『テイルズ オブ デスティニー』(Tales of Destiny、略称:デスティニー / TOD)は、ナムコ(バンダイナムコゲームス)から発売されたRPG。『テイルズ オブ』シリーズのマザーシップタイトル(本編作品)第2作目。タイトルの由来は中山美穂の曲「True Romance」から。1997年12月23日にPlayStation(以下PS)版が発売。ジャンル名は「運命のRPG」。キャッチコピーは「運命を解き放て」。1998年11月26日にはPS the Bestとして廉価版が発売された。直接の続編に『テイルズ オブ デスティニー2』がある。2006年11月30日にPlayStation 2(以下PS2)でセルフカバー(リメイク)版が発売された。ジャンル名は「運命という名のRPG」。さらに2008年1月31日には『テイルズ オブ デスティニー ディレクターズカット』としてディレクターズカット版(以下、DC版)が発売。ジャンル名は「もうひとつの運命という名のRPG」。兵士として自らの名を上げるために故郷のリーネ村を飛び出したスタン・エルロンは、セインガルド王国の首都ダリルシェイド行きの飛行竜「ルミナ・ドラコニス」に密航するが、密航が発覚し武器を取り上げられてしまう。そこへ魔物が襲来。武器を取り上げられていたスタンは武器を探すため飛行竜内を捜索する。そして、倉庫で見つけたのが「ソーディアン・ディムロス」だった。ディムロスのマスターとなったスタンは、その後の道中で「ソーディアン・アトワイト」のマスターであるルーティ・カトレットや「ソーディアン・シャルティエ」のマスターであるリオン・マグナスと出会い、「神の眼」を巡る騒乱に巻き込まれて行く。およそ千年前に地球に衝突した巨大彗星の核の欠片。特有の特殊エネルギーを含有しており、レンズから引き出したエネルギーは機械の原動力や医薬品など様々な形で利用されている。また、精神エネルギー(人間のものに限らない)に反応を示す性質があり、思考・集中のみでレンズからエネルギーを引き出すことができる。このエネルギーを意のままに操る技術が晶術である。現在は主に天地戦争時代の遺跡やモンスターの体内から発見・採取される。レンズが含有するエネルギーの総量はレンズの規模・純度・密度などに関係し、エネルギーを出し尽くしたレンズは何の役にも立たないガラス細工の代物になってしまう。しかし、一定の行程を経て加工されたレンズはエネルギーの発生源としての性質を持つようになり、こうしたレンズは破損しない限りエネルギーを生み出し続ける。後述の神の眼やソーディアンのコアクリスタルなども、こうした加工されたレンズの一種である。巨大彗星の衝突とその二次災害により人類は滅亡の危機に瀕したが、同時にレンズを発見したことにより、この危機を回避する。レンズの利用方法は天地戦争の終結まで研究、確立された。レンズテクノロジーは戦争終結を期に徐々に廃れていったが、およそ20年前よりオベロン社を中心に再び世界中に普及している。しかし、現在の技術水準は天地戦争時代のそれには到底及ばず、飛行竜やソーディアン、ベルクラントなど、天地戦争時代には現在の技術では製造不可能な様々なものが開発された。レンズを体内に取り込んだ動植物。体内に取り込んだレンズの影響で変態(巨大化、奇形化など)し、多くは凶暴化する。レンズを抜き取ると元に戻る。また、レンズによるモンスター化は人間も例外ではない。モンスターは基本的に野生動物が誤ってレンズを取り込むことで生まれるが、天地戦争時代には軍事利用のために人為的に生み出されたモンスターも存在した。それらのモンスターが繁殖、進化した結果、現在では非常に多種のモンスターが世界各地に生息している。こうしたモンスターの中には体内のレンズから力を引き出して、晶術を使う種もいる。直径6mの球体状巨大レンズ。そのサイズに比例した凄まじいエネルギーを含有しており、天地戦争時代には空中都市を浮遊させるためのエネルギー、ベルクラントのエネルギーを同時に供給していた。天地戦争終結後、空中都市の再利用案が却下された時点で神の眼の破壊が試みられたが、強力なエネルギーフィールドに阻まれ傷一つつける事が出来ず、やむをえず封印措置となる。後に存在を知り、悪用を企てる者が現れる事を恐れた地上軍の幹部達は、隠れ蓑としてアタモニ神団を創設し世間からその存在を隔離させた。以後、セインガルドのストレイライズ神殿地下に長きに渡り保管されている。巨大な竜の姿をした空を飛ぶ乗り物。天地戦争時代に有機体とレンズを結合させる研究の一部として開発された。巨大な竜という外見のため、通常はモンスターの襲撃を受ける心配は無い。また、同様の研究で海底に潜ることのできる「海竜」、ベルクラント防衛を目的とした「守護竜」も開発された。有機体とレンズが融合した存在という点ではモンスターに近い存在と言えるが、モンスターのように自我を持っている訳ではなく、あくまでも乗り物である。生体金属と呼ばれる希少な金属「ベルセリウム」を多量に使用しているため、製造数は少なく、現存する唯一の飛行竜ルミナ・ドラコニスはセインガルドが管理、運用している。また、海竜ベルナルドは海底のラディスロウに保管、守護竜はベルクラントで保管されていた。ドラマCDでは動力源が無い飛行竜がカルバレイスのどこかに廃棄されていたのをグレバムが発見、再起動した。PS2版では同系列の存在と思われる「始祖竜」が登場した。およそ千年前に空中都市と地上との間で起きた大戦争。戦況は常に制空権を握りベルクラントを擁する空中都市の天上軍の有利に進んだ。しかし、地上軍も作戦総合本部だった軍事施設ラディスロウを推進装置をつけた移動要塞として浮上させ、空中都市の首都にソーディアンチームを送り込んだ。首都への強襲の結果、戦争は地上軍の勝利に終わる。PS2版では、天地戦争に関する記録が現代にほとんど残っておらず、「大昔に天地戦争という大きな戦争があった」「神の眼と呼ばれるものが戦争の元凶であった」程度の記録しか残っていない。外殻大地とも呼ばれる、大量のレンズの力を用いて作られた空中に浮かぶ大地。本来は地上で作られた人工大地を浮上させる技術だったが、ベルクラントの完成以降は砲撃により粉砕した地上の大地を空へ舞い上がらせるものへと変わった。巨大彗星衝突の二次災害(星全体を覆う粉塵による寒冷化や天変地異など)により荒廃した地上を捨て、外殻に移住するために作られた都市群。そのため空中都市のほとんどは外殻上に設置されているが、首都であるダイクロフトだけは空中都市群の機能の管理と外殻の維持のために都市自体が空に浮かんでいる。実際に空中都市に移り住むことができたのは一部の特権階級の人々だけであり、空中都市に住む人々は自らを「天上人」と呼び、地上への弾圧を行ったため地上に住む人々の反発を招き、天地戦争が始まるきっかけとなった。戦争終結後は「破壊案」「再利用案」などの意見が出たが、環境に与える影響などを考慮した結果、最終的に地上軍最高幹部の1人であったラヴィル・クレメンテの意見により海底に沈めることとなった。空中都市の首都ダイクロフトに搭載されている「無差別地殻破砕兵器」と呼ばれる巨大なレンズエネルギー砲。ミクトランが天上軍の技術の粋を結集して作らせた最悪の兵器。地上を一瞬で粉砕し、その破片を空へ舞い上がらせるほどの威力を持ち、上昇した大地の破片は「神の眼」の力により外殻の一部として結合される。元々は荒廃した大地を削って空中に浮かべる平和利用の為のシステムだったが、ミクトランの手により、無差別に地殻を破砕する兵器へと変貌した。これにより地上軍は天地戦争において終始劣勢を強いられたが、ベルクラントによる無差別攻撃が空中都市のベルクラント開発チームに地上軍への亡命を決意させるきっかけとなり、地上軍勝利の要となったソーディアンの完成へと繋がった。人間の記憶や人格を、高密度に高熱集積したレンズ「コアクリスタル」に投射し、剣に装着した「意思を持つ剣」であり、天地戦争時代末期に地上軍の切り札として開発された局地戦用の戦術兵器。地上軍の天才科学者ハロルド・ベルセリオスにより理論が提唱され、ベルクラント開発チームが亡命の際にコアクリスタルのベースとなるユニットを持ち込んだことで完成した。マスターはコアクリスタルのエネルギーを利用した強力な晶術を行使し、投射された人格と意思の疎通を図ることで剣との同調性を高め、白兵戦においても通常の剣を上回る戦闘能力を発揮できる。また、コアクリスタルに投射された人格とは明確な言語のやり取りも行えるので、日常会話なども可能。ただし、コアクリスタルから力を引き出せるのは特別な素質を持つ者に限られ、素質を持たない者にとってはただの剣でしかない(意思の疎通も不可能)。このような素質を持つ者であれば、投射されている人格が自分のものでなくてもソーディアンと意思の疎通を図り、コアクリスタルから力を引き出せる。PS2版では、別々の人格同士の連携ではオリジナル同士の場合よりも劣る力しか発揮出来ないという設定となっている。ソーディアンはコアクリスタルに投射された人格と使い手との精神同調が不可欠であり、コアクリスタルには使い手自身の人格が投射され、開発された6本のソーディアンにはそれぞれ人格を投射した使い手の氏名が付けられている(テイルズ オブ デスティニーの登場キャラクター#ソーディアン参照)。例外として、ソーディアン・ベルセリオスの使い手は投射体のハロルド・ベルセリオスではなく、双子の兄のカーレル・ベルセリオスである。ソーディアン・マスターで結成されたソーディアンチームは空中都市の支配者を討ち、地上軍を勝利に導いた。しかし、戦争終結後に人格を投射したオリジナルメンバーとソーディアンの相互干渉により、互いの人格が崩壊する可能性があるという問題が発生したため、神の眼・空中都市・ラディスロウと共に隔離・封印処置が決定、各々が遠く離れた地に保管されることになった。セインガルド王国の国家予算に匹敵する年商を生み出し、世界的に活動する巨大企業。世界で唯一レンズの加工技術を持ち、加工したレンズを利用した製品を取り扱う。本社はセインガルド。フィッツガルド、カルバレイスにも支部を持つ。また、セインガルド王国では、社長のヒューゴ・ジルクリストが王の右腕となって国の繁栄と自社の利潤追求に勤めている。レンズ製品は栄養ドリンクや家電などの日常的なものからモンスターと戦うための武器まで非常に多岐に渡るが、このためオベロン社は常時大量のレンズを必要としており、民間からのレンズの買取も行っている。レンズ買取を行う支店はほとんど世界中に存在する。また、モンスターを倒したり遺跡から発掘したりしてレンズを集め、オベロン社に買い取って貰うことを生業とする、レンズハンターも存在する。女神「アタモニ」を崇拝する教団。元々は、天地戦争後に破壊できなかった神の眼を世間から隔離するための隠れ蓑として作られたが、1000年の時を経た現在ではセインガルド王国の国教として確固たる地位を確立している。総本山、つまりセインガルドのストレイライズ神殿の深部には神の眼が安置されているが、神の眼の存在やアタモニ神団の創設・存在理由は司教や大司教といった高位の神官しか知らず、下位の神官や信者は純粋に神を崇めている。また、神官は古代文明などの研究者としての側面を持つ。PS版では「ストレイライズ神殿」という名称がそのまま組織名として使用されていたが、リメイクに当たって『デスティニー2』から「アタモニ神団」という組織名称が逆輸入され、「ストレイライズ神殿」はアタモニ神団の総本山の神殿を指す固有名称になった。「アタモニ」は、本作のキャラクターデザイナーであるいのまたむつみの苗字 (INOMATA) を逆読みにしたもの (ATAMONI) が元となっている。シンボルマークはカエル。前作ファンタジアに引き続き主題歌が採用されている。また、主題歌に合わせたアニメーションムービーも製作され、ゲームをスタートすると主題歌と共にムービーが流れる。この主題歌とアニメーションムービーによるオープニングは以降のテイルズ オブ シリーズの定番となった。なお、主題歌とアニメムービーはリメイクした際にも変更されずにPS版時代のものがそのまま使われている。2006年6月20日、PS2へのリメイクが発表された。開発が開始されたのは2004年末から2005年初頭で、外注を含めると100人近いスタッフが開発に携わった。当初の発売予定日は2006年11月22日となっていたが、11月15日にソフトの不具合が発見され、2006年11月30日に発売予定日が延期された。本作はあくまでもTODのリメイク作品であるとし、ストーリー的に続編に当る『テイルズ オブ デスティニー2』との繋がりは全く意識されていないが、グラフィック面ではTOD2とのバランスが配慮されており、キャラクターが2頭身から4、5頭身となり、ダンジョンマップやフィールドマップなどの背景も一新され、一部は3Dで表現されている。また、いのまたむつみによるキャラクターのイラストも書き下ろされ、エンディングにはいのまたむつみが手彩で書き下ろした20枚のイラストが使用されている。シナリオは基本的にはPS版を踏襲してはいるものの、台詞は全て書き直されている。開発に際しては特に「既存の作品にどこまで手を加えて良いか」に配慮し、キャラクターの何気ない一言についても会議などが行われた。一部の登場人物はPS版と設定が異なっており、それに伴ってシナリオの展開がPS版とは異なっている部分もある。登場人物の設定の違いについては、テイルズ オブ デスティニーの登場キャラクターを参照。システム面でも大幅な変更が行われ、多くの新たなシステムが導入された。システム面の変更点については、以下で詳細を記す。通常攻撃の連発が可能となり、他のシリーズ作品同様にアクション性が増した。特に本作の戦闘システムは「AR-LMBS(エアーリアル・リニアモーションバトルシステム)」と呼ばれる空中戦を重視した仕様になっており、大半の技が空中でも使用可能で2段ジャンプもできる。また、1Pコントローラーで全てのキャラクターを操作することが可能(メニュー及び戦闘中での操作キャラクター変更可)になった。PS版ではソーディアンマスター間であればソーディアンの付け替えは自由だったが、PS2版ではソーディアンマスターは武器の付け替えが不可能になっており、自分のソーディアン(スタンならディムロス)以外の武器を装備することができなくなった。シナリオの都合上、一時ソーディアン以外の武器を装備しているキャラクターもいるが、その時期も武器の交換はできない。また、ディスクシステムも廃止されているため、技や晶術は自身が修得するものしか使用できず、さらに各ソーディアン固有の「ソーディアンデバイス」により個々の役割がはっきりと分けられるようになった。なお、PS2版のソーディアンにはレベルが設定されていないが、マスターのレベルアップに伴いパラメータがアップするため、能力値の上昇システムに関してはPS版との違いはそれほどない。PS版ではパーティメンバーの上限が6名まであったが、PS2版ではパーティメンバーの人数に制限が無く、最終的にはリオンを除いた全てのパーティメンバーをパーティとして連れ歩くことができる。また、各キャラクターに新たな術技が追加されており、一部のキャラクターは戦闘スタイルもPS版と異なる。PS2 通常版の初回特典DVD。2008年1月31日発売。シリーズ最後のPS2用ソフトである。ソフト単品の通常版と、アートブックやスペシャルサウンドトラックが同梱された数量限定のプレミアムBOXが存在する。通常のPS2版との相違点は、本編をリオンの視点で進める「リオンサイド」が追加されたこと。これに伴い、リオンを中心に新しい術技の追加、一部の術技の仕様変更がなされ、リオンの称号も新たに追加されている。その他の主な相違点は以下。PS版は50万本以上を販売したタイトルに贈られるPlayStation Awardsの「ゴールドプライズ」を受賞した。PS2版は日本ゲーム大賞2006 フューチャー部門を受賞した。この他、エニックスからアンソロジーコミックと4コマ漫画が3巻ずつ、エンターブレインからアンソロジーコミックが3巻、スクウェア・エニックスからPS2版のアンソロジーコミックが1巻、マッグガーデンからPS2版のアンソロジーコミックが1巻刊行されている。
出典:wikipedia
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