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ユーバーリンゲン空中衝突事故

ユーバーリンゲン空中衝突事故(ユーバーリンゲンくうちゅうしょうとつじこ、)とは、2002年7月1日の21時35分 UTC にバシキール航空2937便(機体:Tu-154M、乗客60人大半は子供と乗員9人が搭乗)とDHL611便(機体:ボーイング757-23APF、パイロット2人が搭乗)が、ドイツ南部にあるとの上空で衝突した事故である。両機に搭乗していた71人全員が死亡した。2004年5月19日に連邦航空機事故調査局 (BFU) は、この事故は事故当時これらの便を監視していたスイスの航空管制システムの欠陥とTCAS(航空機に搭載される衝突防止装置)の使用における曖昧性により発生したという結論を発表した。バシキール航空2937便はチャーター便だった。バシキール航空はバシコルトスタンの首都・ウファに本拠地を置く航空会社である。2937便には乗員9名(運航乗務員5名・客室乗務員4名)、乗客60名の計69名が搭乗していた。乗客の大半は選抜試験に合格した褒賞として、スペインへのツアーに招待されたウファ市内の小中学生及び引率の教師たちで、同国大統領府及び政府閣僚の子供たちも含まれていた。彼らはバルセロナで開催されるユネスコフェスティバルに参加した後、カタルーニャ地方のリゾート地で休暇を過ごす予定であった。報道によれば、45人は6月29日に陸路モスクワに到着し、同日中にバルセロナ行きの定期旅客機でスペインに向かうはずであったが、その便に乗り遅れてしまったため、急遽2937便をチャーターしてスペインに向かった。DHL611便は定期貨物便だった。晴天の夜の中、2937便はドイツ領空をほぼ真西(方位274度)で高度36,000フィート、611便はスイス領空をほぼ真北(方位004度)に高度32,000フィートで飛行していた。611便は事故の12分前、高度36,000フィートへ上昇したい旨を管制に要求し、8分50秒前には許可を得て36,000フィートに上昇した。両機はいわゆるコリジョンコースにあったが、この時点では両機の間には十分な間隔があった。611便は程なくドイツ領空に到達したが、ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州南部の当該空域はスイスの管制区域となっており、事故当日もチューリッヒにある民間航空管制会社であるスカイガイド社によって管制されていた。事故当時、スイス領空全域及びドイツ領空南部を管制していた管制官はただ一人だけであった。彼は当該空域の高高度空域及びドイツ南部のフリードリヒスハーフェン空港への進入管制を同時に担当していた。普段であれば、管制管轄域内で飛行機が異常接近したりした場合は警告が作動するはずであるが、この日は機器点検のため機能が大幅に限定されており、警告は無効となっていた。管制官はこの事実に気づかず、フリードリヒスハーフェンへの進入管制におよそ5分間掛かりっきりになった。衝突50秒前、2937便と611便の双方の空中衝突防止装置(TCAS)が他方の機影を捉えた。43秒前、管制官は611便と2937便とが同高度で非常に接近していることに気づき、2937便に「交錯する機があるので早急にフライト・レベル350へ降下せよ("The BTC2937, äh descend flight level äh...350, expedite, I have crossing traffic")」と指示した。36秒前、双方のTCASが警告を発し、611便には降下、2937便には上昇して回避するよう指示したが、2937便の乗員が管制の指示に応答しなかったため、29秒前に管制官は再度2937便に降下するよう指示した。2937便のTCASは上昇を指示していたが、2937便の乗員たちは管制官の指示が正しいものと信じて降下を開始し、611便の乗員たちはTCASを信じて直ちに降下を開始した。衝突18秒前、611便のTCASはさらに緊急度の高い指示である降下率増加("Increase descent")を発報し、611便はTCASに従った。この時、611便はTCASの作動により緊急降下中であることを管制に通報しようとしたが、衝突13秒前、管制官が2937便に対し、611便が2937便からみて2時の方向から飛来する旨の連絡を行ったため、611便の通報は管制官に伝わらなかった。このため管制官は、実際には611便と2937便の双方が降下していることに最後まで気づかなかった(乗員からの通報を受けない限り、TCASが作動しているか否かを管制が知ることはできない)。管制官は2937便が降下を開始した旨の通報を受け、衝突が回避されたものと信じ、衝突8秒前にフリードリヒスハーフェン空港の進入管制に戻った。611便の乗員は、衝突27秒前に2937便の航法灯を2時の方向に視認したが、2937便の乗員は、実際には611便が10時の方向から飛来したにも関わらず、管制が誤って2時の方向から飛来と告げたために右前方を10秒間近く注視しつづけ、衝突8秒前まで611便を視認することができなかった。衝突6.5秒前、2937便のTCASは上昇率増加("Increase Climb")を指示した。2937便は指示された高度35,000フィートを下回る高度まで高速で降下しており、衝突2.8秒前には操縦輪が機首上げ方向に一杯に引かれたが、午後11時36分32秒、611便と2937便はバーデン=ヴュルテンベルク州ユーバーリンゲンの上空高度34,890フィートで、611便の垂直尾翼が2937便の胴体を分断する形で空中衝突した。2937便は空中分解して墜落し、611便は衝突で方向舵を含む垂直尾翼の80パーセントを失い操縦不能に陥り、およそ2分間飛行を続けた後7km先の森林に70度以上の機首下げ姿勢で墜落した。双方の機ともに生存者はいなかった。事故発生当初、スイス領空全域とドイツ南部を管轄していたスカイガイド社は、管制官が職歴8年のベテランであることを述べ、事故の原因は管制の指示に速やかに従わなかった2937便にあると主張、スイス及びドイツ当局はさらに、2937便がチャーター機であった点を指摘し、現地の空域に不慣れであった可能性や英語による管制が負担であった可能性などを示唆した。マスコミも2937便にはTCASが搭載されていなかったのではないかと批判した(実際にはアメリカのハネウェル社製の最新型を装備していた)。それに対しロシア当局は、バシキール航空は頻繁にバルセロナ路線を運航していたこと、2937便の5名の乗員は皆経験豊富なベテランのパイロットで機長はパイロット経験22年目であったこと、Tu-154M型機が5年前に製造されたばかりの最新型であったという事実を発表し、事故原因はもっぱらスイス管制の不適切な指示であると主張した。事故調査の結果、管制していたスカイガイド社の設備に複数のトラブルが発生していた上に、管制上の規律違反が重なったため、結果的に事故が発生したことが判明した。当時、当直の管制官は2名だったが、内1人は休憩のために管制業務から離れており、2機を含む管轄空域の航空管制を1人だけで行っていた。これは本来違反であるが、スカイガイド社では長年の慣習となっており、上層部からも黙認されていた。さらに、チューリヒ航空管制センターの接近警報装置(コンフリクト・アラーム)が事故の約30分前から機器メンテナンスのため作動していなかった。また主電話回線網も調整のため電源が切られており、代わりの予備回線を使用していたが、事故とは無関係の遅延していた別の航空機であるアエロロイド航空1135便をフリードリヒスハーフェン管制塔に引き継ぐ操作が通信障害で失敗し、この復旧を試みている間に両機が接近したことが明らかになった。また、管制官は事故の45秒前まで、遅延していた1135便をフリードリヒスハーフェン空港に進入誘導していたが、これら管制システムの不具合のため時間を取られ、2機が衝突する危険に気付くのが遅れることになった。そのほか地上レーダーの不使用などが原因でレーダーシステムに航空機の機影が一時的に消えたり、位置が正確に表示されない不具合も発生していた。また、いずれの事故機にもTCASが装備されており、実際事故の36秒前に、611便には降下、2937便には上昇して他方を回避する旨の指示を正常に発報していたが、611便の乗員がTCASを信じて管制承認高度を離脱し降下を開始した一方で、2937便の乗員はTCASを無視し管制官が正しいものと信じて降下を開始したことが明らかになった。加えて、TCASの指示が出ていることを知る術は管制官にはなく、611便が無線で連絡しようとするも混信で失敗したために、管制官は、611便が管制承認高度36,000フィートを維持しているものと信じて2937便に緊急降下するよう指示し、611便と2937便が両方とも降下していることに最後まで気づかなかった。同様な事故として、前年の2001年1月31日に、羽田発那覇行きJAL907便(ボーイング747-400D型機、乗員乗客427名)と釜山発成田行きJAL958便(ダグラスDC-10-40型機、乗員乗客250名)が静岡県上空で空中衝突する寸前のニアミスが発生していた(日本航空機駿河湾上空ニアミス事故)。このニアミス事故も、管制が誤った指示を行った上に、片方のパイロットがTCASではなく管制を信じたために起きたものであった。この事故から日は経っていなかったが、611便と2937便の衝突事故当時も、TCASと管制のいずれを優先すべきかの国際的基準はなく、677名もの生命が危険にさらされたニアミス事故の教訓が役に立たなかった。事故後、スイスのレーダーの安全性を向上させるために早急な改善対策が出された。また管制官の指示とTCASの指示が矛盾した場合にはTCASに従うことが定められた。なお、スカイガイド社の大株主であるスイス政府は、後の備考でも触れている管制官が自宅前で刺殺された事を機に、事故の遺族に対する補償の用意がある事を表明をした。

出典:wikipedia

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