『愛と誠』(あいとまこと)は、梶原一騎原作・ながやす巧作画の漫画(劇画)。1973年3・4合併号から1976年39号まで週刊少年マガジンに連載された。映画化、テレビドラマ化、ラジオドラマ化などもされている。冒頭にて、元インド首相ジャワハルラール・ネルーが娘(後の首相インディラ・ガンディー)へ宛てた手紙(『父が子に語る世界歴史』より)が引用されており、それに含まれる「愛」と「誠(誠実)」という言葉がタイトルの由来にもなっている。なお、この手紙の文章は、テレビドラマ版のオープニング・ナレーションとしても使用された。少年誌に連載された純愛物の先駆けとなり一世を風靡。ヒロイン・早乙女愛が幼き日の太賀誠を回想して語った「白馬の騎士」や、その早乙女愛への報われない愛を貫く優等生・岩清水弘のセリフ「きみのためなら死ねる」などが流行語になった。女優の早乙女愛は、この漫画が実写映画化された際の一般公募でデビューし、芸名もヒロインの名前から取られた。なお、漫画は全4部構成になっており、連載中に何度か小休止をはさんでいる。全175話のうち第74話全てと第12、35、55話の大部分を除いたほぼ全ての自筆原稿が現存しており、風塵社から1997年に「梶原一騎直筆原稿集『愛と誠』」(ISBN 4938733366)として発売された。梶原の自筆原稿は「あしたのジョー」の一部を除いてほとんどが消失しており、このケースは極めて希有な事例である。単行本は、雑誌連載中に講談社コミックス(KC)として順次発売され、最終的に全16巻が出版された。その後、講談社漫画文庫(全16巻)、KCスペシャル(全13巻)、KCデラックス(全10巻)などの形で再出版された。信州の蓼科高原で早乙女愛(さおとめ あい)が偶然出会った不良青年・太賀誠(たいが まこと)。彼は幼い頃、愛の命を救った時、額に大きな傷を負ったばかりでなく両親や自らの人生さえも壊れてしまう。その償いとして誠を東京の高校へ転入させ、更生させようとするが、傷を負わされた誠の怒りは強く、逆に暴力で学園を支配しようと企む。しかし愛の献身的な行為により、これを阻止されると誠は関東一の不良高校・花園実業へと転校する。愛、そして彼女を愛し陰から支える男・岩清水弘(いわしみず ひろし)も花園へ移り物語は新たな展開を示す。学園を支配する影の大番長・高原由紀(たかはら ゆき)、座王権太(ざおう ごんた)との対決、そして第3勢力の砂土谷峻(さどや しゅん)の登場。学園を舞台に誠と砂土谷の最後の対決が始まった。自分を捨てた母との悲しい再会ゆえに命を捨てて挑む誠の気迫に砂土谷は敗れた。束の間のやすらぎは長くは続かない。次は愛の父が汚職事件に巻き込まれ逮捕、母は実家に戻り、かつてない苦況に立たされる。単身事件の解決に乗り出す誠は得意の喧嘩殺法で事件の首謀者達を叩きのめした。やがて検察の手で黒幕の総理が逮捕され、全てが解決されたその時、再び姿を現した砂土谷のナイフが誠を貫く。負傷した体を引きずり愛の待つ海岸へ向かった誠は、最後の力をふり絞り愛を抱きしめ初めての口づけを交わす。太賀誠と早乙女愛にようやく訪れた幸福な時は、今訪れ、そして…終わった。『愛と誠』。1974年7月公開、松竹映画。『続・愛と誠』。1975年3月公開、松竹映画。『愛と誠・完結篇』。1976年9月公開、松竹映画。『愛と誠』は2012年6月16日公開の日本映画。第65回カンヌ国際映画祭ミッドナイトスクリーニング部門での正式招待作品。監督は『十三人の刺客』の三池崇史。主演は『悪人』の妻夫木聡。1970年代の日本歌謡曲のミュージカルナンバーやダンスを用いたミュージカル調の映画である。キャッチコピーは「天使が悪魔に恋をした」。2012年6月16、17日の初日2日間の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)は初登場第11位となっている。本作での演技により、安藤サクラが第37回報知映画賞助演女優賞と第34回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞している(どちらも『その夜の侍』での演技と合わせての受賞である)。1974年にドラマ化。東京12チャンネル(現:テレビ東京)で放映。主演の誠を演じる夏夕介は当時すでに24歳、対するヒロイン・早乙女愛を演じる池上季実子は当時まだ15歳だった。なお、池上は主題歌も歌った。映画版にはないケンカのシーンは本格的に制作されており、極真空手の動きを殺陣に取り入れていた。しかし、子供たちに悪影響を与えるとの抗議があり、さらにスタッフがギャラ未払いに対してストライキを行うという状況に陥ったため、半年で打ち切られた。東京ムービー製作によるテレビドラマは本作のみであるが、現場における下請製作は『電人ザボーガー』の友映がノンクレジットで担当していた。監督の中西源四郎は、『ザボーガー』で助監督から監督に昇進したのち本作品へ参加した。太賀誠、早乙女愛、岩清水弘には声優が起用されているが、担当声優はいずれも発表されていない。
出典:wikipedia
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