ジャン=リュック・ピカード()は、テレビドラマ、映画『スタートレック』シリーズに登場する架空の人物で、特に『新スタートレック』の中心的な人物である。パトリック・スチュワートが演じた。日本語版での声優は吉水慶、後に麦人が担当した。交代は吉水の引退によるものである。地球・フランス出身の地球人。2305年生まれ。惑星連邦の宇宙艦隊大佐(艦隊指揮大佐)、かつU.S.S.エンタープライズの艦長である。両親(モーリス、イヴェット)ともに既に亡くなっており、兄ロベールが地球の実家で妻と共に家業のワイン製造業を継いでいたが、2371年、火災によって兄ロベールとその子レネを失い、ピカードは大きなショックを受けた(『スタートレック ジェネレーションズ』)。レネは艦隊士官になりたがっていただけでなく、ピカード家の唯一の跡取りだったのである(TNG『(戦士の休息)』)。アカデミー時代は優等生ではあったが、自意識過剰で血の気が多く、ノーシカン人との私闘で心臓を刃物で貫かれたため、人工心臓を移植された。アカデミー時代のニックネームは「ジョニー」。実は宇宙艦隊アカデミー受験に一度失敗しているが、その事はウェスリー・クラッシャーにしか話していないようである。副長を務めたU.S.S.スターゲイザーで当時の艦長の殉職を機に後継の艦長として28歳で就任した。以来長く同艦を率いたが、2355年にフェレンギ人と交戦したマクシアの戦いで艦は甚大な被害を受け、同艦は放棄された。その時の作戦は「ピカード戦術(ピカード・マニューバー)」として宇宙艦隊アカデミーの教科書にも載っている。その後、エンタープライズDの艦長に就任。クリンゴン帝国総裁の後継争いに巻き込まれた結果、当時のクリンゴン最高評議会の総裁クンペックや、その次に総裁となったガウロンといったクリンゴン帝国の中枢メンバーに貸しを作ったためクリンゴン帝国に顔が利くようになり、後にクリンゴンのバード・オブ・プレイを借りる時などにそのコネクションを最大限利用した。部下であるウォーフのために弁護人(チャディッチ)を務めたこともある。これらはピカード自身が翻訳機無しでクリンゴン語を話すことができ、クリンゴン文化に詳しいために成し遂げられたことであり、彼の外交官としての有能さを示すものである。ボーグとの初遭遇はQによってもたらされたが、その戦略的知識や交渉能力が地球侵攻に必要と判断したボーグは、太陽系へ進む途中でエンタープライズDとの再度の交戦時にピカードを拉致、同化し、ロキュータス(Locutus)の名を与え、ボーグの「声」として同胞と対峙させた。その結果、宇宙艦隊の40隻近い船団が壊滅的な打撃を受けた(ウルフ359の戦い)。この事実はピカード本人の大きなトラウマとなっただけでなく、後にディープ・スペース・ナインの司令官に任命されることになるベンジャミン・シスコの運命にも大きな影響を与えた(シスコの妻が死亡した)ため、シスコはピカードを良く思っていない。しかしながら、ピカードがこの苦い経験によってボーグの戦略的情報を入手できたことは、2373年、ボーグの再度の侵攻を食い止めるのに役立った(『スタートレック ファーストコンタクト』)。また、カーデシア人に捕縛されて激烈な拷問を受けたこともある。趣味は乗馬で、自分の鞍まで艦内に持ち込んでいる。宇宙考古学・哲学・歴史・芸術などにも造詣が深く、よくウィリアム・ライカーやウェスリー・クラッシャーに「宇宙考古学を勉強したまえ」などと言う。艦長室の水槽ではリビングストンと名づけたミノカサゴを飼っている。好きな飲み物は熱いアールグレイ・ティーで、自分でエンタープライズのレプリケーターにプログラムしたほどである。時折、実家の農園産の「Chateau Picard」ワインを飲む姿も見られる。ホロデッキでは架空の探偵ディクソン・ヒル役、あるいはシェークスピア劇を好んで演じ、データ少佐に芝居のアドバイスをした事もある。読書はPADD(パッド、連邦艦隊のタブレット端末)ではなく、古典的なハードカバー本を好む。テン・フォワード(艦内のバー)で時折開催される演奏会にはレッシカン・フルートで参加する。苦手なものは俗にカワイイと言われるような小動物・子ども、そして天敵?のQ。最大の難敵はディアナの母ラクサナ・トロイである。上陸任務を好む(もっとも、艦隊規則では基本的に艦長が上陸任務を行うのは禁止されている)。短距離ワープによって敵艦を幻惑する「ピカード・マニューバー」を編み出すなど、冷静沈着で名指揮官と名高いが、頑固で融通の利かない所もある。ロミュラン帝国潜入の際にヴァルカン大使のスポックをして「人間にしては非常にヴァルカン的だ」と言わしめた。父モーリスは厳格な人物、兄ロベールは頑固な宇宙嫌いでピカードと仲が悪い(ただし、これは愛情の裏返しで、帰郷時の殴り合いの喧嘩も全ては弟の心中を察しての事)。厳格で頑固なのはピカード家の血筋であるとのロベールの妻マリーの言もある。それに、兄も禿頭なのでそれもピカード家の遺伝かも知れない。ピカードの禿頭は作品内でもたびたびネタにされる。独身で通してきたが、親密な仲になった女性がいなかったわけではない。「一筋縄ではいかない」タイプの女性を好む傾向があるらしく、例としては歴史家のバッシュや天体観測チームのダレン少佐らが挙げられるが、いずれの場合もピカードの艦長としての美学や責任感が交際の障害になり、別れることになった。ビバリー・クラッシャーとは友達以上恋人未満的な関係である。上記のストイックな傾向が災いし、ライカーにライサ星に行かされた時には辟易していた。データ少佐は、人間に近づこうとするモデルの筆頭にピカードを挙げ、本人を慌てさせた。年齢と実績の為に、何度も提督への昇進を打診され、宇宙艦隊アカデミーの校長ポストまで提示されたこともあるが辞退している。どうやら、現場に留まるために昇進を拒んでいるらしく、ジェームズ・T・カークが「昇進なんて、するもんじゃない」と言った際にも特に反論はしなかった(『スタートレック ジェネレーションズ』)。同年代には提督や艦長(大佐)が多く、上官である提督にもファーストネームで呼べるぐらいの友達がいる。ピカードよりも若く、艦長としても後輩であったキャスリン・ジェインウェイがデルタ宇宙域からの帰還後にいちはやく提督に昇進したのと対照的である。ちなみに、異星人の子どもがライカーに見せた幻影の中ではピカードは白髪で白髭を蓄えた提督として登場した。強情、折れにくく不屈の精神を持っている。席から立ち上がるときに見せる制服の弛みを伸ばす仕草はそうした性格の現れとも見える。戦闘、交渉ともに長けているが、本人は外交が主体の任務は好きではないらしく、「我々は探検家のつもりなんだがなぁ」と、こぼすこともある。自分の鞍を艦内に常備してあるのは「いつ、どこで乗馬のチャンスがあるかわからない」からだが、実際には休暇を取らないことで艦内では有名である。以上のように、フランス人であるはずなのに、アールグレイティー、馬術、シェイクスピア劇、リビングストン、探偵ごっこ、考古学と、イギリス人のステレオタイプっぽい趣味・嗜好が顕著である。エンタープライズに乗り組んでいる主な士官たちの中で、なぜかピカードだけはポーカー・ゲームに参加しなかったが、TNGの最終回でようやく参加した。他の『スタートレック』作品の主人公と最も多く共演している。特に断りがない限り、映像作品における設定である。
出典:wikipedia
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