曲物(まげもの・わげもの)は、檜・杉などの薄く削り取った材を円形に曲げ、合せ目を樺・桜の皮などで綴じて作った容器。曲物を作る職人を曲物師、特に曲げ職人を曲師という。曲物は、古代より日用品として使用されていたといわれる。その例として、例えば平安時代から鎌倉時代の絵画である「扇面古写経」・「鳥獣人物戯画」・「信貴山縁起絵巻」・「男衾三郎絵詞」・「北野天神縁起(弘安本)」・「東北院職人歌合絵巻」などには「桶」が描かれており、絵画の制作年代から類推して、この「桶」は鎌倉時代以降に作られた結桶ではなく曲桶であり、曲物の「桶」が遅くても平安時代以降には日用的に使用されていたとされている。また古来、曲物はこの「桶」の他に「井筒」としても使用されたといわれる。曲物井筒と呼ばれるもので、井戸の内壁に曲物を施し、側壁が崩れないようにした。井筒は野面積みの石垣などが多く用いられるが、古代は木材を使用しており、曲物井筒もその方法の一つとして古代から用いられたとされる。例として、石川県寺家遺跡や高座遺跡の例(中世期)や秋田県洲崎遺跡(13世紀末)、岩手県落合遺跡(鎌倉時代)などがある。古代遺跡の発掘調査の結果、曲げ物が出土した例を以下に列挙する。時代の経過とともに、これらの曲物は「桶」における「結桶」や「井筒」における「石垣」などの登場によって廃れていったが、江戸時代以降も弁当箱や膳、盆、菓子器、華器、茶道用器などに利用され、現在も少なからず生産されている。種々の代替製品が存在することや、資材調達が難しい状況から、生産量は限定的である。現在、曲物を地域の工芸品・特産品・名産品としている主な地域は以下のとおり。長野県塩尻市で生産される長野県知事指定の伝統工芸品。地元で産出されるヒノキやサワラの薄板を円形・楕円形に曲げ加工し、合わせ目を山桜の皮で綴じた側板に底や蓋を付けた器物で、日用品として飯器、弁当箱、茶道具、そば道具、せいろなどに用いられる。蓋のある楕円形の弁当箱等は、深蓋と浅蓋で合わせ目の位置が異なり、深蓋の場合には合わせ目の摩擦を避けるため、蓋と本体の合わせ目の位置をずらしてある。
出典:wikipedia
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