太平元宝(たいへいげんぽう)は、日本古代の銀銭。円形に方孔が開く。大平元宝は、天平宝字4年(760年)に初めて試鋳された。このとき出された詔には同時に発行された貨幣との交換比率が示され、大平元宝10枚で開基勝宝(金銭)1枚分また、大平元宝1枚は万年通宝(銅貨)10枚分に当てると定められた。これらの貨幣の発行権は前年に太政大臣に任ぜられた藤原仲麻呂(恵美押勝)に専制的に与えられた。大平元宝が発掘調査で見つかった事例は報告されておらず、大正時代には某家、昭和3年(1928年)に唐招提寺で宝蔵から発見され伝わる2品が現存していた。3品が伝存するとする説もある。現在はその2品の拓本が伝わるのみで、現品は行方不明となっている。しかし拓本によれば何れも『続日本紀』に記された「大平元寳」ではなく「太平元寳」と表記されており、贋物説さえ囁かれていた。一方で「大平」は「太平」と同じく天下太平を表す吉語であり、淳仁天皇の治世が太平であることを願ったものともされる。現存が僅少である、また確認されていないということは当時一般流通がなかったものと推定され、新規発行の万年通宝1枚を従来の和同開珎10枚分と高額に設定するために、銀貨の1/10に相当する価値の高いものであることを示す目的の見せ金であったとする説もある。また和同開珎100枚分の価値に相当することから私鋳銭が現れることは必至であり、このことによる貨幣経済の混乱を避けるため、大平元宝を流通に投じることはなかったとする説もある。
出典:wikipedia
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