始めた。録画メディアとしても容量の差が大きな要因となっていた。BSデジタルハイビジョン放送の最大24Mbpsで換算し片面1層HD DVD-R(15GB)の収録可能時間は75分、片面1層BD-R/RE(25GB)は130分と表示されている。地上デジタルハイビジョン放送(最大17Mbps)ではより長時間の記録が可能であるものの115分と表示され、2時間を切る短さであった。保護層と記録層を取り違えて「BDは記録層が0.1mmでディスク厚が1.2mmなので多層化が可能になり、理論上12層まで可能」「HD DVDは記録層が0.6mmでディスク厚が1.2mmなので、理論上2層までしか実現できない」といった誤った情報が流布することもあった。記録メディアおよびROMの製造においてHD DVDはDVDの製造機器を一部流用することが可能でありコスト面で有利と言われてきたが、一定の流通量が見込まれるようになった無機型BDメディアの方が結果的に低コストとなった。またBDにおいても有機素材を用いることでDVD等の設備を流用出来る技術が開発された事から、有機素材を用いたBD-R LTHメディアの発売を国内外の各社が発表した(2008年2月下旬から実際に発売)。これによりさらなるBDの低価格化が見込まれている。ROM規格のディスク製造コストでもBDは不利と言われてきたが、松下電器産業が試験製造ラインをハリウッドに建設するなどして映画スタジオ各社にコストの不安を払拭するよう努めたことがBD支持の拡大につながった。においても当初はHD DVDのほうが低コストであったことで多くのAVメーカーがHD DVDを支持してきたが、BDとHD DVDとのコスト逆転現象や業界内のBD支持の拡大によりAVメーカーも殆どがBD支持に転向してしまい、HD DVD陣営は孤立無援の状態へと陥った。HDi(旧・iHD)と呼ばれるインタラクティブ機能が採用されている。XML、CSS、SMIL、ECMAScriptなどの技術が使われている。これに対しBDではBlu-ray Java(BD-J)が採用されており、インタラクティブ機能をサポートしている。Blu-ray JavaはJavaを基礎技術としている。当初、マイクロソフトが中心となりHD DVDにiHDが採用されBDでもiHDを採用する提案がなされていたが採用は見送られた。HD DVDとBDの両方でAACSと呼ばれるコピープロテクト機能が採用されている。これに加えてBDではAACSが無効化されたことを検知して、再生を停止することが出来るBD+が採用されている。家庭用AV分野やノートPC分野に強い東芝、DVDドライブシェア世界一でありPCやMPEGといったデバイスに強いNECの2社で第3世代光ディスクメディアの主役を握ろうとしていた。この支持企業リストは東芝の撤退が決まる前のものである。注:太字はHD DVDの幹事企業。(※)印はBlu-ray Disc Associationにも参入を表明している企業。2005年4月21日の日本経済新聞朝刊には、東芝とソニーの間でHD DVD・BDの両者の長所を生かした規格を共同開発することで合意したと報道した。これにより第3世代光ディスクは一つに統一された規格となり、ユーザーやコンテンツ製作者のメリットは大きなものになることが期待された。しかしながらその後の報道によれば、この交渉は難航した末に中断された。以降は互いに譲歩することなく交渉が再開されないまま2005年8月末には両陣営共に『交渉は時間切れ』として自陣営規格の本格的な製品化へ動き出した。これによりベータマックス対VHS戦争の再来が不可避となり、2006年に規格争いが本格化した。規格の主導権争いもさる事ながら、余りにも両者の設計思想に相違点が大きかった事が原因と見られる。この顛末にユーザーは失望し、HD DVD陣営への反感と第3世代光ディスクの普及の遅れにつながった。2006年3月、藤井美英執行役上席常務が規格争いに負けたらその時は土下座すると発言。東芝は2005年内にHD DVDプレーヤーを発売する予定としていたが2005年9月、米国の映画産業の意向により米国内での発売を2006年春に延期すると発表した。さらに12月、日本国内での発売も年明けに延期した。著作権保護規格・AACSのライセンスの発行が遅れているためとしていた。2006年になると当時はまだ形勢がはっきりしなかったため両規格への対応を決めるメーカーが増え、趨勢が決まる前に両規格対応のドライブが主流となる可能性も考えられた。2007年のCESでは、韓国のLG電子からBDとHD DVD両方のディスクに対応できるプレーヤーの発売が発表された。すでにリコーやNECといった企業が両規格対応のための安価な部品開発に成功していたため他のメーカーからも両規格対応のプレーヤーが発売されることも予想されたが、片方のみのプレーヤーに比べて割高なため普及は進まなかった。ただしパソコン向けには両対応ドライブ(HD DVD-ROM再生およびBD-R/RE記録再生対応)が比較的普及した(このタイプのドライブは容量の少ないHD DVD-Rへの記録はメリットが薄いためか非対応となっている)。またワーナーからはHD DVDとBDを1枚のディスクの裏表に記録することでどちらのプレーヤーでも再生可能なTHD("Total Hi Def")ディスクが発表されたものの製造コストが極めて高く、第3世代光ディスクの規格争いは混迷の中にあった。そして2008年に入るとBD単独支持に回る企業が相次ぎ、2月には東芝のHD DVD事業からの撤退表明により規格争いが終結した。なお2008年1月頃に於いて、ドライブ開発メーカーはかつてのベータマックス対VHS戦争の時のように勝ち馬に乗る形でBD規格に流れていた。2002年にこの規格が誕生したものの6年足らず(製品化からは僅か2年弱)で終了となった。HD DVDの規格策定はDVDフォーラムが行うが商業的推進は別団体であるHD DVDプロモーショングループが行い、BD陣営と対立した。積極的に支持する企業はHD DVDの方が少なかったが、DVDフォーラムの権威を借りて業界標準にふさわしいフォーマットであると主張する構図となっていた。しかしHD DVDの記憶容量はBDの約6割でしかなく、過去のベータマックス対VHS戦争と同じように記憶容量で劣るHD DVDは苦戦を強いられるという向きが強かった。これを打開すべく東芝はHD DVDプレーヤの大幅値下げで対抗したが、逆に海外メーカーの参入尻込みやHD DVDソフトの売れ行き不振露呈を招いてしまった。更に2007年の年末商戦で国内シェアは1割未満にまで落ち込み、2008年に入ってから前述のように米大手映画会社のワーナー・ブラザーズやスーパーマーケットチェーン大手のウォルマート等が相継いでBD支持を表明するなどBD支持の動きが広がり、HD DVD陣営は苦境に立たされた。2008年2月16日にはNHKなどでHD DVDを主唱する東芝が撤退を検討しており、同月中にも決定を発表する見込みと報じられた。そして2月19日、東芝はHD DVD事業についての記者会見を開催。東芝社長の西田厚聰は「HD DVD事業を終息する」と正式発表し、「異なる規格が併存することによる自社事業への影響、消費者への影響の長期化をかんがみ、早期に姿勢を明確にすることが重要と判断した」と説明した。HD DVDレコーダーならびにプレーヤーの開発/生産は中止され出荷も縮小し2008年3月末には事業を終息させる。PCやゲーム機向けのHD DVDドライブについても量産中止すると発表。出荷されたHD DVD関連製品についてはサポートを継続しHD DVDドライブを搭載した同社製ノートPCについては「今後の市場ニーズをふまえて、PC事業全体の中での位置づけを検討する」と発表、HD DVDドライブ搭載モデルの生産を打ち切った。これで第3世代光ディスクの規格争いに事実上終止符が打たれ、BDへの完全一本化が決定する形となった。またHD DVDプロモーショングループも同年3月28日をもって解散し、ここにHD DVDは名実共に歴史に幕を閉じた。2008年2月19日現在、事業終息後の対応は次の様になるとされている。HD DVDプレーヤー(再生専用機)は日本市場で約1万台、海外を含めて約70万台が販売された。テレビ放送を録画できるレコーダーは日本で約2万台販売された。またパソコン用HD DVDドライブは日本で約2万台、海外を含め約30万台を販売した。2008年3月末から開発、製造および販売を順次取りやめ全面撤退となるが補修用部品は製造終了後8年間は保有してサポートするとしている。また、HD DVD記録用メディアはメディアメーカーに継続した製造と販売を要請し調整を図るとしている。2008年2月28日、東芝は新聞広告によってこの事業終息に伴う次の7つの対象製品を発表した。2008年2月21日、ヨドバシカメラ、エディオングループ(石丸電気・デオデオ・エイデン・ミドリ電化・100満ボルト)はHD DVDレコーダー・プレーヤー販売の全面終了を発表。エディオングループの店舗では2008年2月22日までに対象HD DVD製品を購入した人のうち、希望者に対してBlu-ray Disc対応機器(プレイステーション3対象外)との交換対応を2008年3月31日まで実施した。2008年4月3日、日立マクセルは先に発表していた2倍速HD DVD・HD DVD-RWの発売中止を発表した。これに先立ち日立マクセルは記録型DVDメディアの自社生産を打ち切っているため、HD DVD-RWメディアを生産するメーカーは存在しなくなった。2008年4月23日、東芝はHD DVD記録ディスクメディア・HD DVD-Rをインターネットショッピングで販売すると発表した。ソフトメーカー側の動きとしては規格争いの終結に伴い、各メーカーがBlu-ray参入を発表した。ユニバーサル映画の初参入やパラマウント映画の再参入の他、ワーナーやパラマウントはHD DVDのみで発売されていたタイトルのBlu-ray化も行った。日本のソフトメーカーは2009年に日活やショウゲートがソニー・ピクチャーズ エンタテインメントに販売を委託する形でBlu-rayに参入し、松竹も同年秋に参入した。既にHD DVDにムーブされたコピーワンスのデジタル放送コンテンツはBlu-rayやさらなる次世代ディスクへの再ムーブが現状では出来ないため、ドライブの修理が出来なくなった時点で再生が困難となる事が予想される。また終息宣言直後の2008年2月には社長(当時)の西田によって「Blu-rayへの参入予定はない」と明言していたが、2009年6月の株主総会の席では「SDメモリーカードの将来的な規格開発においてBlu-ray陣営との協力が重要になる」としてBlu-ray参入に含みを持たせる表現に変わっている。その後、2009年7月18日に東芝は現行DVDに加えて新たにBDの再生専用機の2009年内の発売を発表した。再生専用機を先行発売する理由として海外ではテレビ番組のインターネット配信が進んでおり、日本で主流の録画再生機の需要増大が見込めないためであると見ていた。しかし、発売後の需要状況を見て録画再生機も新たに発売した(当初はOEM供給であったが、2010年にレグザブルーレイを新規開発の上で発売)。2006年12月18日、Muslix64というハッカーが著作権保護機構であるAACSで用いられているキーを取り出すことに成功、これによりHD DVDの映画などが暗号解除されてBitTorrentなどのネットワークに流出するという事件がおきた。またHD DVDのバックアップツールであるBackupHDDVDが公開され、原理的に2007年1月までのコンテンツは全てコピーが可能となった。これに対しAACSのライセンス管理団体である米AACS LAでは想定済み問題であり必要手段を講じるとしたため、今後発売されるコンテンツに関してはこの方法でコピーできなくなる。しかし限定的とはいえAACSが策定されて1年もかからずにコピーが可能となったことがハリウッドを代表とするコンテンツ供給側の方針などに影響を与えるとする懸念がある。また同じAACSを採用しているBlu-ray Discは著作権保護機構としてAACSの他にROM MarkやBD+の実装があるのに対し、HD DVDはAACSのみであるために今回の問題による第3世代光ディスク規格競争に与える影響が指摘されている(ただしBD+搭載コンテンツは2007年3月からの出荷であったため、2007年1月までのBDコンテンツはHD DVD同様不正コピーされている)。以下に記載するのは2008年2月19日までに発売された代表的な製品である。全ての製品が東芝の撤退により生産完了となっている。記録型光ディスクに記録できるレコーダーとしては、DVDレコーダーの次の世代にあたる。2006年に最初の製品が登場した。大容量(DVD比)の記録型HD DVDにデジタルハイビジョン放送を、ハイビジョン画質(水平解像度1080本)のままで長時間記録できるのが最大の特徴であった。光ディスクへの記録方式としてはデジタル放送をそのままの形式(MPEG-2 TS)で記録型HD DVDに記録するのが代表的だが一部の機種を除きDVDレコーダーと同様、記録型DVDに標準画質(水平解像度480本、MPEG-2形式)に変換して記録できる。またMPEG-4 AVC圧縮(後述)することにより、記録型Blu-ray Discにより長時間記録することができる機種や記録型DVDにMPEG-4 AVC圧縮形式で記録(HD Rec)可能な機種も登場している。ハイビジョン画質対応のテレビ受像機(日本国内では主に薄型テレビ)が一般家庭に普及しはじめ画面の大型化が進んでいるのに伴いHD DVDレコーダーの普及も期待されていたがBDレコーダーの台頭、東芝の撤退により消滅。なお従来型のDVDレコーダーではデジタルハイビジョン放送を記録型DVDに記録する際に標準画質に劣化させなければならず、このことがBD/HD DVDを含む第3世代光ディスクレコーダーとの大きな差異となっていたが2007年からAVCRECおよびHD Rec機能搭載のDVDレコーダーが登場したことにより現在では記録型DVDにもハイビジョン放送をハイビジョン画質のままで記録することが可能となっている。デジタルテレビ放送チューナーと300/600GBのハードディスクドライブ(HDD)を搭載し、地上・BS・110度CSデジタル放送をHDDに録画できる。さらに記録型HD DVD-Rに品質を損なわずに保存できる。HD DVDへの直接録画も可能。片面1層15GBのHD DVD-RにBSデジタル放送(24Mbps)で約81分、地上デジタル放送(17Mbps)で約115分の記録が可能とされているが地上デジタルのハイビジョン放送は連動データ放送を除くと概ね13~14Mbps程度であり(放送局によって異なる)その場合は片面1層で2時間30分近くの記録が可能となる。デジタルチューナー内蔵DVDレコーダーのVARDIA・RD-Sシリーズと同等の機能を搭載している。機能の詳細はVARDIAを参照。記録型DVDの規格争いの名残がHD DVDレコーダーにも引き継がれており、発売された全機種でDVD+R/+RWへの録画は不可能。追記型のHD DVD-Rの1種類のみであるため、多数の規格が混在するDVDのように選択に困ることはまず無い。なお、書き換え型のHD DVD-RWはレコーダーとしては対応機種及び録画用メディア未発売のままとなった。RD-A301にはMPEG-2形式のデジタル放送をより圧縮効率の高いMPEG-4 AVCで再圧縮し、ハイビジョンのままでより長時間の記録ができる機能を搭載している。同時期以降に発売された殆どのBDレコーダーや一部のDVDレコーダーにも同等の機能が搭載されている。3種類の画質モード(約3.6/8.2/15Mbps)及び47段階のマニュアルレート設定が用意され、片面1層のHD DVDに最大で7時間程度のハイビジョン記録が可能となる。地上デジタル放送の画質を大きく損なわずに保存するためには8Mbps程度が必要とされる(映像の内容や再生環境・見る人の主観によって異なる)が上記のように地デジのビットレートは13~14Mbps程度であるため、それを12Mbpsなどのモードで再圧縮しても記録効率がさほど上がるわけではない。記録型DVDにもHD DVDと同様の形式でデジタルハイビジョン放送を記録できる機能。状況によってはBD以上にメディア単価が高いHD DVDメディアに比べて記録型DVDメディアの価格が大幅に安いため、HD DVDメディアの価格が下がるまではユーザーに重宝されていくと考えられていた。BDレコーダーに搭載されているAVCRECとの最大の違いとしてDVDへ(HDDにTS録画した際と同様)無劣化のMPEG-2形式での記録が(1層で30~40分、2層で1時間30分程度ではあるが)可能な点であり、アニメなどの15~30分程度の番組を録画する時など使い方によってはDVDへの記録時に必ずH.264圧縮を受けなければならず最高画質のモードでも多少の劣化を受けるAVCRECよりも自由度が高い。現状では東芝1社のみの採用のため、パナソニック・三菱などが採用するAVCREC以上に今後のサポートが懸念されている。ちなみに東芝はHD DVD撤退後HD Rec対応DVDレコーダーを発売している。※ 全機種生産完了。HD DVD-Videoを再生する単体の機器で、2006年に最初の製品が登場した。対抗規格のBDプレーヤーとともにDVDプレーヤーの次の世代にあたり、BDプレーヤー同様テレビ番組を録画保存する習慣が殆どない海外諸国での普及が見込まれていた。しかしBDプレーヤーの台頭、東芝の撤退により消滅。日本ではわずか3機種が発売されただけであった。HD DVD-ROMのほか、現行型DVDやCDの再生も行える。HD DVD-Rは後期の製品で対応した。国内発売モデルのみ。全機種生産完了。マイクロソフトが発売しているゲーム機であるXbox 360は、別売のHD DVDプレーヤーを接続する事によりHD DVDを再生する事ができた。このプレーヤーはWindows XP SP2以降のPC(但し、すべてのPCで動作するわけではない)に接続すればHD DVDドライブとして使用可能であった。
出典:wikipedia
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