『宇宙特撮シリーズ キャプテンウルトラ』は、1967年(昭和42年)4月16日-9月24日まで、TBSの「ウルトラシリーズ」第3弾として、日曜日19:00-19:30枠にて全24話が放送された、東映製作の特撮テレビドラマ、および同作主人公の名前である。TBSが「ウルトラシリーズ第3弾」として、また東映が「宇宙特撮シリーズ」として制作した国産初の本格スペースオペラ作品である。本作の企画のきっかけは東映の渡邊亮徳がSFマガジンで『キャプテンフューチャー』の記事を読んだのがきっかけである。タイトルも『キャプテンフューチャー』が由来である。1966年(昭和41年)初頭からTBSのタケダアワーで放映開始された円谷特技プロダクション制作の「空想特撮シリーズ」、『ウルトラQ』、『ウルトラマン』は、高視聴率を獲得し、日本全国に爆発的な『怪獣ブーム』を巻き起こした。しかし、円谷特技プロダクション側では『ウルトラマン』の制作が次第に追いつかなくなり、やむなく放送打ち切りを余儀なくされた。この放送枠を単独提供していた武田薬品工業およびTBSは、ウルトラシリーズの続行を熱望した。これに対し、前年から本格的にテレビ特撮番組への参入を目論んでいた東映側では、社長の大川博から資本提携下にあるNET(現:テレビ朝日)以外の局での番組枠獲得が厳命されていた。これを受け、渡邊亮徳とプロデューサーの植田泰治によって「円谷特撮と東映特撮の違い」という企画論文が起こされ、これを番組仮名『宇宙大戦争』とし、TBSに持ち込んでの積極的なセールスが行われた。これを受けてTBSは、円谷特技プロの次回作準備が整うまでの半年間の契約で、新番組の製作を東映に依頼。こうして本作は、TBS「ウルトラシリーズ第3弾」として放送されることとなった。作品コンセプトは『ウルトラマン』の後続企画『ウルトラ警備隊』から引き継がれている。TBSでは本作の放映開始に合わせ、『ウルトラマン』と『キャプテンウルトラ』の番組引継ぎパーティーを本社で開催した。この際、東映のプロデューサー、平山亨は『ウルトラマン』でムラマツキャップを演じた小林昭二と会談の機会を持っており、このときに小林の人柄と子供番組に対する真摯な姿勢に強い感銘を受けたことが、のちに『仮面ライダー』で出演を持ちかけるきっかけになったと語っている。また、杉並公会堂においても公開型の引き継ぎイベントが行われている。平山によれば、東映東京撮影所テレビ部初のカラー特撮番組の制作でもあり、スタッフは大変な意欲をもって制作に当たったという。TBSから支給された予算は、『ウルトラマン』と同額の1クール13本につき7000万円。しかし宇宙を舞台にしているため野外ロケが出来ず、毎回の惑星セットは大泉撮影所のスタジオをすべて確保して組まれていた。そのため、制作費は予算を大きく超えたという。背景の宇宙空間は「明るい青色」に統一されているが、これについては平山と、特撮監督の矢島信男らスタッフとの間で「黒」か「青」かで議論があったとのことである。当時のテレビ画面の小ささや、テレビ自体の普及度が、カラーよりも白黒が主体だったことなどを考慮して、白黒画面でも発色が明るく出る「青」に決まったという。放映中の雑誌掲載権は小学館が獲得し、『週刊少年サンデー』などで漫画版が連載されるなど、同社の子ども向け雑誌で盛んに記事が掲載された。同社の月刊児童誌でキャラクター人気投票が行われ、キケロ星人ジョーは子供たちに不人気との統計が出たため、2クール目での設定変更を機に降板となった。また、本放送中に番宣特番があった(「特集番組」の項を参照)。 平均視聴率は25.6%だった。 1967年4月23日放送の第2話では、最高視聴率32.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。普通ならば大ヒットと言えるが、前番組『ウルトラマン』が平均36.8%という驚異的な数字を獲得していたために、スポンサーの武田薬品側からクレームがつき、平山はTBSの上層部から何度も叱責されたという。なお後番組『ウルトラセブン』の企画書(仮題「ウルトラアイ」の段階)には、放送開始が1967年10月15日と記述されており、本作は当初全26話を予定していたことがわかる。結局、2話分の短縮措置がとられ、『セブン』の放送開始は10月1日に繰り上がった。本作は東映のTBS進出第1作であり、新参の制作会社として厳しい扱いを受けることが多かったものの、田原編成部員や担当プロデューサーの熊谷国雄から非常に高い評価を得た。そしてこの半年後、土曜夜9時枠でスタートする『キイハンター』を生み出すきっかけにもなった。1967年(昭和42年)7月には松屋デパートで「ウルトラシリーズ第3弾・『キャプテンウルトラ』の怪獣七夕祭り」がTBSの主催によって開催され、怪獣の展示に合わせ、出演者のトークショーが行われた。当時の新聞は「アカネ隊員役の城野ゆきが子供たちに大人気で、ステージから引っ張り降ろされる騒ぎ」とその盛況ぶりを伝えている。放送終了後も本作の人気は続き、主演の中田博久は、その後数年間のキャラクター巡業で、「番組で貰った以上のギャラを稼いだ」と述懐している。舞台は21世紀後半。宇宙開発計画の発達によって地球は「宇宙開拓時代」を迎えた。しかし宇宙に進出した人類を待ち受ける未知の危険は絶えなかった。そこで宇宙ステーション「シルバースター」所属の宇宙警察パトロール隊が編成された。ひとたび特殊銃で救援信号があると、隊員・本郷武彦ことキャプテンウルトラは、キケロ星人のジョー、万能ロボットのハックと共に、宇宙船シュピーゲル号を駆ってバンデル星人や様々な怪獣たちと戦い続ける。前半12話は「バンデル星人編」と銘打たれ、太陽系への移住をもくろむ宇宙人・バンデル星人との戦いを中心に展開した。登場する怪獣は3体のみ。第13話から路線の修正が行なわれ、「怪獣ぞくぞくシリーズ」がスタート。キャプテンたちが毎回登場する新怪獣と、これらの引き起こす怪現象に立ち向かうストーリー展開になった。キケロ星人ジョーは前述の投票不人気に伴って小林が降板させられたため第12話で功を労われた上で宇宙船を与えられ、故郷の星へ帰った。第13話以後はアカネ隊員がシュピーゲル号に搭乗し、共に戦うようになった。これに伴い、番組冒頭のナレーションとともに、主題歌が「キャプテンウルトラ」から「宇宙マーチ」に変更されている。最終回の花畑でのシーンは、特撮ヒーロー史上最も難解な最終回といわれるほど様々な解釈ができるものだった。中田博久によれば、出演者たちも意味がわからず「これって天国なの」と聞いたほどだったという。スタッフの説明によれば、ブラックホールを通り抜けた宇宙の果てには、天国のような素晴らしい世界が待っているかも知れないという暗示を込めたメッセージだったとのことである。シュピーゲル号のデザインは「特撮研究所」側で日大の学生らによって起こされ、撮影用のミニチュア模型は、郡司模型製作所によって製作された。三機に分離・合体するシュピーゲル号は、「合体メカ」の嚆矢でもある。特撮監督の矢島信男によると、この「分離・合体」の描写は、吊り下げた三つの機体を分離させるタイミングが難しく、数日間徹夜の撮影が続いたという。湯浅憲明によると当時、登戸にオプチカル・プリンター(フィルム光学合成機器)の自家製海賊版を製作した会社があり、「大映のガメラシリーズの特撮に使わないか」と誘われたという。しかしスタジオが安普請のため、自動車が外を走るたびに合成画面に揺れが伝わる状態だった。このため湯浅は断ったが、この海賊版オプチカル・プリンターは本作で使われることとなった。実際に、劇中の合成画面は揺れが入ったものが多い。出典:『テレビマガジン特別編集・巨大ヒーロー大全集』(講談社・1988年)30 - 37頁いずれも作詞:長田紀生、作曲:冨田勲である。いずれも東映ビデオより発売。『キャプテンウルタカ』キャスト
出典:wikipedia
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