『ゲゲゲの鬼太郎』(ゲゲゲのきたろう)は、水木しげる原作の漫画『ゲゲゲの鬼太郎』を原作とする妖怪アニメ作品。本項では貸本時代に描かれた作品を基に製作されたアニメ版『墓場鬼太郎』についても解説する。原作同様に親しまれているアニメ版は2008年現在まで1960年代・1970年代・1980年代・1990年代・2000年代と、各年代ごとに5つのシリーズ作品が製作されている。1970年代以降のシリーズは約11年周期で製作され、ある程度の規則性も認められる。ただし、これが製作側の意図するものなのか、偶然なのかは不明である。テレビアニメはいずれもフジテレビ系列で放送、東映動画(現・東映アニメーション)が製作。2013年3月まで日本のテレビアニメ作品としては最多の、4回のリメイク・5度のアニメ放映をしている。また、2013年4月に横山光輝原作のアニメ鉄人28号が5度目のアニメ化、4回目のリメイクが放送されるため、同率となる。2007年8月、世界妖怪会議において京極夏彦より、貸本版を基にした「墓場鬼太郎」のアニメ化が発表。2008年1月よりフジテレビ系の深夜アニメ枠『ノイタミナ』にて放送された(#墓場鬼太郎を参照)。東映が水木しげるの「悪魔くん」を実写でテレビ化して成功したことで、東映動画(現・東映アニメーション)は「墓場の鬼太郎」を、資本系列が同じNET(現・テレビ朝日)系列放送用にアニメ化を企画。しかしこの時は、“墓場”というタイトルを持つ作品をアニメ化することに尻込みしたスポンサーによって立ち消えとなった。その後アニメ化の企画はフジテレビへ移ることになったものの、制作初期は「墓場の鬼太郎」(仮題)で進行していたため、NETと同じようにスポンサーから“墓場”に対する忌避反応が起こったが、原作のタイトルを無難なものに変えるという、当時としては大胆なアイデアが提案される。水木がこの提案を受けた際、どの様な反応を見せたかは判然としていない。なお、水木の自伝的漫画「私はゲゲゲ」の中では、水木が自ら「『ゲゲゲの鬼太郎』はどうです。」と提案している。またNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』では、困惑しながらもタイトルを考え、最終的にオープニングの「ゲ ゲ ゲゲゲのゲ」から着想を得た描写がなされている。結果的に原作はアニメ化の直前に「ゲゲゲの鬼太郎」と改題した。また“ゲゲゲ”というフレーズは、水木の子供の頃のあだ名「ゲゲ」から名付けられたものだという。「ゲゲ」の由来については、幼少時の水木が自分の名を上手く言えず「げげる」と発音していたことに起因する。1968年1月よりアニメ第1シリーズが開始された。このシリーズのみモノクロ。それまでNET向けにアニメを制作していた東映動画が初めてフジテレビで放映したアニメでもある。全65話を放送した。1971年10月、カラーアニメ作品として製作(以後“第2シリーズ”)。この時より猫娘がレギュラーに加わる。第1シリーズの続編として製作されたため、原作ストックは早々に底を突き、後半は水木の他作品を鬼太郎エピソードに脚色して使用することで乗り切った。そのためか、後半では児童向けらしからぬ非常に怖いストーリー展開や、社会性のある重厚なエピソードも誕生した。2度のアニメシリーズがいずれも好評だったことから、その後も1970年代後半頃まで度々新シリーズの企画が出たが、中々実現に至らなかった。。前作から14年後の1985年にようやく第3シリーズが開始。独特だった第2シリーズから一転してエンタテイメント性重視のリメイク版となり、主題歌を「俺ら東京さ行ぐだ」により当時は演歌歌手というよりもコミックソングを歌うシンガー・ソングライターのイメージが強かった吉幾三が手がけている。常時視聴率はほぼ20%を超え、一部は30%に迫るほどの歴代最高の大ヒットとなる。アニメ版「鬼太郎」は東映の定番作品となり、1996年には原作の持ち味と第3シリーズの中間点を狙ったリメイク版第4シリーズが放送される。過去3作品と違い各局で放送枠が不安定だったが、全編にわたり安定した人気を得て長寿番組化した。2007年4月、更にリメイクした5度目のアニメ化により、日本のテレビアニメ史上最多となる4回目のリバイバルを果たした。2008年にアニメ版鬼太郎は40周年を迎え、それに合わせて第5シリーズの第52話から冒頭に「TV ANIMATION 40th ANNIVERSARY ゲゲゲの鬼太郎」のマークが表示されるようになった。同作の劇場版にも同じく表示されている。朝日ソノラマがソノシート用に製作した挿入歌「ゲゲゲの鬼太郎」は、「墓場…」が「ゲゲゲ…」と改題した時点でそれに合わせて「カランコロンの歌」と改題され、アニメのエンディングテーマとして使用された。同じ加藤みどりの歌唱によるバージョン違いが各レコード会社で3つ存在する。この他にも複数の曲が使用されており、1つのシリーズの中で何度か変更されることもある。また、一部の曲を除いて歌詞表示がされていない。また、第1、第2シリーズでは、実際に使用されているにもかかわらず曲の存在自体がクレジットされていない。1968年1月3日 - 1969年3月30日放送。全65話。唯一のモノクロ作品。鬼太郎初のアニメ作品。原作のグロテスクさや下ネタ、社会風刺の部分を抑えた以外はほぼ忠実に映像化した。人間に災いをもたらす妖怪を鬼太郎が人間の側に立って倒す勧善懲悪型のストーリーが中心で、鬼太郎の性格も原作より更に親しみやすい善の個性となった。こうして鬼太郎は子供達の新たなヒーローとして人気を博し、妖怪ブームを生み出す原動力となった。平均視聴率は17.2%(ビデオリサーチ関東地区調べ)。音楽にはその後の日本音楽界の重鎮、いずみたくが起用された。主題歌、エンディングのみならず、オーケストラなどを存分に使ったBGMのレベルが非常に高いこともこの第1、第2シリーズを盛り上げるのに多大な貢献をしている。主題歌は当時、いずみと親交が深かった熊倉一雄が、エンディングはいずみのCMソングを数多く歌っていた加藤みどりが歌っている。主題歌レコードは30万枚以上を売り上げた。主人公、鬼太郎の声優には野沢雅子が起用された。当時から人気声優の1人だった野沢が、テレビアニメの主人公を演じるのは本作が最初だった。またサブタイトルの字体やロゴ表示演出、予告編のナレーターが毎回違うのも、本作や次の第2シリーズの特徴である。鬼太郎親子に味方する砂かけ婆や子泣き爺などの仲間が集う「ゲゲゲの森」の概念も、本アニメの放送開始に伴い確立した。なお、まだ「鬼太郎ファミリー」と呼べるほどに親密な味方妖怪の絆は描かれず、仲間たちもたまに登場する援護要員的な存在だった。第1シリーズはモノクロだったため、人気番組にもかかわらず1970年代以降のテレビ番組カラー化の波に飲まれて再放送されることは少なかった。しかし、その知名度からモノクロ作品としては珍しく1980年代になって再放送されたこともある。その再放送の時は、画面下に「この番組は白黒でお送りします」とテロップを添えたり、画面右下の隅に「白黒」とテロップを添えて放送した。2009年7月から2010年2月までCS放送の東映チャンネルで1回2話ずつ放送されていた。本放送の終了直後の1969年4月6日より、関東地区のみ、『親子そろって それ買え!やれ変え!!』(京唄子・鳳啓助司会の買い物ゲーム番組)の後番組として、毎週日曜12時30分 - 13時に半年間再放送された。1971年10月7日 - 1972年9月28日放送。全45話。前作から2年半後の製作。スタッフ・キャストはほぼそのままでカラー作品となり、前作と同様に高い支持を得た。全52週(後述する本放送中の再放送を参照)の平均視聴率は17.0%(ビデオリサーチ関東地区調べ)。第1シリーズの完全な続編という位置づけであるため、エピソードのリメイクは行われなかった。この事により、鬼太郎以外の水木作品を原作に転用した回が全体の約半分を占める(前作の末期でも「海じじい」「なまはげ」の二本の先例がある)。これらの作品はもともと単体で物語が完結しているため、鬼太郎がストーリーに介入する余地が少なく、「正義の鬼太郎が悪い妖怪をやっつける」という子供番組としての基幹コンセプトから外れて、鬼太郎が単なる傍観者で終わってしまう話や、非常に怖く救いのない話も続出した。その反面、風刺色や怪奇色の強い大人向け作品を取り上げたことにより、水木作品の持つピュアなエッセンスの忠実な映像化に成功した。原作の意図をよく理解したスタッフは当時の風俗や世相などを取り入れ、風刺やアイロニー、人間の業の深さなどを描き切り、他のシリーズには見受けられない強いメッセージ性と独特の深い味わいを持ったシリーズとなった。また、東映の「タイガーマスク」を終えたスタッフが合流していることなどにより、第1シリーズに比べて劇画調の強いタッチの絵柄が増え、前述のような異色の物語群を一層特徴あるものに仕上げている。再放送の少なかった第1シリーズと違い、第2シリーズは夏休みの子供向けアニメの定番としてその後何度も再放送され、リアルタイムでない世代のファンも多く生み出した。1985年10月12日 - 1988年2月6日放送。全108話。「現代社会に生きる妖怪」「人と妖怪の共存共栄」にポイントが置かれている。妖怪も悪役というより、近代化で住処を追われたり、人間やねずみ男に利用されて騒ぎを起こす例が増え、勧善懲悪な展開より人間との融和路線が多くなっているのが特徴で、和解した妖怪が後の戦いで鬼太郎側に就く例も多い。制作話数が多いため、第2シリーズ同様他の水木作品を基にしたエピソードも存在するが、大幅なアレンジを加えているため雰囲気は異なる。今作から目玉おやじの田の中勇以外のレギュラー声優陣を一新、以降のシリーズでもそれが受け継がれていく。なお、後のシリーズでは引き継がれたキャストもいる。また、本シリーズより読売広告社が制作に参加した。また、橋渡し的な役割として、レギュラーに人間の少女ユメコを追加しているほか、鬼太郎のキャラクターもよりヒーロー的な性格を盛り込んだ人間的でポジティブなものとなり、チャンチャンコの色合いも原作・カラーイラスト、他の映像化作品等はいずれも肩部から順に【黒・黄・黒・黄・黒】の5層なのに対し、唯一【黄・黒・黄・黒・黄】と逆の配列になっている。武器も「指鉄砲」など生体的描写の強いものは登場せず、代わりに万能アイテム「妖怪オカリナ」を登場させた。鬼太郎ファミリーや、宿敵としてのぬらりひょん一味が本格的に確立したのはこのシリーズからである。「ぬらりひょんは日本妖怪の総大将」というイメージは本作に由来しているといっていい。融和路線ということで、アニメとしてダイナミズムが薄いエピソードもやや多いが、合間にインパクトある旧来の勧善懲悪物語を挟むなどの構成の妙や、東映アニメーションのスタッフによるダイナミックなアクション描写、子ども好みのコミカルなシーンや描写の挿入、毎回のゲスト妖怪に当時第一線のベテラン声優を投入する等を行った。歴代最高のヒット作品となった。また本作から妖怪登場時に名前が表示されるようになり、これは第4、第5シリーズにも引き継がれる。本シリーズでは妖怪が出るアニメとしては珍しく、恐竜が登場する話もある。最高視聴率は歴代の作品でトップである。1986年3月22日放送の29.6%が最高。もっとも、放送開始の翌年に出たムック(講談社刊)掲載の水木しげるのインタビューでは「今回(第3シリーズ)は4本に1本は私でさえビックリするほど面白く原作をアレンジされてますが、2本は少し首をかしげる部分があり、1本ははっきり言って改悪です」と述べており、原作者としては演出や脚本に疑問もあったようである。ちなみにこのインタビューによると、水木が最も気に入ったのは第8話「だるま妖怪相談所」とのこと。なお、後半の方に登場するシーサーは、水木の母親が沖縄旅行をきっかけに考案したキャラクターが元になっている。2007年9月19日からレンタルDVDが毎月2本(1巻4 - 5話収録)リリースされている。2010年3月から2011年4月まで、CS放送の東映チャンネルで1回2話ずつ放送されていた。当シリーズが放送されていたフジテレビの土曜日18時台後半は1年前の『よろしくメカドック』からローカルセールス枠に降格されており、これは2011年現在でも不変である。また当時は民放テレビ局が少なく、当時2・3局しかない地域ではクロスネットの関係から、他系列の番組をこの時間帯に放送することが多かったため、この時間帯に遅れネットしていた別番組を放送する系列局が多く、同時ネットされた系列局は少なかった。1986年4月26日~1987年9月5日にかけての放送休止9回は、いずれもプロ野球中継によるもの。1987年9月12日、9月19日、11月28日、12月5日は過去回の再放送のため、また1988年1月2日は特番のため休止になっている。第3作はその後、1998年3月から6月までフジテレビ系列(一部を除く)の火曜19:00 - 19:30で再放送された。同枠はかつて、『まんが名作劇場 サザエさん』が放送されていた。次番組は『怪奇倶楽部』(『木曜の怪談』からの抜粋)の再放送となったため、1975年4月開始の『サザエさん』以来23年3ヶ月続いたアニメ再放送枠は、当番組が最後となった。同時に、この枠でアニメが放送されたのもこれが最後である。1988年に、全7回の連続物語形式で描かれた番外編。ねずみ男が掘り出した奇妙な枕の魔力で生きたまま地獄へ落とされてしまったユメコを追って、地獄へと向かった鬼太郎一行の活躍に、新キャラクター・地獄童子の登場や宿敵ぬらりひょんとの決着を織り交ぜて描いた、冒険物語風のストーリー。事実上、3作目の最終作。原作は1987年に、『月刊少年マガジン』に連載された全4話のミニシリーズ「地獄編」である。この原作と同じく設定が改変されており、鬼太郎の母親は人間となり、妖怪と結ばれた罰として地獄に落とされ、鬼太郎も半妖怪とされている。さらに一度もアニメ化されたことのなかった「鬼太郎誕生のエピソード」を、目玉おやじへの変化描写もマイルド化するなど、大幅にアレンジしながらも織り込んでいる。本編とは時間帯が移動して放送され、キー局であるフジテレビでは月曜19時 - だった。なお、19時台で放送されるのは第2シリーズ以来にして、現在のところ最後である。一部地域では本編のみの108話までで放送が終了しており、「地獄編」が放送されないまま現在に至っている。また、第2シリーズと同様、本放送中に再放送を4回挿入しており、実際の放送週数は更に多い。当時、ナイター中継を放送するときはこの時間(キー局であるフジテレビは18時30分)から放送していたため、雨天中止の際に再放送したとされる事もあるが、実際はナイター中継に関係なく再放送が挟まれている。これは、放送が製作に追いつかないようにとられた措置と推測される。「地獄編」から後日談的なストーリーが1993年のSFCソフト「復活! 天魔大王」で描かれている。第3シリーズは放送話数が多いため、第41話以降に未ビデオ化エピソードが多かったが、2006年3月15日発売のDVD-BOXに「地獄編」も含む全115話が収録された。1996年1月7日 - 1998年3月29日放送。全114話。ヒーロー番組ナイズな第3シリーズに対し、原点回帰を重点にクールな作風で原作イメージの忠実な映像化に努めている。鬼太郎の性格も、ほのかに陰気さを残したドライな個性が復活。ねずみ男の衣の色も初めて原作と同じ黄土色になり、ねこ娘のデザインも可愛らしい姿に生まれ変わった。主題歌には実力派ブルースバンド「憂歌団」を起用。初期シリーズに近いアレンジへ戻し、エンディングも「カランコロンのうた」を使用した。こうした初期シリーズへの回帰点が見られる一方で、原作エピソードの多くが大胆に改変され、原型を留めないほどに手が加えられた物語も多い。物語は徐々に融和エピソードが増え、最終的には初期シリーズと第3シリーズとの中間点を落としどころにしたような持ち味になる。感動的なストーリーへとアレンジされた物語がいくつも見られる一方で、世相を反映してか、第107話や第112話など全く救いのないエピソードも存在する。脚本家にゲストを招き、第89話を小中千昭、第101話を京極夏彦が担当。双方異色作に仕上がった。また、鬼太郎が空手技を使って戦うなど、従来のシリーズにはなかったスタイリッシュなアクションシーンも盛り込まれている。水木しげるが付けた注文は「宮崎アニメのように作って欲しい」で、第3シリーズのムック本で水木は「風の谷のナウシカ」の様な色彩にして欲しいとコメントしていた。作画とデザインは、荒木伸吾・姫野美智が担当。4期は「怖い本来の鬼太郎が復活」として話題となる。シリーズ後半の第64話から、仕上げ以降の作業はデジタル化され、大幅なコストダウンと省力化に成功した。使用したソフトはRETAS! Proで、解像度は144dpiだった。本作は東映動画のデジタル化第1作である。各作画監督の修正には個性があり、監督によって絵柄が異なっている。予告編のあとに必ず読まれる決めセリフは「君の後ろに黒い影」。このセリフで怖い印象づけがされた。和田薫による劇伴音楽は人気が高く特にオープニングのバトルアレンジ「戦いが始まる」や、「レクイエム〜魂のやすらぎ」は高評価であり、レクイエムは複数のアレンジが用意された。本作専用の「鬼太郎登場!」というメインテーマも作曲された。この曲は「鬼太郎が心情を持って戦うのを表現したかった」と語っている。また作風は過去作に比べ、和楽器と管弦楽が使用されており、妖怪的な雰囲気を演出している。この手法は後の第5シリーズのサブタイトルにも使用されている。人間の知り合いには村上裕子ら小学生3人組を配し、前期エンディングでも妖怪たちに追いかけられる役でも登場、後に準レギュラー化された。中盤以降では、宿敵ぬらりひょんと朱の盆のコンビが再登場し、妖怪王編を筆頭に何度も鬼太郎と戦いを繰り広げた。放送スケジュールが各局ばらばらで、キー局であるフジテレビ系では、日曜朝9時からの枠で放送された。最終的に続編があった前作と1話差の全114話の長期シリーズとなり、安定した人気を得た。放送話数が多いシリーズであるが、レンタルビデオでは全話がリリースされ、全話を収録したDVD-BOX(完全予約限定生産)が2007年11月21日に発売した。上記の通り、原作に登場する妖怪や設定をモチーフとしながらも、ストーリーはオリジナルであるものが多い。メインキャストは第4期と同様。2007年4月1日 - 2009年3月29日放送。全100話。第1話のサブタイトルにもなった「妖怪の棲む街」の設定が本作の基盤であり、ノスタルジックな印象の妖怪横丁で鬼太郎ら妖怪達が俗っぽい生活を営む世界観が特徴。社会風刺や流行を取り込んだ作風であり、アバンタイトルを初め鬼太郎ら妖怪らがダークな雰囲気で視聴者に語りかけるシーンが、それを盛り上げている。本作独自の設定も多く、鬼太郎は少年の姿で何十年も生きているという設定で、子供らしさを残しつつも人間が悪いと判断すれば見捨てることも厭わないなどシビアな印象となった。ねこ娘はメインヒロインとして一番手のパートナー役という位置づけになり、鬼太郎・目玉おやじと共に完全に全話登場となった。反面、過去の作品では第1シリーズ第1話と第4シリーズ中盤に例外的に2話程未登場である以外はほぼ全話登場だったねずみ男は、以前と比べて出番が減少。本作では基本的な扱いこそ変わらぬものの、1クールで1話の割合で全く登場しないエピソードも多くなった。また、エピソードが過去の事件の後日談という設定だったり、本作独自の要素をサブタイトルでメインにするなど、今まで以上の大胆なアレンジが行われている。そうしたエピソードにおける「過去の事件」は、回想で断片的に語られるのみで詳細は不明だが、原作や過去のシリーズを彷彿とする要素が描かれている。例えば第3話は、第4シリーズの同エピソードのパラレルな後日編とも解釈できる如く、鬼太郎とネコ娘は「過去にも夜叉と戦ったことがある」という設定になっている。脚本を担当した長谷川圭一が「他のシリーズとの繋がりは特に意識していません」と語ってはいるが、シリーズ構成の三条陸は「ファンに第4シリーズの夜叉ではないかと思っていただければ良いなという思惑もありました」と述べている。また、ねこ娘が怪事件を伝えるスタイルが主流となり、妖怪ポストの使用頻度も減っている。過去シリーズで出番が多くなかった妖怪達が活躍するのも本作の特徴であるが、従来のレギュラー陣の出番はその分減った。妖怪オカリナやレギュラーの人間は引き継がれなかったが、ユメコや村上裕子といった身近な人間の友人がいないというだけで、鷲尾などのサブレギュラーはおり、宿敵であるぬらりひょん&朱の盆のコンビは続投。ぬらりひょんはそれまでとは異なり、悪の親玉的風格が漂うが、コミカルな描写が全く無いわけではなく、人情味ある部分も描かれている。また、朱の盆以外にも本作では多くの手下を引き連れ、1つの勢力となっている。それ以外にも従来のシリーズでは1エピソードのみのゲストだった外国妖怪達を準レギュラーとしたり、2年目からの各都道府県から選ばれていく精鋭妖怪の妖怪四十七士の設定など、長期シリーズ化を意識した構成となっていた。シリーズ構成の三条陸は、『オトナアニメ』でのインタビューで「何年も続くような長期シリーズにしたい」と語っていたが、『ドラゴンボール改』を放送する都合で、最終回は普通のエピソードとほぼ変わらない打ち切りに近い形で放送終了。最終話EDでの鬼太郎のコメントは、妖怪百物語として一区切り付けるとして、近期に再開できる見込みを示唆したものとなっている。未決着要素が多数あることから、スタッフは「不完全燃焼」と語っており、レギュラー声優共々本作の最終回を「一時休止」としているとの事。放送終了前後に高山みなみら主要キャスト・スタッフと水木しげるの関係者で、『ゲゲゲ組』という公式ユニットが結成されて、アニメ再開に向け各方面で積極的な活動を展開し、世界妖怪協会主催で京都で毎年行われる東映太秦映画村のイベント等にも水木しげる・京極夏彦・荒俣宏らと鬼太郎作品を超した妖怪関連として積極的に参加している。過去シリーズからのキャスト引継ぎが多く、『悪魔くん』から引用されたキャスティングもある。OPの編成は従来と違い、歌詞も一部は別フレーズとなる。EDはオリジナル曲が採用された。劇中曲には「カランコロンの歌」のアレンジBGMが存在する。次回予告はエンディングを挟んで前半・後半に分かれており、前半では放送回に関する会話後、次回登場する妖怪のシルエットを表示。後半では次回サブタイトルを表示しつつ台詞と共に妖怪の絵が表示される。作画は前作後半のようにパソコンによるCG着色であるが、ノウハウが蓄積された美麗な色使いとなっている。地上デジタルテレビジョン放送では16:9のワイドサイズで放送され、ハイビジョン製作表示がされていたがアプコン放送である。従来のアナログ放送では当初左右をカットした4:3の画像(ピラーボックス)で放映されていたが、2008年12月放送分からはレターボックス放送となった。太文字は今作で初登場した妖怪達。放送時間はフジテレビ・岡山放送の場合、9時 - 9時30分となっているが、実際には9時2分 - とやや遅めである。この時間帯では2005年から実施されている、本編中にCMを挟まない形式を引き継いでいる。※印はバンダイ他数社がネットスポンサーとなっている局。無印はバンダイ(30秒)のみ。また、2007年7月29日の放送は休みだったため、2週間以上遅れていた局(一部を除く)では1週間遅れを縮小した。韓国では、2013年から「요괴 인간 타요마(意味:妖怪人間他妖魔)」のタイトルでカートゥーン ネットワークで放送開始。ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!! (2008年12月20日)本作の設定とデザインを元に、たのしい幼稚園2007年6月号より『ゲゲゲの鬼太郎ねこむすめだニャン』の連載が開始された(絵/東映アニメーション)。アルバイト中のねこ娘に、鬼太郎を始めとする他の妖怪が絡むショートストーリーである。今回、アフレコは4本のマイクを立てて行われている。1本は高齢のためマイクワークが難しい田の中勇専用、1本は出番の多い高山みなみが主に使っているため、その他の出演者は残り2本をやりくりして収録せねばならず苦労していたとのことである。本作では猫娘がいわゆる萌えキャラとなっているが、そのことについて原作者の水木しげるは大泉実成のインタビューに「自分は長い間妖怪にこき使われてきたので、妖怪が金を運んでくるようになったのだ(つまり猫娘がどう変貌しようと、収入が入ってくるならばよい)」と語った。なお、インタビューの際、水木は猫娘のデザインを「初めて見ました」と語ったというが、実際には第1話のマスコミ向け試写会で見ており、採点までしている。番組スポンサーを務める桃屋のCMは当番組オリジナルバージョンとなっており、本作のキャラクターが同社のアニメCMキャラ風になったり、劇中でも同社製品のキャッチフレーズなどを絡めた描写が見られる。放送終了から約1年後に目玉おやじを演じる田の中勇が心筋梗塞で、同じく閻魔大王を演じる郷里大輔が心不全でそれぞれ死去。更に約3年後の2012年にぬらりひょんを演じる青野武も脳梗塞で死去。そのため、田の中演じる目玉おやじ、郷里演じる閻魔大王、青野演じるぬらりひょんが登場する作品としては本作が最後となった。目玉おやじの今後の声優についてスタッフは「決まっていない」とコメントしている。なお、2012年夏にさかいみなと交流館にオープンした『妖怪の森』では、島田敏が代役を務めている。また、青野の死去から約3年後の2015年に原作者の水木が多臓器不全で死去。本作が水木の存命中における最後のアニメーション作品となった。2008年1月10日 - 3月20日にフジテレビ系列の深夜アニメ枠『ノイタミナ』他で放送された。全11話。少年誌で連載される前の貸本版の『墓場鬼太郎』を原作とし、内容・キャラクターデザイン共に当時のものを踏襲した怪奇漫画風となっている。また、アニメ『ゲゲゲ〜』第1、第2シリーズで鬼太郎・ねずみ男を演じた野沢雅子、大塚周夫が当時と同じ役を演じた。本作が第1、第2シリーズの前史および全鬼太郎アニメシリーズ共通のプロローグ的位置付けを持たせる意味もあった。目玉親父はこれまでのシリーズと同様、田の中勇がつとめている。シリーズ初の深夜アニメのため、『ゲゲゲ〜』シリーズのオープニング主題歌で唯一『ゲゲゲの鬼太郎』が使われていない。それでも本作はアニメ『ゲゲゲ〜』の第5シリーズが放送中ということもあり、深夜アニメとしては非常に好調な視聴率を記録した。「鬼太郎の両親が血液銀行に血を売った事で、幽霊病の感染者が発生する」という物語の発端となるエピソードが、全く異なる物に変更されたり、10話に登場するチベットの高僧の名前が変更されている等、現在の放送倫理に基づいた改変が行われている部分がある。なお、DVDでは未放映シーンが追加された。本作のオープニングアニメは、原作漫画をそのまま取り込んだかのような、白黒画面の一部のみに着色して動かす画面構成になっている。また、エンディングのサビ部分では画面左側の小さな画面に次回予告を流している。最終話では全11話のダイジェストだった。さらにエンディング中、背景に表示された文章は次回の脚本の一部である。登場人物については、墓場鬼太郎の登場人物を参照。初回視聴率は4.8%。特記の無い限り、すべて東映ビデオから発売・レンタルされていたが、ビデオ・レーザーディスク共にすべて廃盤。全65話中56話収録。劇場版はなし。1、2巻は『ゲゲゲの鬼太郎』、3巻以降は『モノクロ版ゲゲゲの鬼太郎』表記(タイトル画面での『モノクロ版』表記は3・8・10・12・13巻、画面下中央に『白黒版』と表記されているのは4巻と『ゲゲゲの鬼太郎グラフィティ』)。36、41、46、47、58、59、61、64、65話はビデオ未収録。当時のビデオは話数通りの収録はされないことが多く、以下のような収録がなされている。( )は予告編の収録話数。劇場版はなし。TV放送版全45話収録。1、2巻は『新・ゲゲゲの鬼太郎』、3巻以降は『ゲゲゲの鬼太郎』表記。ビデオに記載された話数は再放送分を含んだ全52話換算での話数。以下のような収録がなされている。( )は予告編の収録話数。2巻、5巻に、いずれも第1シリーズの第1話「おばけナイター」、第2話「夜叉」の予告編が入っていた。TV放送版第1 - 第4シリーズの販売元はポニーキャニオン。発売元は東映アニメーション、フジテレビジョン。完全予約限定生産。劇場版の販売元は東映。発売元は東映アニメーション、フジテレビジョン、東映ビデオ。初回生産限定。TV放送版第5シリーズの発売元・販売元はハピネット。『墓場鬼太郎』の販売元は角川エンタテインメント。発売元はすべて徳間ジャパン。以下4タイトルとも2000年12月21日に再発売されている。なお、主題歌を収録したシングルはレコードのみの発売だった。発売元はすべてワーナーミュージック・ジャパン。発売元はすべてインデックスミュージック。 東映アニメーション フジテレビ
出典:wikipedia
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