佐藤 天彦(さとう あまひこ、1988年1月16日 - )は、将棋棋士。中田功七段門下。棋士番号は263。福岡県福岡市出身。第74期名人。1998年 、小学5年時に小学生将棋名人戦西大会で糸谷哲郎に敗れ、ベスト16。その年の9月に6級で関西奨励会入り。小学生時代のライバルは八尾直輝。2001年に初段、2002年からプロ入りに一歩手前の三段リーグに参加。三段リーグ時代に2つのことで話題となった。その1つ目は、2004年に通算2度目の次点(3位)となり、フリークラスの棋士としてプロ入りできる権利を得たにもかかわらず、この権利を放棄したことである。その後、2006年度前期リーグで14勝4敗で戸辺誠に次ぐ2位の成績を収め、見事、フリークラスではなく順位戦に参加できる棋士として、同年秋にプロデビュー(四段昇段)した。2つ目は、61年振りのプロ編入試験として世間の注目を集めた瀬川晶司のプロ編入試験の第1局(2005年7月18日)の相手(試験官)を務めたことである。日本将棋連盟によると、佐藤が試験官に選ばれた理由は、(瀬川がかつて奨励会を年齢制限で退会したにもかかわらず、再度プロ入りに挑戦しているのに対し)佐藤が上記のごとくフリークラスの権利を放棄したことから、「瀬川とは全く相反する勝負師観・人生観を持つ者として、奨励会員達の気持ちへの配慮をする上で相応しい」とされたことである。なお、この一局は公開対局として行われた。戦形は横歩取り8五飛となり、結果は91手で先手番の佐藤が勝った。デビュー戦(2006年12月11日)は女流棋士の千葉涼子との対局であったが勝利。以後、2007年3月5日まで負けなしのデビュー9連勝を飾った。その中で、瀬川晶司との因縁の対決で勝ち、3人の元タイトルホルダー(加藤一二三、塚田泰明、中村修)を負かしている。3月16日、第20期竜王戦6組3回戦で同年代のライバル・広瀬章人にプロ入り初黒星を喫し連勝が途絶えたが、9連勝の中には広瀬との初対戦があったので、いわばリベンジをされた格好となった。なお、第20期竜王戦6組の敗者復活戦(3位昇級者決定トーナメント)では、またしても瀬川との対決があり、こちらでは瀬川に敗れている。2008年9月25日、第39回新人王戦決勝三番勝負で奨励会三段の星野良生に連勝し、棋戦初優勝。星野による史上初の奨励会三段優勝を阻む。同年、第21期竜王戦6組の3位決定戦で同年代のライバル・高崎一生に敗れたが、5組欠員補充のための追加の昇級決定戦(5位決定戦、対・小林宏戦)が組まれ、この一番に勝利して、竜王戦参加2期目にして5組への昇級を決める。この年度は、将棋大賞の新人賞を受賞した。2009年4月30日、第22期竜王戦5組準決勝で安用寺孝功に勝ち、4組への昇級を決めるとともに五段に昇段(連続2回昇級による)。この対局は、プロ入りから通算100局目であった(68勝32敗)。なお、5組決勝では新進気鋭の豊島将之に敗れ、本戦トーナメント出場を逃す。2010年は第81期棋聖戦において一次予選・二次予選を6連勝で抜け、決勝トーナメントに進出。1回戦で谷川浩司に勝ち、2回戦で郷田真隆に敗れる。第23期竜王戦4組では10月28日の3位決定戦で日浦市郎に勝ち、3期連続昇級で3組へ昇級。第69期順位戦C級2組では10戦全勝の成績を収めてC級1組に昇級。また9月から翌2011年2月にかけて公式戦で17連勝を達成し、さらに年度通算成績が35勝9敗(勝率.795)となり、将棋大賞の連勝賞と勝率1位賞を受賞。2011年4月21日、第24期竜王戦3組準決勝で富岡英作に勝ち、4期連続昇級で2組への昇級を決めるとともに六段に昇段(2組昇級・連続2回昇級による)。その1週間後(2011年4月28日)、第82期棋聖戦本戦決勝(挑戦者決定戦)で深浦康市と戦うが敗れ、タイトル初挑戦を逃す。なお、本戦決勝に勝ち進む中で、二次予選で森内俊之・木村一基らに勝ち、本戦では渡辺明・郷田真隆らに勝っている。第24期竜王戦3組では決勝でも勝ち、初の組別優勝と本戦進出を果たす(本戦初戦で2組2位の山崎隆之に敗れる)。10月、第42回新人王戦決勝三番勝負で豊島将之を下し、2度目の優勝。2012年2月7日、第70期順位戦C級1組で8勝1敗となり、最終局を残して、B級2組への昇級を決める(最終成績は8勝2敗の1位)。2014年1月23日、第72期順位戦B級2組で9勝0敗となり、最終局を残して、B級1組への昇級を決める(最終成績は10戦全勝)。2015年1月8日、第73期順位戦B級1組で9勝2敗となり、抜け番を含む2戦を残して、A級への昇級と八段昇段を決めた。8勝2敗の暫定1位で迎えた同局は、7勝2敗で暫定2位の屋敷伸之との直接対決。この対局に勝ち、結果3敗となった2人(屋敷伸之と木村一基)が直接対決を残していたため、昇級となった(最終成績は10勝2敗の1位)。同年7月21日、第63期王座戦挑戦者決定戦で豊島将之七段に勝利し、羽生善治王座(名人・王位・棋聖)への挑戦が決定。初のタイトル挑戦となったが、2勝3敗で敗れた。同年12月、第41期棋王戦で敗者復活戦を勝ち抜き挑戦者決定戦二番勝負に進出。佐藤康光九段に2連勝して渡辺明棋王(竜王)への挑戦を決めたが、1勝3敗で敗れた。2016年2月27日、第74期順位戦A級で行方尚史八段に勝ち、8勝1敗でA級1期目で名人挑戦を決める。同年4月1日、第43回将棋大賞受賞者が発表され、敢闘賞、最多対局賞(59局)、最多勝利賞(41勝)、連勝賞(15連勝)の各賞を受賞した。また、同年3月21日に行われた棋王戦第4局(対渡辺明棋王戦)が、第10回名局賞に選出された。2016年5月31日の名人戦第5局で羽生善治名人に勝ち、4勝1敗で史上四番目の若さで自身初のタイトルとなる名人位を獲得。また名人奪取により、同日九段昇段。名人奪取による九段昇段は谷川浩司・佐藤康光・丸山忠久・森内俊之に次ぐ5人目で、14年ぶり(黒星先行からの4連勝奪取は1952年名人戦七番勝負で対局した、大山康晴対木村義雄戦以来、64年ぶりのスコアである)。また、1997年度の谷川浩司以来、約20年ぶりの羽生世代でない名人である。居飛車党。2014年頃からは、先手番では角換わり、後手番では横歩取りを主力戦法とし、特に後手番の横歩取りでは非常に高い勝率を誇っている。終盤での粘り強い受けの手を得意とし、トップ棋士を相手に何度も逆転勝ちを収めている。対局中は、相手の離席時に体を前や横に倒したり、脇息に体を投げ出すなど独特の仕草を見せる事がある昇段規定は、"将棋の段級" を参照。竜王戦と順位戦のクラスは、"将棋棋士の在籍クラス" を参照。
出典:wikipedia
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