XTB2Dはアメリカ合衆国のダグラス・エアクラフトがアメリカ海軍向けに開発した艦上攻撃機。愛称はスカイパイレート(SkyPirate:空の海賊)”。開発時の非公式名称はデヴァステイターII(Devastator II)。アメリカ海軍は、太平洋戦争開戦後の戦訓に基づいて建造計画が開始された戦時計画大型航空母艦(後のミッドウェイ級航空母艦)の就役に合わせて、それに搭載する新型艦上攻撃機の開発計画を並行して推進した。これを受けてダグラス社が開発した機体が、このXTB2Dである。多くの面で開発当時の主力雷撃機であったTBFを上回っていたが、試作のみで制式採用はされず、量産も行われなかった。開発は1943年10月より開始され、搭載・運用する航空母艦がこれまでにない大型艦となることから、既存の航空母艦に合わせたサイズと重量の制限を度外視し、長大な航続距離と大きな兵装搭載能力を追求した機体とされた。試作機は1945年2月に初飛行に成功し、良好なテスト結果を示したが、戦争が終結した事と、同時期に開発されていた単発・単座の艦上攻撃機(XBT2D、XBTM)が同等の能力を有していたことから、最早このような大型機は特に必要ではなく、性能も装備も過剰に過ぎる、と結論され、開発計画は中止となり、発注されていた先行量産型23機の生産もキャンセルされた。2機の試作機は、1949年にスクラップとして処分された。細身の胴体に逆ガル式の直線翼で低翼配置の主翼を持ち、着陸脚は前輪式であった。主翼・尾翼とも大型で角ばった形状となっている。機首には4翅の二重反転プロペラを装備し、エンジンは大型・大馬力のP&W R4360レシプロエンジン(3,000馬力)を搭載していた。全幅は21.3mにも達し、TBDやA-1の15mに比較して、相当に大きなものとなっている。主翼内の燃料タンクの他増槽も含めると5,200ℓ以上の燃料を搭載することが可能で、最大航続距離は4,600kmを超えるという長大な性能を有していた。艦上機として開発されたためもあり、強力なエンジン馬力によって大型機の割には短距離で離陸可能な機体となっている。主翼は中ほどで折れ、上方に折りたたむことができる。胴体下部に爆弾倉を有し、爆弾倉内部にMK.XIII航空魚雷2本を搭載できるほか、胴体下及び主翼内翼部の外部パイロンと合わせれば最大4本の魚雷を搭載できた。最大兵装搭載量8,000lb(3,629kg)は、実に双発陸上爆撃機であるB-25の搭載量を上回るものであった。この他に、固定武装として主翼に20mm機関砲2門、胴体後部上面に連装、胴体後部下面に単装の遠隔操作式12.7mm機関銃塔を装備する予定であった。
出典:wikipedia
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