アーバンネットワーク(Urban Network)とは、かつて西日本旅客鉄道(JR西日本)が1989年3月11日から京阪神都市近郊区間をまとめて呼んでいた愛称である。「アーバンネットワーク」の定義と、旅客営業規則に規定される大都市近郊区間としての「大阪近郊区間」(新幹線を除く)や、JRが便宜的に呼称する「近畿エリア」とは完全には一致していなかった。2006年10月21日のダイヤ改正と新快速の敦賀駅乗り入れ開始以降、車内および駅の路線図と車内停車駅案内図が「アーバンネットワーク」の表記から「路線図」に変更されるなど、2000年代後半以降はアーバンネットワークという名称を使わず、「近畿圏」や「京阪神エリア」と表現されることが多い。また、JR西日本が発行する冊子からも2013年度以降アーバンネットワークの名称は使われていないが、それ以降も定例社長会見で使用されている。本項では、特に正式名称で記述する必要がある場合をのぞいて、愛称名がある路線名は愛称名で記述する。会社発足時には関東地方に広大な通勤路線を持つ東日本旅客鉄道(JR東日本)や、東海道新幹線を持つ東海旅客鉄道(JR東海)に比べて収益力が比較的弱いとされたが、山陽新幹線と大阪の近郊路線に経営資源を集中し、経営基盤を強化する方針が立てられた。関西圏では歴史的に「私鉄王国」という言葉に見られるように私鉄の影響力が強く、特に収益力を大きく左右する通勤輸送については私鉄の独擅場であった。そのため、日本国有鉄道(国鉄)からの経営移管時には通勤輸送をいかに取り込むかが課題とされ、大阪近郊路線の強化にあたっては、新型車両の導入・速度向上による所要時間の短縮、直通運転などの施策により、並行する近畿地方の大手私鉄に流れている乗客を獲得することになった。その施策の一つとして乗客になじみを持ってもらう目的で、1988年(昭和63年)3月13日のダイヤ改正を機に8線区9区間に愛称を制定し、1989年3月11日からは京阪神都市近郊区間を「アーバンネットワーク」と呼ぶようになった。設定当初は、現在のエリアのうち、姫路駅以西と草津線・湖西線・和歌山線などラインカラーが設定されていない線区が除外された区間であった。その後、1990年3月10日にイメージの定着をはかるため、10線区に線区別(琵琶湖・JR京都・JR神戸線は同色)のラインカラーを導入した。大阪駅を中心点に他線区への直通列車が多く、2015年3月14日から本格的に路線記号の導入にあわせて、ラインカラーの拡充・変更も行われている(例:加古川線・姫新線のカラーを正式採用、山陰本線のラインカラー導入区間を城崎温泉駅まで延長、学研都市線のラインカラーを黄緑から桜桃色へ変更など)。各種路線図や駅の案内、アーバンネットワーク内の駅名標や、207系・223系・225系・321系電車などの種別幕には基本的にラインカラーと路線記号が使われている。国鉄型車両については一時期ラインカラーに準じた塗装変更も検討されたが見送られており、国鉄時代と同じ塗装のまま運行されている。主な報道機関(マスコミ)において愛称線名を使用しているのは朝日新聞と神戸新聞のみだったが、このうち朝日新聞は2003年2月1日付けの紙面から、主要路線などで愛称が定着して駅や車内放送のほとんどが愛称を使用しているなどの理由により愛称表記を原則としている。2005年4月25日に発生したJR福知山線脱線事故の際も多くの報道機関が「福知山線」の名称を用いた中、この2社は「JR宝塚線」の名称を用いた。アーバンネットワーク制定と同時に運転を開始した221系は、大きな窓や明るい車内、快適な座席(3ドア転換クロスシート)などが利用者から好評で、その後継の223系とともにアーバンネットワークの象徴的な車両となった。また、通勤型4扉車はJR東西線開業準備用として学研都市線に投入された207系をその後、JR京都・神戸線やJR宝塚線にも運転範囲を拡大し、その後継車である321系も同様に投入されている。さらに223系の後継として、安全性・利便性をより重視した225系が製造され、2010年12月1日より営業運転を開始することとなった。アーバンネットワーク向け車両の発注は地元の川崎重工業と近畿車輛に集中しており、以前は発注がなされていた日立製作所については近年は発注が減少している。2012年からはJR発足前後の車両のリニューアル工事が始まり、205系、221系の更新車両においてはバリアフリー対応の工事が施されている。また前述の通勤型4扉車にも大型のつり革が導入された。一方国鉄時代に天王寺鉄道管理局管内だった路線(その大部分が私鉄買収路線)を中心に当時から使われている車両も比較的多く、大和路線・阪和線・大阪環状線・奈良線では103系が、万葉まほろば線・和歌山線では105系が、草津線・湖西線ではほとんどの列車が113系で運転されている。なお、きのくに線用車両の日根野電車区への入区目的で、阪和線も113系が1往復のみながら使用されている。これらには接客設備を中心にリニューアルされた車両も含まれているが、車齢も高く騒音が大きい機器類や、乗り心地の比較的劣る台車を引き続き使用しているが、2016年に入ってから阪和線に103系・205系の置き換え用として225系5100番台が、大阪環状線に103系・201系の置き換え用として323系が新製配置された。競合他社線が多いアーバンネットワークでは、主な対抗策として以下のような施策が行われている。JRになって、ネットワークを利用した直通運転の拡大も進んだ。1988年になら・シルクロード博覧会をきっかけにした梅田貨物線の旅客使用を開始した。さらに、翌1989年7月22日の関西本線と阪和線を結ぶ連絡線の開通に伴って、紀勢本線の特急「くろしお」や一部の阪和線の快速が新大阪駅まで乗り入れを開始し、1994年6月の関西空港線の開業では梅田貨物線を利用した京都駅 - 関西空港駅間の特急「はるか」の運転を開始した。そして、1991年9月には北陸本線の田村駅 - 長浜駅間が直流化されて新快速が長浜駅まで運転されるようになった。その後新快速のネットワークは、播州赤穂駅・上郡駅、さらには敦賀駅まで拡大している。1990年代からの沿線の開発に伴う人口増加や郊外化が追い風になり、アーバンネットワーク区間の利用客は年々増加し、ダイヤ改正のたびに利便性向上の施策がとられるようになった。1995年の阪神・淡路大震災では、いち早くJR神戸線が全線復旧し、利用客の増加に拍車をかけた。運転系統の充実・既存線相互の直通運転に加え、1997年3月8日にはJR東西線が開業、2008年3月15日にはおおさか東線が部分開業し、大和路線からJR東西線への直通列車も登場した。このおおさか東線は北部区間も建設中であり、これらを含めた利便性の向上とネットワークの拡大は今後も続く予定である。競争を意識した余裕の少ないダイヤは、わずかの事象で大きなダイヤの乱れにつながることとなった。また、直通運転の拡大はダイヤの乱れの影響を広範囲に及ぼすこととなった。その状況下で2002年11月6日に塚本駅 - 尼崎駅間で鉄道人身障害事故(消防隊員の死傷事故)が発生したが、この際安全の確認より列車運行を優先させたとして批判があった。さらに2005年4月25日の福知山線列車脱線事故では余裕のないダイヤが乗務員に過度のプレッシャーをかけているのではないかと批判を大きく浴びることになった。そのため、その後のダイヤ改正で列車ダイヤの余裕を比較的多くとることで所要時間が増加しており、特に翌2006年3月18日のダイヤ改正では新快速の所要時間が運転開始以来初めて延びることとなった。天王寺駅構内の阪和短絡線の複線化(2008年3月15日完成)などダイヤの安定性を高める施策や、保安装置の拡充などが今後も引き続いて進められることになっている。列車指令所による列車制御の一元化に合わせて、旅客案内の拡充なども進めている。アーバンネットワーク内の各路線の行先案内は、1997年3月8日のダイヤ改正以降、駅の発車標・列車の行先表示や案内放送などでは方面と行先を併記した「○○方面△△」(「姫路方面網干」「宝塚方面新三田」など)といった表記を採用しているが、これは他事業者にはあまり見られない案内方法である。また、京都駅以東の敦賀方面や東西線を介する直通運転など経路が複数存在する場合は、経由路線を明記した「XX線経由◇◇」(「湖西線経由敦賀」「東西線経由宝塚」など)といった表記も用いられている(JR東西線関連以外の本格実施は1999年5月10日以降)。この案内手法はアーバンネットワーク外向けにも使用されており、一例としてJR東海との共同使用駅となっている米原駅では、同社の東海道本線(米原駅以東)で運転される列車のうち名古屋駅以東へ運転される列車に対しても「名古屋方面○○」と案内している。また、各駅から京都・大阪・神戸などの主要駅への先着列車の表示や放送を行っている。発車標はほとんどの駅に設置されており、発光ダイオード (LED) 式とプラズマディスプレイ式があり、後者は一部の駅に設置されている。発車標には一部の駅と特急・急行列車をのぞき、乗車位置が表示される。ホームには目安となる印(△、↑、○、◇など)と数字が書かれている(例:「△ 1 △」)。扉数や編成数などで乗車位置が変わるので、乗客はこれに表示された位置に並ぶ方式となっている(表示形式の例:「△1〜12」「白○1〜7」)。列車が接近すると、到着・通過を知らせる接近表示が点滅するものもある。なお、運行管理システム導入線区や自動進路制御装置 (SRC) 区間など一部の駅では、列車に遅延が発生した場合には遅延時間(「遅れ約○分」「Delay ○ minutes behind」、2時間以上の遅れの場合は「遅れ120分以上」「Delay 120 minutes over」)が表示される。これは列車固有の遅れを表示しているが、旅客にとっては次の列車がいつ来るかが関心事であるため、大幅な遅れが出ているときは次の到着する列車が到着するまでの時間が表示(「到着まで約○分」「○ min. until arrival」)されることもある。阪和線(羽衣線区間をのぞく)・琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線・赤穂線(相生駅 - 播州赤穂駅間)・大阪環状線・JRゆめ咲線・大和路線・おおさか東線・学研都市線・JR東西線・JR宝塚線(尼崎駅 - 新三田駅間)ではアーバンネットワーク運行管理システム (SUNTRAS) を導入しており、同システムと連動した表示となっている。また一部の駅では列車の在線位置も表示し、列車の走行位置を発車標に表示している。2003年から一部の駅の改札口・コンコース付近にプラズマディスプレイを設置していたが、2008年4月1日から「異常時情報提供システム」に移行している。普段は自社の宣伝や運行情報などを表示しているが、異常時の際に大阪総合指令所が運転見合わせ区間や振替輸送区間などの情報を一括入力して路線図形式による案内を行っている。情報を提供する区間はアーバンネットワークの路線区と東海道・山陽新幹線・九州新幹線である 。221系・207系・223系にはLED式の旅客案内装置を、321系・225系には液晶ディスプレイ (LCD) の案内装置をそれぞれ設置しており、自社宣伝・号車表示(207系をのぞく)・停車駅・次駅案内などを行っている。また、321系・225系ではLCDで広告WESTビジョンも表示している。321系・225系では車内のLCDを活用して、文字による運行情報を表示している。車内案内では通常、行先・次駅接近案内を行っている。ダイヤ乱れによる運用変更や表示不具合などの場合は次駅案内をせず、種別・行先のみを表示するか、JR西日本のロゴが表示される。アーバンネットワークの各駅では駅の利便性向上にも重点が置かれており、1997年のJR東西線の開業を機会に京阪神エリア全駅で自動改札機の本格導入を始め、磁気券の自動改札化を行った。1999年にストアードフェアシステム化してJスルーカードを導入、2003年からICカード「ICOCA」を導入している。さらに2006年から「PiTaPa」との相互利用を開始するなど他社ICカードとの相互利用も行い、利便性向上を進めている。なおICOCAの普及に伴い、Jスルーカードは2009年3月1日をもって自動改札機および自動精算機での利用を終了し、自動券売機での支払いにのみ使用可能となった。アーバンネットワークとICOCAの利用可能駅は完全に一致しておらず、一部の駅(草津線貴生川駅 - 柘植駅、関西本線柘植駅 - 加茂駅、和歌山線高田駅 - 和歌山駅、紀勢本線全駅、山陽本線相生駅 - 上郡駅など。逆にアーバンネットワーク外の北陸本線長浜駅 - 近江塩津駅、湖西線永原駅 - 近江塩津駅ではICOCA利用可能)では利用できない。また、大阪近郊区間とも完全に一致していない。なお、ICOCAについてはアーバンネットワーク外でも順次導入されている。車内で主に痴漢の迷惑行為を防止するために、2002年から関西で初めて女性専用車を導入している。指定の車両には緑色のステッカーとドア窓に小型の鏡ステッカー(外から見ると青)が貼付されていたが、2011年春に対象車両に貼付されているステッカーの色やデザインが緑から桃色基調のものに変更された。当初は4扉の車両に導入されていたが、2016年に登場した阪和線向け225系5100番台には女性専用車両のステッカーが貼り付けされており、同年7月1日の営業運転開始とともに3扉車への導入も開始された。ダイヤが乱れた時は女性専用車の設定をしない場合がある。女性専用車は2002年7月1日より、大阪環状線の平日の始発から9時までの周回列車および、学研都市線の平日の始発から9時までに京橋駅に到着する下り列車の最後部車両を女性専用車として試験的に導入し、同年10月1日から本格的に導入した。その後、同年12月2日からはJR京都線・JR神戸線・JR宝塚線などにも拡大して、平日の17時から21時までの時間帯についても女性専用車の設定を行い、2004年10月18日からは大和路線・和歌山線・阪和線にも導入した。さらに2011年4月18日からは、JRゆめ咲線にも女性専用車を導入するとともに、平日・休日にかかわらず毎日、始発から終電まで女性専用車が設定されるようになった。旅客の転落防止のため、一部の駅に可動式または固定式のホーム柵が設置されている。JR京都線・JR神戸線・阪和線の一部の駅には可動式ホーム柵が設置されており、停車列車がなく通過列車のみ走行する線路側ホームに設置しているため、通常使用時では開口部はないが、異常時などでの臨時停車の際には、駅係員の操作により手動でホーム柵を開閉できる。また、学研都市線京橋駅2番のりば・東寝屋川駅1番のりばにはホームの一部に、おおさか東線JR河内永和駅・JR長瀬駅ではホームすべてに固定式のホーム柵が設置されている。固定式のため常に開口部があり、停車した際にドアがある部分のみ柵がない。固定式ホーム柵やホームドアは、4ドア車・3ドア車などが混在するため設置が進んでおらず、全列車が4ドアの7両編成で運転されており、なおかつ天候によって列車のブレーキ性能が影響を受けにくいとされるJR東西線の北新地駅・大阪天満宮駅に設置されているほか、2017年春には同様の理由から大阪駅6・7番のりばへの設置が予定されている。なお、4ドア車・3ドア車の双方に対応できる新たなホーム柵として、2013年12月から2014年3月まで桜島駅において昇降式ホーム柵が試行された。これは、ロープが支柱に固定されて支柱そのものが昇降する仕込みで、2014年12月に六甲道駅で試験が行われた。このホーム柵は高槻駅の新設ホームに設置され、2016年3月26日のダイヤ改正から供用を開始した。夜間での客扱い中に、車掌がいる最後尾から最前部付近の乗降が確認しづらい状況を解消するため、一部の駅において、夜間視認性向上装置 (TC-PAC) が設置されている。乗降客が装置からの光源を遮ることにより、車掌に旅客の存在が分かる仕組みとなっている。アーバンネットワークの高密度線区を対象に、従来より高度な信号保安方式であるATS-P型の整備を進めている。なお、導入はすべての信号機にATS-P形の地上子を設ける全線P方式と、場内信号機・出発信号機および一部の閉塞信号機のみATS-P形の地上子を設けることで簡素化した拠点P方式の2つがある。アーバンネットワークでは、和歌山線・万葉まほろば線・赤穂線・北陸本線・和田岬線・関西本線・紀勢本線以外の線区にATS-P型が整備されている。利便性の向上および競合交通機関からの利用者の転移による利用者の拡大を見込んで、アーバンネットワークでは新駅の設置を進めている。以下、2004年以降のアーバンネットワークでの新駅開業状況を記す。今後、以下の線区・区間で新駅を開業する計画がある(開業予定は現時点で公表されているものを記載)。学研都市線京橋駅からJR宝塚線尼崎駅までの12.5kmを結ぶJR東西線が1997年3月8日に開通し、同線を介して関西文化学術研究都市のある京阪奈丘陵と三ノ宮・神戸方面や神戸三田国際公園都市がある北摂・北神地域の直通運転が開始された。梅田貨物駅周辺の大阪駅北地区は「都心に残された最後の一等地」として大規模な再開発が進んでおり、これに合わせて大阪駅の改良工事が進められた。工事は、橋上駅舎とホームを覆うドームの新設、コンコースとホームの改良などによるバリアフリー施設の整備、新北ビル(メインテナントは三越伊勢丹)の建設、アクティ大阪の増床などで、2011年5月4日にグランドオープンした(大阪2011年問題も参照)。また2012年10月には桜橋口の駅ナカ施設のリニューアル(エキマルシェ大阪)が完成している。新大阪駅ではおおさか東線整備事業に伴って改良工事が行われており、在来線改札口・コンコースの改良などが行われている。2014年3月にはコンコース内に大規模な駅ナカ施設(エキマルシェ新大阪)が一部完成した。天王寺駅では関西国際空港開港前後を境に改良工事が進み、阪和短絡線の新設(後述)と大和路線ホームの拡張、天王寺ミオの建設やステーションプラザてんのうじ(現在の天王寺ミオプラザ館)の改装・増床、駅ナカの充実などの工事が行われた。2010年以降も、あべのハルカスなど駅周辺の再開発事業と連携する形で中央口を中心に改良工事を行い、2012年11月にはコンコース内にコンビニとスイーツ販売との複合店舗(アントレマルシェ天王寺)が開業。天王寺ミオプラザ館の再改装工事も2013年3月に終了し、同月リニューアルオープンした。京都駅でも駅ビルの完成に合わせて1997年までに大規模な改良工事を行い、嵯峨野線・特急「はるか」、奈良線のホームの増設、近鉄京都駅との改札分離、駅舎橋上化に伴う自由通路の新設などを行った。1997年以降もさらなる改良工事が行われ、2007年には駅西側にビックカメラ京都店を開業させている。また2008年2月には自由通路の西側に「スバコ・ジェイアール京都伊勢丹」が開業し、大規模な駅ナカが完成した。そのほかの駅でも、構内の各種店舗開発など駅自体の集客能力の向上を進めている。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン (USJ) を核とした土地区画整理事業により安治川口駅 - 桜島駅間の線路移設工事を2001年3月に完了し、同時にユニバーサルシティ駅を開業させるとともに、公募により「JRゆめ咲線」の愛称が付けられた。また、一部を除き線内折り返しのみの運転から大阪環状線への直通運転を大幅に増発するなど USJ アクセスとしての輸送改善を行った。並走する近鉄京都線を意識しての大規模な輸送改善が行われた。京都駅 - JR藤森駅間と宇治駅 - 新田駅の複線化や駅改良・分岐器改良・信号設備の改良などで速達化やラッシュ時の増発や快速設定ができるようになり、2001年3月に工事を完了させた。また、宇治駅 - 新田駅間にJR小倉駅が開業した。これらの一連の輸送改善の資金は京都府の負担のウェイトが高い。なお、残る単線区間のうち、JR藤森駅 - 宇治駅間 (9.9km)、新田駅 - 城陽駅間 (2.1km)、山城多賀駅 - 玉水駅間 (2.0km) の3区間、合計約14kmが2023年春に複線化される予定とされており、これにより複線化率は23.6%から64.0%に向上する。関西文化学術研究都市へのアクセス改善として高速化と各種改良工事が行われた。松井山手駅 - 京田辺駅間で高速化が行われ、大住駅・京田辺駅の構内改良、JR三山木駅付近の線路移設および高架化が行われた。これにより列車の増発が可能になり、京橋方面から京田辺駅まで7両編成で運転できるようになった。さらに2010年3月までに京田辺駅 - 木津駅間の輸送改善工事で、同志社前駅 - 木津駅間でホーム延伸工事が行われたことにより全線で7両編成での運行が可能となったことにより、従来は京田辺駅で行われていた増解結作業を同年3月13日以降は解消している。1996年に二条駅 - 花園駅間の高架化、2000年に二条駅 - 花園駅間を複線化するなど、線路移設や部分的な複線化によって輸送改善を行ってきたが、さらなる輸送力の増強および慢性的な遅延を解消するため、京都駅 - 園部駅間の全線複線化工事および嵯峨嵐山駅・亀岡駅の改良工事と、同時に周辺道路の混雑解消と安全確保のために花園駅 - 嵯峨嵐山駅間の高架化工事が2003年から行われた。2008年12月14日のダイヤ改正をもって馬堀駅 - 亀岡駅間が複線化されて以来、工事の進捗に合わせて部分的に複線化されていたが、2010年3月13日のダイヤ改正時点をもって京都駅 - 園部駅間が全線複線化された。また、設備改良以外に老朽化した113系・115系は2010年3月13日のダイヤ改正で運用を離脱し、すべて221系・223系に置き換えられた。おおさか東線は、城東貨物線を利用してJR京都線の新大阪駅から大和路線久宝寺駅までの約20.3kmを整備して旅客列車を走らせる事業で大阪外環状鉄道により工事が行われていたが、2008年3月15日に大和路線久宝寺駅 - 学研都市線放出駅間 (9.2km) が部分開業し、途中に5駅が設置された。これにより、大和路線からおおさか東線・JR東西線経由で尼崎までの直通快速が運転されることになった。なお、計画当初では新大阪 - 放出間は2012年春の開業予定であったが、新大阪からさらに梅田貨物線を経由し、再開発が進められている梅田北ヤード地区に設けられる新駅(仮称北梅田駅)に乗り入れる計画に変更された。同区間は2021年春の開業を予定している。天王寺駅構内の関西本線と阪和線を結ぶ短絡線は1989年7月に完成以来、単線運転を行っていたが、関西本線との平面交差の解消と大阪環状線と阪和線の直通列車の増発を目的に複線化工事が行われ、2008年3月15日のダイヤ改正より供用を開始した。短絡線の複線化により、大阪環状線から阪和線への直通列車は16番のりばから15番のりばへと変更し、列車が増発された。また、短絡線の複線化に関連して新今宮駅では配線の変更も行われ、一部の列車が新今宮駅4番のりば着発となっている。踏切で交差する道路交通渋滞の解消や、鉄道線路による市街地分断の弊害をなくすため、連続立体交差事業が沿線自治体とともに進められている。以下に連続立体交差事業の供用開始時期を記す。運転本数の高密度化により、各駅で行っていた進路制御を大阪総合指令所にて一元管理し、列車の進路を自動制御する運行管理機能と、旅客に対して運転状況を自動的に案内する機能をもつ。関西空港線開業を控えた阪和線が1993年7月1日に導入したのを皮切りに、アーバンネットワークの一部線区で導入している。導入線区は以下の通り。2008年2月からJR東日本との提携で相互で運行情報(遅延など)を共有することを開始するとともに、JR東日本管内で実施されている「運行情報メールサービス」も利用可能になった。なおJR西日本の公式サイト「JRおでかけネット」ではさらに詳細に掲載されるほか、振替輸送の情報もあわせて掲載される。2013年3月1日より運行情報のエリアが細分化され、京阪神・和歌山(和歌山支社管内)・北近畿(福知山支社管内)・特急列車の別に掲載されている。
出典:wikipedia
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