ブラックバック（"Antilope cervicapra"）は、ウシ科ブラックバック属（アンテロープ属）に分類される偶蹄類。本種のみでブラックバック属を構成する。ブラックバック属はブラックバック亜科の模式属。インド、ネパール、パキスタンに自然分布。アメリカ合衆国とアルゼンチンに移入。バングラデシュ体長100-150センチメートル。尾長10-18センチメートル。肩高60-85センチメートル。体重25-50キログラム。眼や鼻、口の周囲、腹面や四肢内側の毛衣は白く、頸部や尾の背面、四肢下部の毛衣は褐色。脳頭蓋（眼窩より後方の頭骨）が顔面頭蓋（眼窩後端より前の部分）の1/3と短い。吻端には板状の皮膚（鼻鏡）がない。下顎の小臼歯は左右に3本ずつあるが、第2小臼歯が極めて小型。眼下部（眼下腺）、後肢内側基部（鼠蹊腺）に臭腺があり、特に眼下腺は発達する。オスの成獣は背面や頸部の毛衣が黒や暗褐色、濃褐色。幼獣やメスの成獣は背面の毛衣が淡褐色や黄褐色。オスにのみ螺旋状や栓抜き状に捻れた長い角がある。捻じれの数は5回で、角の表面には節がある。角長45-76センチメートル。乳頭の数は2個。半砂漠、開けた森林、乾燥した落葉樹林などに生息する。昼行性。10-50頭のメスや幼獣による群れを形成し生活する。また若いオスのみでも群れを形成する。危険を感じると高く跳躍し、走って逃げる。時速80キロメートルの速度で1.5キロメートルの距離を走行することができる。食性は植物食で、主に草を食べる。繁殖形態は胎生。オスは繁殖期になると20-80ヘクタールの縄張りとハレムを形成し交尾する。妊娠期間は6か月。1回に1-2頭の幼獣を産む。オスは生後3年、メスは生後1年6か月で性成熟する。寿命は12-18年。開発による生息地の破壊、食用やトロフィーとなる角目的の狩猟などにより生息数が減少している。インドでの19世紀における生息数は約4,000,000頭、1947年における生息数は約80,000頭、1964年における生息数は約8,000頭と推定されている。

出典:wikipedia