ハシビロコウ(嘴広鸛、学名:"Balaeniceps rex")は、ペリカン目ハシビロコウ科の鳥類の一種である。本種のみでハシビロコウ科を形成する(1属1種)。エチオピア区の南スーダンからザンビアにかけての湿地に分布する。1997年には12,000-15,000羽が生息していたが、生息地の破壊等により、近年は5,000-8,000羽にまで減少している。IUCNのレッドリストでは絶滅危惧II類に指定されており、ワシントン条約によって国際取引が規制されている。大型の鳥類で、頭頂までの高さは110-140センチメートル、中には152センチメートルに達するものもある。全長100-140センチメートル。翼開長230-260センチメートル。体重4-7キログラム。オスは平均5.6キログラムと、メス(平均4.9キログラム)よりも大きい。脚は長く、跗蹠長21.7-25.5センチメートル。中趾は長さ16.8-18.5センチメートル。羽毛は、青みがかった灰色。巨大なくちばしを持ち、くちばしには淡黄色に不規則な灰色の模様がある。嘴峰長18.8-24センチメートル。和名は「嘴(くちばし)の広いコウノトリ」、英名の Shoebill は「靴のような嘴」を意味している。また、学名はラテン語で「クジラ頭の王様」という意味。ゆったりとした動きで、しばしば彫像のように動きを止めるため、「動かない鳥」として知られる。獲物を狙うときはじっとして動かず、これは大きな図体で動き回り魚に警戒感を起こさせることを避けるためと考えられる。大型のハイギョなどを好み、ハイギョが空気を吸いに水面に浮かび上がる隙を見て、素早くくちばしで捕まえ丸呑みする。消化には数時間を要し、その作業にそれなりのエネルギーが費やされる。時たま、カバが水中にいる際に魚を水面に追いやることがあり、その行動が期せずして、餌を獲ろうと水辺に立つハシビロコウのためになることがある。食性は主に魚食性で、ハイギョの他、ポリプテルス・セネガルス、ティラピア、ナマズなどを食べる。カエル、水棲のヘビ、ナイルオオトカゲ、ワニの子供など、湿地に住む脊椎動物を食べることもある。羽ばたきの回数は1分間に150回と、鳥類の中では非常にゆっくりとしている。長い飛翔は稀だが、興奮した際には、元いた場所から100-500メートルほど飛ぶこともある。基本的には単独行動を好む。また、性格が攻撃的であり、動物園などでは一つの鳥舎に複数の個体を入れておくと、互いに激しくつつき合って喧嘩をする。さらに、人間による飼育期間が長くなるほど、攻撃性が高まる傾向がある。このため、人の手による繁殖は非常に難しく、世界的にも手詰まりの状態にある。近縁種のコウノトリと同じくめったに鳴かず、クラッタリングという行為をする。くちばしをたたき合わせるように激しく開閉して音を出す行動で、ディスプレイや仲間との合図に用いられる。また、首を振りおじぎをする様は相手に対する親愛を意味しているという。実際の寿命は解明されていないが、高齢になるに従い瞳の色が金から青に変化する。伊豆シャボテン公園で飼育されているオスの「ビル」は、進化生物学研究所において約10年飼育された後、1981年に来園し、推定年齢43歳以上(2013年時点)と国内で最も長寿のハシビロコウ。国内で唯一放し飼いにされている。ハシビロコウの分類には諸説あったが、伝統的にはコウノトリ目の下位に分類されることが多い。しかし、近年のDNA分析による分類ではペリカン類に近いことが分かってきた。その他、サギ類に近いという説もある。
出典:wikipedia
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