『夏目友人帳』(なつめゆうじんちょう)は、緑川ゆきによる日本の漫画作品。初出は『LaLa DX』(白泉社)2003年7月号。同誌2005年1月号から読み切りのシリーズとして隔月連載され、一部作品は『LaLa』(白泉社)に掲載された。2007年9月号から『LaLa』で連載中。2016年10月時点で単行本は第21巻まで刊行されている。2009年以降は、一つのストーリーが読み切りではなく、前後編や3話から4話に渡って描かれる傾向にある。アニメシリーズは2008年から4作が放送されている。『LaLa』付録としてドラマCDが制作されたこともある。夏目 貴志は幼くして母と、続いて父と死別し、幼少期から父方の親戚をたらい回しにされてきた。貴志には普通の人には見えるはずのない妖怪(妖 あやかし)が見えてしまいそのためにトラブルに巻き込まれることが多かった。そうした事情により貴志は「虚言癖のある薄気味悪い子供」としてイジメられ、忌み嫌われてきた。葬儀の席で貴志の置かれた不遇な境遇をみかねた藤原 滋は妻の塔子と相談の上で貴志を自宅に引き取ることにする。子供もなく夫婦二人きりの藤原夫妻は貴志を実の子のように大切にする。貴志はようやく落ち着いた暮らしを送れるようになり、高校に北本、西村といった友人たちも出来た。そんなある日、貴志は妖怪たちに襲われ逃げ回る際に祠に封じられた妖怪斑の封印を解いてしまう。貴志を見た斑は「夏目レイコじゃないか?」と尋ねる。レイコは貴志の母方の祖母だった。藤原宅に戻った貴志はレイコの数少ない遺品の中から「友人帳」を見つける。友人帳は貴志と同様に妖が見え、天涯孤独だったレイコが妖怪たちをいじめ負かした結果、奪った名を集めた契約書の束だった。やがて、友人帳は「多くの妖を従え、使役出来る宝物」として妖たちの間に噂として広まっていた。斑は貴志から友人帳を奪おうとするが、貴志は斑と「俺が死んだら友人帳はお前にやる」という約束をし、かわりに斑は貴志の用心棒となる。依り代である招き猫と強く結びついてしまった斑は普通の人間には「頭の大きな猫」に見えるためニャンコ先生と呼ばれるようになる。こうして、貴志とニャンコ先生は友人帳から名を取り戻そうとする者、友人帳を奪おうとする者、希有な存在である貴志を喰らおうとする者、夏目レイコの復活を知って訪ねてきた者、相談事を抱えてきた者など様々な妖怪たちと関わりを持つことになるのだった。友人帳から名前を返すたびに貴志の脳裏にはレイコの記憶が流れ込む。レイコと妖怪たちとの繋がりは力任せな主従関係といった単純なものではなく、人から避けられ、人を避けて生きたレイコとそんなレイコを見かねた妖怪たちとの想い出の数々でもあった。貴志はレイコとの唯一の繋がりであり、名を縛られた妖たちにとっては命も同然の友人帳を大切に扱うようになる。また、様々な出来事を通じて妖たちとの出会いと別れを繰り返し、彼らを抱えた事情や想いを知ってゆくのだった。やがて、貴志は転校生で僧侶の息子田沼 要、好事家の祖父から妖に関する秘術を受け継いだ少女多軌 透と知り合い友達になる。二人は北本や西村と違い貴志の抱える秘密と事情を知って協力を申し出てくれる。だが、妖の存在は感知できても見ることが出来ず身体的に悪影響を受けやすい要、魔法陣により限定的に妖の姿を見ることが出来てもそれがために命に関わるトラブルに見舞われた透を巻き込むまいとして貴志は二人にも言えない秘密を抱えることになる。また、貴志は「式」(式神)を使役し、妖に纏わる怪異現象を請け負う「祓い屋」でありイケメン俳優でもある名取 周一と知り合う。体表にイモリの妖怪が這い回る周一は貴志と同様に妖怪が見えることから普通の人々から距離を置き、妖を憎んでいた。同じ悩みを抱えた貴志に周一は好意的に振る舞い、妖祓いの手伝いをさせるようになる。だが、貴志は信頼出来る周一にも友人帳の存在だけは教えることが出来なかった。周一と関わるうち、貴志は祓い屋の大家「的場家」の現当主的場 静司とも知り合う。ときに暴力的かつ強引な手段で妖たちを従え、祓う静司たち的場一門を貴志は警戒する。だが、静司は式を素手で撃退するほど強力な妖力を持つ貴志に目をつける。レイコと同じく普通の人々と異なる力と理解されない孤独、天涯孤独の境遇を味わいながらもレイコが得られなかった「大切な人たちとの繋がり」を得た貴志は藤原夫妻や友人達といった「大切なもの」を守るため、ニャンコ先生と共に日々奮闘する。そして、貴志と亡き両親との絆、夏目レイコ最大の謎である「彼女が誰と知り合い誰の子供(貴志の母親)を成したか」という秘密が徐々に明らかになるのだった。主な舞台となっているのは自然豊かな田舎町。藤原夫妻が貴志を引き取る際に「若い子をこんな田舎に住まわせるのは気の毒」と気後れしたほど。辺りには山や森が数多くあり、土着神を祀った祠やいわれのある寺や神社が点在する。もともとは信仰心の厚い土地柄だったようだが時代の変遷と共にそれが失われつつあり、人間の信仰心を糧として力を得てきた妖たちが力の喪失や没落といった憂き目を見ている。大きな街からもそう離れておらず、必要に応じて街に出ることもある。明確な舞台設定は無いが、劇中には作者の出身地・在住地である熊本県人吉市の風景をモデルとする描写が多数存在する。そのため、人吉市やその近辺の地域では、いたるところに夏目友人帳に関連するもの(グッズ・ポスター等)が数多く存在する。アニメ第3期製作にあたっては、作者自らが熊本県のお気に入りの風景を監督・アニメスタッフに紹介しており、人吉球磨の風景が参考にされていることから、郡市の新規PR事業にタイアップすることが2011年6月に発表された。アニメ第4期夏目友人帳 肆「♯12 記憶の扉」において、福岡県福岡市や福岡市早良区次郎丸、同賀茂周辺の描写がなされ、主人公が手に持つ地図が福岡市内のそれと同じものであることが、作中にて分かる。「声」は、ドラマCD版・テレビアニメ版共通の担当声優。作中では貴志は「夏目」、レイコは「レイコ」と呼ばれ、妖怪は自分達を「妖」(あやかし)と称しており、本項ではそれに従う。貴志の父方の遠縁にあたる。貴志は実の子同然の扱いを受けるが現時点でも夏目姓を名乗るように養子縁組したわけではない。貴志が大事にしているのは藤原夫妻のみならず、暮らしている家そのもの。いわゆる怪異現象の解決を専門とする人々。古くからそうした事柄を生業としてきた。妖と契約を結び、式として使役。様々な術を独自に研究・伝承する。定期的に会合を開き、同業者間の情報交換を行う。必ずしも妖が見えるとは限らず、その能力についてもピンキリ。見えていた式が見えなくなると「廃業」に追い込まれる。能力者は家系的におおむね能力者を輩出するが必ずしも産まれるわけでなく、廃業した場合、祓った妖や式から報復されることに怯えなければならない宿命を抱える。「夏目様」のしょうもない悩みやお節介に付き合って、呼び出しあらば犬のごとく馳せ参じようという妖が集まった飲み会サークル。発起人は中級妖怪のコンビ。登場順に掲載している。アニメオリジナルキャラクターも複数存在する。※現時点では8つの陣が紹介されている。主に祓い人である名取周一が幅広く陣を活用している。2008年より長期にわたって適度な間隔を開け不定期にシリーズが制作・放送されている。第5期までは全てがテレビ東京系列ほかにて放送。原作で1話のみの登場であった夏目のクラスメイト・笹田純は、その後も各話でたびたびと登場している。彼女の出ている箇所ではアニメオリジナルの要素で展開しているが、原作での物語の内容にはほぼ沿った形となっている。第1期『夏目友人帳』は、2008年7月から9月まで放送。同年8月から10月には原作者の故郷にして在住地でもある熊本県や第1期・第3期のエンディングを担当していた中孝介の出身地・鹿児島県でも放送された。第2期『続 夏目友人帳』(ぞく なつめゆうじんちょう)は、2009年1月から3月までで放送。第1期の夏の季節から、今作では冬の季節へと巡る。放送時期に合わせ、冬から春の季節までをテーマに描いた物語が綴られていく。DVD各巻には映像特典として『3Dニャンコ先生劇場』が収録(全5話)。CGのニャンコ先生による超短編コントとなっている。第3期『夏目友人帳 参』(なつめゆうじんちょう さん)は、2011年7月から9月まで放送。第4期『夏目友人帳 肆』(なつめゆうじんちょう し)は、2012年1月から3月まで放送。『LaLa』2013年8月号 - 10月号と『LaLa DX』2013年9月号にて、新作オリジナルアニメ『ニャンコ先生とはじめてのおつかい』を収録したDVDの応募者全員サービスが実施された。2014年2月5日にOVA『夏目友人帳 いつかゆきのひに』が発売された。映像特典として上記『ニャンコ先生とはじめてのおつかい』も収録。また、音声特典として『集い 音劇の章』を収録。「偽り神」と「守り犬」は劇作家の藤沢文翁がSOUND THEATRE用に書き下ろしている。第5期『夏目友人帳 伍』(なつめゆうじんちょう ご)は、2016年10月より放送中。このシリーズより前作までを手がけた中核スタッフが独立して設立した朱夏がアニメーション制作を担当する。第2期放送終了直後の2009年4月6日より、TXN6局同時ネットで第1期の再放送が行われた(毎週月曜17時30分 - 、アニメ530枠)。この再放送では字幕放送にも対応している。単に深夜アニメの夕方再放送というだけではなく、本放送でローカルセールス枠の時差ネットだったものが再放送でネットワークセールス枠へと昇格した点でも珍しいケースとなっている。後に、深夜が本放送だった『神のみぞ知るセカイ』も同じ夕方枠にて同様の形式での再放送が行われている。2016年の第5期放送に先立ち、同年4月から9月までテレビ東京にて毎週水曜2時35分に傑作選『夏目友人帳シリーズセレクション』を放送。最終週にはOVA「いつかゆきのひに」を地上波初放送した。タイトルは『ラジオ 夏目友人帳 〜秋ノ章〜』。音泉で2008年10月8日から同年12月31日まで配信されたWebラジオ番組。更新は毎週水曜日に行われた。パーソナリティは、奇数回を神谷浩史(夏目貴志 役)と菅沼久義(北本篤史 役)、偶数回を井上和彦(ニャンコ先生 / 斑 役)と堀江一眞(田沼要 役)が担当。最終回(第13回)のみ神谷浩史と井上和彦が担当した。冒頭に、「夏目交換日記帳」として、神谷浩史と井上和彦が相手の担当回にメッセージを送った。タイトルは『ラジオ 夏目友人帳 〜新・秋ノ章〜』。音泉で2011年10月3日より12月26日まで、毎週月曜日に配信。パーソナリティは、井上和彦(ニャンコ先生 / 斑 役)と堀江一眞(田沼要 役)が担当。タイトルは『SOUND THEATRE x 夏目友人帳~集い 音劇の章~』。SOUND THEATREによるプロジェクトで、初演が2013年9月28日に東京国際フォーラムホールAにて昼夜公演。再演(~集い 音劇の章・再び~)が2015年12月5日に舞浜アンフィシアターにて昼夜公演の他、再演の公演の模様は全国各地の映画館にてライブ・ビューイングを実施。全二幕からなる公演となっていて、第一幕が原作のエピソード「儚い光」を元にした音劇版「儚い光 ~きずな~」、第二幕は初演・再演ともに共通するのがオリジナル書き下ろしの「偽り神」、初演の昼の部のみ公演されたのが「守り犬」となっている。この他、各社できせかえやメール素材、着ボイス等が発売されており、特にナツメアタリの運営する専用モバイルサイト『アニメ夏目友人帳モバイル』(2009年よりFP版、2013年よりSP版が開設された)のFP版ではFlashゲームが配信されていた。熊本県人吉市の人吉温泉とアニメ『夏目友人帳 参』とのコラボレーションで、2011年7月29日からニャンコ先生のイラストが入った「お誘いポスター」のプレゼント、アニメに登場した風景を巡る「探訪マップ」の配布、オリジナル商品の販売などが行われた。また、同年度からは人吉花火大会のPRキャラクターに起用されている。また、物語の舞台となった熊本県人吉市では、町を挙げて夏目友人帳を広め、観光資源としており、熱烈なファンは人吉市やその近辺を「聖地」とあがめ深い信仰を得ている。2012年3月17日 - 5月13日に開催された「アニプレックス 春の乙女祭り in ナムコ・ナンジャタウン」に、本作を含む4タイトルとのコラボレーションメニューが登場。ニャンコ先生をモチーフにしたデザートなどを注文できた。2013年には原作10周年を記念し、1月7日からビームスの「MANGART BEAMS T」とのコラボレーションTシャツが受注販売された。NOSIGNERによるデザインである。1月8日からは日本各地のファミリーマートで、同店とアニマックスとのコラボレーション商品である菓子パンや和菓子が期間限定で販売。1月7日から2月27日までは大手天丼チェーン・てんやで、海老天3本にいんげんを添えた「特丼」と、天丼てんやの“和すいーつ”「かりんと饅頭」をセットにした「ニャンコ先生セット」が期間限定で販売された。イオン(と一部ミニストップ)で、2013年2月よりアサヒ飲料とのタイアップで景品付きの商品が期間限定で度々発売されている。熊本県のくま川鉄道にて人吉温泉駅とおかどめ幸福駅間の切符をニャンコ先生ケース入りで2013年2月25日から4月7日にかけて発売された。その後も夏目友人帳とコラボレーションした記念乗車券を発売している。6月14日にはムービックとエンスカイのトレーディングカードゲーム『プリズムコネクト』とのコラボレーションデッキが発売された。9月10日~12月31日には明治のチョコレート菓子ガルボミニとのコラボとして対象商品についている応募マークを集めて応募するとオリジナルグッズが当たるキャンペーンが行われた。Earth music&ecology JapanLabelともコラボレーションし、12月1日よりアパレル商品が発売された。翌年2014年11月1日には第2弾が、2015年1月1日にはいままでの製品を詰めた福袋が発売された。2014年2月14日よりMobageで夏目友人帳のアバター用コインガチャが登場し、2014年9月5日には第2弾・コインガチャ 夏目友人帳~秋~が登場した。
出典:wikipedia
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