動悸(どうき)とは心臓の拍動が自分で感じられる状態を指す。動作時や貧血時にみられるが、基本的には自覚症状であり他覚症状ではない。「心臓がドキドキする」などと表現されるが、必ずしも心拍数が上昇しているわけではない。むしろ徐脈の時にも生じることがある。実際に1分間に100回以上の心拍数が計測される場合は頻脈とされ、病的なものとして扱われる。動悸がなぜ生じるのかに関しては2010年現在の科学でも明らかになっていない。本稿では動悸を「必要な心拍数と実際の心拍数の解離がみられる状態で生じる心臓の拍動が、自分で感じられる状態」と定義し、主に医学的な側面を記載する。動悸を起こす疾患は多岐におよび循環器疾患ならばどんなものでも動悸は起こりえる。またそれ以外の全身疾患でも起こることがある。一過性の動悸であるか持続性の動悸であるのかでマネジメントは大きく異なる。来院時に動悸が消失していれば一過性動悸と考え原因検索となるが持続する場合はバイタルサイン、心電図の計測を行い、ACLSアルゴリズムに従い不整脈をコントロールする必要がある。コントロール後に動悸の原因疾患を検索する。原因検索を行う上で有効な検査としては、問診、身体診察、心電図、血液検査、画像検査などがあげられる。問診で重要な事項としては動悸がいつ、どれ位生じたかであり、安静時か労作時に出現したのか、誘因はあるのか、頻度はどれくらい起こったのか持続時間はどれくらいあったのかなどがあげられる。既往歴としては動悸での病院受診歴、受けた検査、その他の基礎疾患が重要となる。家族歴の心臓病や突然死のエピソードも手掛かりになることは多い。社会歴としては職業、スポーツ歴、たばこ、酒、薬物歴、アレルギーの有無が重要となる。また発熱、胸痛といった随伴症状の有無を確認する。身体診察では眼瞼結膜の貧血、甲状腺腫大、心雑音、肺雑音、下腿浮腫の有無が重要である。心電図検査では脈拍数、リズム、その他の虚血性変化やQT延長、δ波の有無などを確認する。血液検査では甲状腺機能、凝固機能検査、CKやトロポニンTをはじめ一般的なものが調べられることが多い。動悸が持続したとしても洞調律であり徐脈または頻脈の場合は基礎疾患の治療のみを行う。洞調律の頻脈のみで致死的な疾患である可能性はかなり少ない。しかし洞調律では心拍数は150回/分以上にはならないのが一般的である。心拍数が150回/分以上の場合は不整脈があると考え、薬物療法を行う場合が多い。診断がついたら疾患に基づいたおのおのの治療が主に循環器内科にて行われる。症状が持続する徐脈の場合はACLS徐脈アルゴリズムに基づいて治療がおこなわれる。ここでいう徐脈は心拍数が60回/分未満あるいは臨床状態からみて不十分な場合をいう。発熱や低血圧など脈が速くなるべき状態で脈拍数が上がらない場合は臨床上徐脈として扱う。全身状態を把握し、循環動態が保たれていれば経過観察、循環動態が保たれていなければ経皮的ペーシングの準備をする。モビッツⅡ型房室ブロックや3度房室ブロックの場合は速やかに経皮的ペーシングを行う。ペーシングを待つ間はアトロピン0.5mgの静注を行う。最大量は3.0mgまでである。ペーシングを待つ間、またはペーシングが無効な場合はアドレナリンまたはドパミンの持続静注を行い、経静脈ペーシングなど専門治療を考慮する。症状が持続する頻脈の場合は場合はACLS頻拍アルゴリズムに基づいて治療がおこなわれる。まずはバイタルサインや全身状態から循環動態が保たれているか、保たれていないかを判断する。循環動態が保たれていなければ電気的除細動(カルジオバージョン)の使用を検討する。意識がある場合は鎮静薬を用いてでも電気的除細動を行うべきであり、決して遅らせたりはしない。循環動態が保たれていれば薬物療法を考慮する。薬物療法はnarrow QRSかwide QRSであるのか?あるいは規則的か非規則的かによって使用する薬物は異なる。特に重要な区別がnarrow QRSかwide QRSであるのかという点である。本来の刺激伝導系を伝導する場合は心室中隔から左室、右室へと均等に伝わるが心室性頻拍jの場合は左室または右室から伝導が始まるため偏りが生じ、伝導時間が長くなるためwide QRSになると考えられている。上室性不整脈にはジギタリスなどを用いることがあるが心室性不整脈ではリドカインなどが用いられることが多い。上室性不整脈薬は房室伝導を抑制するものが多いため、心室性不整脈の患者に上室性不整脈薬を投与すると悪影響を及ぼしショックや心肺停止になる可能性があるからである。そのため心電図にて上室性か心室性か不明な場合は心室性として扱う。narrow QRSであれば上室性であり、心室性頻拍であればwide QRSであるがこの命題の逆は正しくない。上室性頻脈でwide QRSとなる不整脈としては早期興奮症候群(WPW症候群)や完全脚ブロック、心室内変行伝導、Ⅰa型抗不整脈薬使用中の場合に認められる。原則として行うべきこととしては
出典:wikipedia
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