劉 熙（りゅう き）は、五胡十六国時代の前趙の最後の皇太子。字は義光。第5代皇帝・劉曜の子として生まれる。光初元年（318年）10月、父の即位に伴い皇太子となった。光初6年（323年）に前涼が藩国になった後、靳準の乱で行方不明となっていたが、兄で前世子の劉胤が黒匿郁鞠部から送ってきた。年長者の劉胤を皇太子にすべきか劉曜が群臣に諮ったが、劉胤のおじで左光禄の卜泰が反対し、生母の羊献容を劉曜が寵愛していたこともあって、劉煕は皇太子のままにされた。光初12年（329年）初に劉曜が後趙の石勒によって殺されると、2月に長安を放棄して上邽へ逃れた。8月に後趙の占領した長安を劉胤が攻撃したが、翌月に後趙の中山公石虎に敗れた。そのため劉煕は勢いに乗じて進撃した石虎の軍勢によって上邽にいた兄弟である諸王、将軍、高官とともに殺害され、与党3千人が処刑された。ここに前趙は前身の漢の建国から26年目に滅亡した。

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