A129 マングスタ(A129 Mangusta)は、アグスタ社が開発した、イタリア初の本格的な攻撃ヘリコプターである。マングスタはイタリア語で動物「マングース」を意味する。これまでにコソボ、イラク、アフガニスタンなどの紛争地域に派遣されている。イタリア陸軍が1972年に発表した新世代攻撃ヘリコプター計画に基づいて、1978年3月からアグスタ社とローンチ社が開発を行った。1980年に機体の最終仕様がまとめられ、1982年11月30日に詳細設計作業が完了した。試作機は5機製作され、試作初号機は1983年9月11日に初飛行し、以後1984年7月1日に試作2号機、同年10月4日に試作3号機、1985年5月27日に試作4号機、1986年3月1日に試作5号機が初飛行している。イタリア陸軍では1987年末までに60機の調達を計画していたが、飛行試験でトラブルが続発して計画が大幅に遅延したため、量産機の引き渡しが開始されたのは1990年7月になってからだった。製造元のアグスタ社ではA129の輸出販売を行ってきていたが、マクドネル・ダグラス社(現ボーイング社)のAH-64 アパッチやユーロコプター社のティーガーと比べて設計が古く、性能的にも幾分見劣りするため、長らく海外での採用国は現れなかったが、2007年にトルコ陸軍がAH-1W スーパーコブラの後継機として採用し、51機が発注されている。機体には複合素材を多用し、胴体重量の約45%が炭素繊維強化プラスチックをはじめとする複合素材が占め、機体表面では約70%が複合素材となっている。また、メインローター・ブレードは、12.7mm弾の直撃にも耐えられる耐弾性を備えている。エンジンは、ロールス・ロイス製ジェムMk.2-1004D ターボシャフトエンジン2基を胴体上部側面の左右に各1機ずつ搭載し、離陸最大出力は657kW、連続最大出力は615kWで、片発停止の場合などには759kWの緊急出力が出せるほか、飛行が安定すれば704kWの片発時継続出力で飛行する。エンジンは胴体の中央両側面にポッド式で装備し、一度に2基とも被弾する可能性を避けている。コックピットは前後2席の配列で、前席に射手、後席には操縦士が着席する。飛行操縦装置にはデジタル式の多重システムが用いられ、操縦、航法、飛行管理、兵装制御、自動操縦、トランスミッション・モーター、エンジン状態、燃料/油圧/電気システム、警報/警戒システムを完全に統合している。対ミサイル防御用には、レーダー妨害装置、レーダー警戒装置、レーザー警戒装置、赤外線妨害装置、チャフ/フレア放出機などを装備する。固定武装はA129には搭載されず、A129CBTでは機首下部に20mm機関砲1門が装備される。機体側面のスタブウィングには片側2箇所のハードポイントがあり、対戦車ミサイルやロケット弾ポッドなどを装備できる。イタリア陸軍では当初、計画で60機の調達を予定していたが、これとは別に30機を索敵・対ヘリコプター攻撃機としての装備を計画した。しかし、国防予算削減の憂き目に遭い計画はキャンセルされ、代わりにマルチロール・タイプの開発が行われた。マルチロール・タイプでは主にメインローターが4枚から5枚に増やされ、機首下部にも機関砲ターレットが設置されたほか、AIM-92 スティンガー空対空ミサイルをスタブウィングに装備できるようにされている。このマルチロール・タイプは量産46号機から生産が切り替えられ、1999年からイタリア陸軍へ配備された。
出典:wikipedia
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