キハ150形気動車(キハ150がたきどうしゃ)は、北海道旅客鉄道(JR北海道)が1993年(平成5年)から運用する一般形気動車である。積雪急勾配線区における単行運転を考慮して開発された、高出力機関装備の両運転台式気動車である。JR北海道が国鉄分割民営化の際に継承した、地方ローカル線用の車両のうち、キハ22形・キハ56系などは経年30年を超えていた。またキハ22形・キハ40形は単行運転可能なものの出力不足のため、冬季積雪時の排雪運転では閑散線区においても2両編成が必須となるなどの問題があった。これらを解決するために開発された一般形気動車が本形式である。高出力機関を搭載して動力性能を向上し、北海道の一般形気動車で初めて冷房装置を搭載する(0番台のみ)など接客設備の改善もなされたほか、ワンマン運転設備の搭載、JR東日本キハ110系をベースとした車体構造、バス用汎用部品の採用など製造コスト削減も考慮された。本形式は1995年までに27両が富士重工業で製造された。旭川運転所・苗穂運転所・苫小牧運転所の各所に配置され、地域輸送に使用されている。車体は普通鋼製で、全長は20m級、客用扉は片開き式のものを片側2か所に設ける。車体の前後に運転台をもつ両運転台式で、1両単位での運用が可能である。前照灯は正面上部の左右および正面中位の左右に4灯を装備する。これは冬季の降雪時に視界を確保するためで、標識灯は正面上位、貫通扉の真上に配置する。警笛は電子式と空気式を併用する。外部塗色はJR北海道の一般形気動車標準の配色で、白色の車体全周にスカイブルーと萌黄色の帯を配するが、一部の車両は配色が異なる。座席は客用扉の隣接部をロングシートとしたセミクロスシートで、クロスシート部は1+2列の配置である。0番台では冷房装置を搭載する。循環式汚物処理装置付のトイレを出入口付近に設け、隣接して車椅子スペースを備える。運賃箱など、ワンマン運転用の各種設備も製造当初より装備する。2015年頃に側面の行き先表示が幕式からLED式になっている。従来の北海道向け車両では客室と出入台との間に仕切り扉を設けていたが、本形式ではこれに代わる寒冷対策として、座席の客用扉隣接部に樹脂製の袖仕切りを設け、客用扉は押ボタン式の半自動ドアとして、開放時間を最小限にできるようにしている。他の酷寒地対応として、機関始動および暖房用の機関予熱器(容量30000kcal/h)を装備するほか、燃料タンクは500Lを2個装備として大容量化している。駆動機関はコマツ製の過給器・吸気冷却器付の直噴式ディーゼル機関N-KDMF15HZ形(SA6D140-H・定格出力450ps/2000rpm・最大トルク173kgm/1400rpm 水平直列6気筒・総排気量15240cc)を1基装備する。450psの定格出力はキハ40形 (DMF15HSA・220ps) の2倍強、2台機関搭載のキハ56形 (DMH17H・180ps×2) をも上回る。液体変速機は湿式多板クラッチによる変速1段・直結2段式のN-DW14C形で、コンバータブレーキの機能をもち、下り勾配での抑速装置として機関本体の機関ブレーキと併用できる。台車は空気バネ付のボルスタレス台車 N-DT150形(動台車)/N-TR150形(付随台車)で、牽引力確保のため2軸駆動としている。軸箱支持機構は積層ゴムを用い、車輪踏面片押し式の基礎ブレーキ装置を備える。空気ブレーキはキハ40形などと共通の3圧式制御弁をもつCLE方式(応荷重装置付電磁自動空気ブレーキ)である。これらの駆動系改良により、最高速度110km/hでの走行が可能である。一方で、放熱器・燃料タンクなどの補機類にはバス用などの自動車用部品・汎用部品を用い、製造コスト削減を図っている。本形式はキハ40形などの従来形式とブレーキシステムの互換性があり、混結しての運用も可能である。車両間を電気的に接続するジャンパ栓は正面の片側にのみ設けられ(片渡り)、本形式同士を連結する際は、必ず各車の向きを同一方向に揃える必要がある。基本番台は、10両(1 - 10)が旭川運転所に、7両(11 - 17)が苗穂運転所に配置。100番台は、全車が苫小牧運転所に配置。それぞれ以下の区間で使用されている。空気バネ圧制御式車体傾斜装置の試験車として本形式が使用された。1996年(平成8年)頃から試験を行い、後のキハ201系で実用化されている。
出典:wikipedia
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