アストンマーティン・ラゴンダ("Aston Martin Lagonda" )は、イギリスの自動車メーカーであるアストンマーティンが1974年から1990年まで製造していた大型高級4ドアセダンである。第二次世界大戦以前の『ラゴンダ』("Lagonda")は、ル・マン24時間レースの優勝経験もあり、ベントレーに匹敵する程の名門高級車メーカーであった。1948年、ラゴンダは、アストンマーティンとともに農業用トラクターメーカー経営者のデイヴィッド・ブラウン()の所有となった。その後、1961年にアストンマーティンの4ドア版としてアストンマーティン・ラゴンダ・ラピードが登場しラゴンダの名が復活したが、生産期間はわずか4年であった。そののち、約10年の時を経て再登場したのが、本項で説明するアストンマーティン・ラゴンダである。DBSをベースに、4ドアセダンに仕立て直されたモデルである。1974年10月に発表された時には、約25年間君臨したデイヴィッド・ブラウンが経営危機のため会社を去っており、次にアストンマーティンを引き継いだカンパニーディヴェロップメンツは倒産直前であった。そのような中、ラピード以降は消滅していた最高級4ドアセダンを再登場させた。DBSのホイールベースを約300mm延長、4ドアとして、そしてアストンマーティン製4ドアセダンの伝統に則って『ラゴンダ』と名付け生産を開始した。改良型のアストンマーティン・V8を基本とし全体がゆるやかな曲面で構成されており、V8の4ドア版という印象である。フロントフェンダーの2連ダクトを継承しており、リア周りも同様で主要部品の流用も多い。V8同様、真正面から見た顔つきは同時代のフォード・マスタングにも似ている。メカニズムはすべてアストンマーティン・V8からの流用である。5,340ccのV型8気筒DOHCエンジンはボッシュ製メカニカルインジェクションで280PS/5,500rpm、ヨーロッパ仕様305hp、トルクは48.7kgm/3,100rpm。トランスミッションはZF製5速MTかクライスラー製トークフライト3速ATを選択できた。最高速度は255km/h。サスペンションは前輪がダブルウィッシュボーン/コイルで後輪がド・ディオン式のパラレルトレーリングアーム。タイヤは225VR15。4輪ともディスクブレーキ。1974年から1975年の間に7台のみが生産された。1976年10月の英国国際モーターショーでシリーズ2が発表された。これはデザインから構造まで一新された新開発のモデルであり、アストンマーティンは「スポーツカーメーカーが作る4ドアセダン」という市場に着目し登場させた。当時、この市場での競合車種はマセラティ・クアトロポルテやデ・トマソ・ドーヴィルといった少数の高価格車のみだった。日本向けには約3900万円で販売され、後年になるにつれ上昇し最終的には4500万円ほどになった。生産台数は465台。過去の伝統をすべて排し、低く長く、未来的になった。フロントには小さなフロントグリルとその横いっぱいに並べたランプ類、リトラクタブル・ヘッドライトを備える。リアにはそれと対をなす、整然と並べられた薄型ランプ。極端なロングノーズ・ショートキャビンであり、エッジの効いたボディラインはまるで折り紙のようでもある。異形であるが、最高級セダンとして極めて個性的であり、モダンな雰囲気を強く感じさせる。後部座席の空間を広げたロングホイールベース仕様、シューティングブレーク、2ドアクーペなど外部コーチビルダーによるいくつかの改装車がある。シリーズ2の途中で、初期型モデルでははめ殺し」であった後席左右の窓を開くことができるようにするためリアドアに三角窓を追加、ドアミラーの取り付け位置をボディ側Aピラーつけ根部分からフロントドア部分に変更、デジタルメーターの表示パネルをLEDからブラウン管に変更、多言語に対応し、英語・ドイツ語・フランス語・アラビア語にそれぞれ表示切り替えが可能となった。最上級のコノリーレザーまたはベロア、ウッドパネルなどを採用した贅をつくし、基本的にイギリス製高級車の文法に則っているが、シリーズ2でのシートには同時期のアメリカ製高級車を思わせる豪奢なデザインを採用しており、外観の先鋭さと比べいささか異なった趣を持つ。デジタルメーターを採用したことが一番の特色で、また車両管理にコンピュータを採用しており、これらはともに市販車として世界初である。これらメーターおよびコンピュータシステムには、車両本体自体の実に4倍に及ぶ開発費が掛けられた。ボディはアルミニウム。エンジンは相変わらずアストンマーティン・V8と共通である。ボアφ100mm×ストローク85mm、V型8気筒で5,341cc、ウェーバー製42DCNFキャブレター、圧縮比8.3で243PS/5,000rpm、44.2kgm/4,000rpm。タイヤは235/70VR15。4輪パワーアシスト付き通風ディスクブレーキ。1986年発売。生産台数は75台。インジェクション化。生産台数は105台。シリーズ4においては1週間あたり約1台という生産ペースだった。最終製造車のシャシナンバー13645は1990年3月18日にイギリス国内仕様車としてラインオフし、同年6月14日顧客に販売され、イギリスで保存されている。大幅な変更を実施し、全体的に若返らせた。角張っていたボディの角を丸め、ボリューム感を増した。ボディサイドのキャラクターラインやクロームメッキのモールを廃止するとともにフロントグリルをカラード化。ドアミラーのデザインを変更。リトラクタブル・ヘッドライトを廃止し、角目6灯の固定式ヘッドライトを新規採用。フロントのウィンカーランプ設置場所をバンパー内部に変更した。薄い長方形型リアランプユニットを二段重ねから一段に変更するとともに設置場所をトランクリッド側からボディ側に変更した。デジタルメーターの表示パネルを更に変更。表示部分を大幅に拡大した。エンジンはボアφ100mm×ストローク85mm、V型8気筒で5,341cc、ボッシュ製Lジェトロニックで240PS/5,500rpm、39.8kgm/2,200rpm。0-100km/hが8.8秒、最高速度は230km/h。ホイールサイズを16inに拡大し、タイヤが255/60VR16になった。4輪とも通風式ディスクブレーキを備える。
出典:wikipedia
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