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本の巻・並びの巻

本の巻(ほんのまき)、並びの巻(ならびのまき)は、平安時代の王朝物語の中の複数巻にわたる作品に見られることがある、巻の分類・関係である。代表的な王朝物語である『源氏物語』のほか『うつほ物語』、『浜松中納言物語』などに見られる。並びの巻を単に並び(ならび)と呼ぶこともある。たとえば『源氏物語』では、帚木は本の巻であり、対応する並びの巻は空蝉、夕顔とされる。桐壺のように、並びの巻を持たない本の巻はあるが、並びの巻には、必ず対応する本の巻がある。本の巻、並びの巻という分類がなぜ存在するのかは、たとえば源氏物語の場合は鎌倉時代の早い時期には既に分からなくなっていた。並びの巻は、巻名目録や注釈書等の中で「並び」などとして明記されるほかに、「並びの巻」であると明記はされない場合でも、巻名目録においては「本の巻」と「並びの巻」を、といった形で区別して示されることによって明らかになる。源氏物語においては、以下に示す54帖中の18帖は、多くの資料に共通して「並びの巻」として記述されていることから共通して認められているといえる「並びの巻」であると考えられている。また上記以外に以下のような特定の資料にしか現れない「並びの巻」がいくつか存在する。更に、宇治十帖における並びの巻に関しては、いくつかの異なる記録が古い文献に見られる。源氏物語の巻序を見よ。なぜこのような「並びの巻」と呼ばれるものが存在するのかは明らかでなく、奥入(藤原定家)や弘安源氏論議なども並びの巻の存在を不審であるとしている。これについては古くからいくつかの説が存在する。並びの巻は、年立と関係して論じられることがある。河海抄では、並びの巻が時間軸を遡って先行する巻と同じ時間の出来事を描いているのか、それとも時間軸に沿って先行する巻に続く時間の出来事を描いているのかによって並びの巻を「縦の並び」と「横の並び」に分類した。このような時間軸との関係に基づいて並びの巻を分類することは年立についての原初的な考察と密接に絡み合っており、河海抄のような考え方が生まれたのは並びの巻の前後において時間軸を遡った叙述があると考えると合理的に理解できる場合があるからだと考えられているが、河海抄以後年立についての考察がより緻密になるに従って「並び」とされていない巻においても先行する巻より時間軸を遡った叙述がしばしば見られることなどが明らかになってきたため、河海抄が唱えた「並びの巻」を「縦の並び」と「横の並び」に分ける方法論は有効性を失っていった。一条兼良による体系的な年立(旧年立)が確立してからは、「並び」と「年立」とは別々に論じられるようになり、旧年立を改めた新年立を確立した本居宣長に至っては「並びとは意味のないことである」とまでいわれるようになっている。源氏物語の巻名には、いくつかの特定の巻についてのみ通常の巻名とは別の「異名」とされるものが存在する。寺本直彦は、源氏物語の巻名や巻序を記した文献において、ある文献ではある巻の異名とされる巻名が別の文献ではその巻の並びの巻とされていることがあるなど、並びと異名しばしば「接触」している状況が存在することを明らかにし、そこから現存する文献の範囲内ではそのような現象が認められない異名や並びの巻についても同じような可能性があるとして、「源氏物語の巻には、54帖からなる現在の巻序が確定する前には1巻にまとめて扱われたり、数巻に分けて扱われたりする、巻数として流動的な存在である巻がいくつかあった。源氏物語における巻名の異名とは、元々は別々の巻であったものが一つの巻になったときの統合された方の巻の名前が残った痕跡であり、並びの巻とはかつて一つの巻であったものが分割されたことの痕跡である。」とした。源氏物語以外にも、以下のような作品について「並びの巻」があるとされるが、その成立過程や位置付けが源氏物語における「並びの巻」と同じであるのかについてはさまざまな議論が存在する。『うつほ物語』は、20ほどの巻から構成される源氏物語よりも先に成立した前期王朝物語の一つであるにもかかわらず、首巻「としかげ」だけの写本でも最も古いもので室町時代後期のものしか確認されておらず、物語全巻にわたる写本になると最古のものでも江戸時代に入ってからの写本しか確認されていない。このうつほ物語の巻序には源氏物語と同様に「並びの巻」という術語を使用した巻序と使用しない巻序が存在する。このうつほ物語の巻序や巻名は伝本によって大きく異なっていることがしばしばあり、「並びの巻」とされるものについても「春日詣」を「忠こそ」の並び、「祭の使」を「嵯峨院」の並び、「菊の宴」を「吹上」の並びとするなど多くの諸伝本に共通する「並びの巻」も多いものの、伝本によって異なっている「並びの巻」も多い。『浜松中納言物語』は、後期王朝物語のひとつである。源氏物語やうつほ物語と異なって現存する伝本では各巻が固有の巻名を持たず巻序も記されていないことから、単に「一の巻」・「二の巻」などとのみ呼ばれている。この物語は平安時代後期には成立していたと考えられるが現存する伝本で江戸時代初期を遡るものはなく、また5巻だけが現存している伝本には大きな欠損があり、本来は現在の首巻の前に1ないし2つの巻があったかまたは現在の一の巻と二の巻との間に失われた巻が存在したと考えられている。源氏物語の注釈書である河海抄の「空蝉」の並びの巻を論じた「巻並事」において、「はま松の物語と云物にも並一帖あり(浜松中納言物語にも並びの巻が一帖ある)」、「浜松の並びも唐と日本との事を同時にならへてかけり是も横也(浜松中納言物語の並びも唐の国と日本と同じ時の出来事を描いているので横の並びである)」という趣旨の記述が存在することからこの物語に並びの巻が存在するとされていたことは明らかであるが、それが現存する巻同士の関係について述べたものなのか、それとも現存する巻と現存しない巻との関係について述べたものなのか、それとも現存しない巻同士の関係について述べたものであるのかも不明である。わが身にたどる姫君とは、鎌倉時代に成立した中世王朝物語の一つである。時間的に第五巻に並行する内容が描かれている第六巻について、金子元臣旧蔵・現国文学研究資料館蔵本では内題において巻名の横に「ならひ(並び)」と記されており、並びの巻の存在を認める立場があったと考えられる。室町時代に書かれたとされる源氏物語の補作である雲隠六帖は、全部で6帖から構成されるが第2巻以降の巣守、桜人、法の師、雲雀子、八橋は初巻である雲隠の並びの巻であるとされている。

出典:wikipedia

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