


オペアンプ(operational amplifier,オペレーショナル・アンプリファイア)は、非反転入力端子(+)と反転入力端子(-)と、一つの出力端子を備えた増幅器の電子回路モジュールである。日本語では演算増幅器という。OPアンプなどと書かれることもある。増幅回路、コンパレータ、積分回路、発振回路など様々な用途に応用可能である。オペアンプは二つの入力間の電位差によって動作する差動増幅回路で、裸電圧利得は10倍から10倍と非常に高く、負帰還回路と組み合わせて適切な利得と動作を設定して用いる。回路構成は一般的に、正負入力を持つ差動入力段、中間増幅段、負荷を駆動する出力段に分かれる。演算増幅器の名称は、かつて自動制御機能などを電子回路で実現する際、微積分・比較・加算・減算などをアナログ演算によって行うために開発されたことに由来する。なお、こうした演算回路を自由に組み合わせて接続し、各種リアルタイム演算ができるようにした装置をアナログコンピュータという。オペアンプは、モジュールとして考案された当初はトランジスタや真空管などの個別部品で構成され、のちに集積回路化された。オペアンプの差動入力は、非反転入力 (+) の"V" と 反転入力 (–) の "V" から成り立つ。また、理想的なオペアンプは"差動電圧入力"と呼ばれる2つの電圧のみで成り立つオペアンプの出力電圧"V"は以下の式となる。"A"は開ループ増幅器の利得である。(「開ループ」(open-loop)とは出力から入力へのフィードバックループが存在しない回路である)回路理論上は、「理想オペアンプ」と呼ばれる回路を想定する。実際には理想的な特性は実現できず、たとえば以下のような値になるこのほか、オペアンプが動作するため加える電源電圧を上回る入出力電圧は扱えない、入力電圧のオフセットがあり、温度により変化するなどの制約がある。しかし、こうした値が実現できれば、理想的な値からのずれを考慮しつつ所要の目的を得るように回路を設計することが可能である。オペアンプICは入出力の機能や、必要とする電源、ピン配置などのパッケージングを標準化したものが多いので、設計作業の効率化に役立つ。またオペアンプICは、複数のオペアンプ回路を内蔵したものも広く普及している。入力信号と出力信号の位相が同一である増幅回路。電圧増幅率は formula_4 で表される。アナログスイッチ等を用いて増幅率(利得)を外部から設定できるようにした回路をプログラマブル・ゲイン・アンプという。また、formula_5 として電圧増幅率を1とした回路をボルテージ・フォロワやユニティ・ゲイン・アンプと呼ぶ。入力信号に対して出力信号の位相が180°変化する増幅回路。電圧増幅率は formula_6で表され、絶対値として1倍未満にすることも可能である。入力電圧が常にグラウンド付近にあるため非反転増幅回路よりも特性が安定する。入力インピーダンスはほぼformula_7となる。位相や入力インピーダンスが問題にならない場合に用いられる事が多い。原則としてformula_8の条件で用いる。出力電圧はformula_9で表される。各入力にさらに非反転増幅回路(バッファアンプ)を設けた回路をインスツルメンテーション・アンプと呼び、計装用(工業用計測回路)に用いられる。電圧値の微分値を出力する回路。入力電圧formula_10に対して出力電圧はformula_11となる。実際には高周波のノイズ成分なども増幅されるため、出力波形の立ち下りを滑らかにする不完全微分回路を用いることが多い。電圧値の積分値を出力する回路。入力電圧formula_10に対して出力電圧はformula_13となる。実際には、基準となる時刻からの積分を求めるためコンデンサの電荷を放電するリセット回路を設けることが多い。複数の入力電圧を加算した値を出力する回路。入力電圧formula_14に対して出力電圧はformula_15となる。ただしオペアンプの最大出力電圧(定格)を超えることはできない。オペアンプのオープンループゲインが十分に大きいことと、前段の出力インピーダンスが十分に小さいことが必要条件。世界最初のモノリシックICオペアンプは1960年代にフェアチャイルドセミコンダクターから発表されたμA702である。その数年後に発表されたμA741は、セカンドソースや改良型を含めると30年以上にもわたって現役で使用されている。現在主に用いられているオペアンプICには次のような種類がある。さまざまな用途に使用できる汎用オペアンプのほか、特定の用途向けに改良されたオペアンプが開発されている。内部の差動増幅回路で入力段に用いられるトランジスタの種類により大きく3種に分けられる。さらに、それぞれ差動入力部のトランジスタの極性がNPN(FETならNチャネル)、PNP(FETならPチャネル)、あるいは両方の並列となっているものがあり、それぞれ入力電流の向きが異なる。オペアンプの回路タイプの違いで3種に分かれる。混同されやすいが、入力トランジスタの違いとは異なる。オペアンプが負帰還で安定して増幅動作をするためには高域での位相補償容量が必要である。この位相補償はボルテージ・フォロワ動作時(利得1倍)に最も多く必要となる。現在広く使われているオペアンプICのほとんどは、ボルテージ・フォロワでも安定動作が出来るだけの位相補償がなされている。しかし、補償容量を大きくすると周波数特性、スルーレートが犠牲になるため、高利得用途向けの品種など、限定位相補償として高速・広帯域とする代わりにある程度の閉ループ利得を持つ回路でのみ安定動作するものもある。また、補償容量を内蔵せず用途に応じて最適な補償容量を外付けして使う非補償オペアンプもある。外付け抵抗によりオフセット電圧の調整が可能なもの、過熱時に自動停止するもの、入力部に保護ダイオードを内蔵するもの、無信号時に消費電力を下げる機能のあるものなど、追加の機能が付いたオペアンプICが多数開発されている。入出力間の電圧には差動利得(オープンループゲイン)をformula_16として次のような関係がある。上記の関係を使って非反転増幅回路を計算する例を考える。formula_18の左から右へ流れる電流をformula_19とし、formula_20の右から左へ流れる電流をformula_21とする。この時オペアンプの入力インピーダンスは十分に大きく入力電流は無視し、出力インピーダンスは十分小さいとすると、以下の式が成り立つ。以上より入出力間の関係はまたオペアンプの入力電圧はとなる。formula_16がformula_30より十分大きければ、となる。上の式からわかることは、オペアンプの差動利得formula_16が大きい場合の回路の利得はオペアンプの利得に関係なく抵抗の比で決まること、またオペアンプの二つの入力電圧差は0となることである。つまり、と言えることになる。
出典:wikipedia
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