『機甲戦記ドラグナー』(きこうせんきドラグナー)は、1987年(昭和62年)2月7日から1988年(昭和63年)1月30日まで名古屋テレビ・テレビ朝日系で毎週土曜日17:30 - 18:00に全48話が放送された、サンライズ(制作当初:日本サンライズ)制作のロボットアニメ。本作は前述の放送枠にて富野由悠季が、『戦闘メカ ザブングル』から『機動戦士ガンダムΖΖ』までの5年間にわたり務めた総監督を、『銀河漂流バイファム』の神田武幸へ譲った。『ΖΖ』に引き続き、バンダイが企画・スポンサー・商品化を担当している。本作のコンセプトは「ガンダムをリニューアルする」ということである。ここに神田発案の「バイファムの主要キャラ少年少女13人より、ちょっと上の年齢の新兵の話をやりたい」という要素が追加され、本作の方向性が決まった。バンダイは技術革新による、多色同時射出成形とポリキャップを盛り込んだプラモデルの販売を企図し、本作の登場ロボットはその意向を盛り込んだデザインになっている。上記の理由から、両者には共通する点がいくつか見られる。代表的なものとしてなどがある。その他ガンダムをベースに、より一層リアルに近づけたものになっている。作品タイトル(=主役メカ名称)が決定する以前、速報的に毎号情報を掲載していたバンダイの『模型情報』では『キャバリアー戦記グランダスト』の仮題で発表されたが、翌月には『亜空戦記グランダルス』と紹介され、その翌月にはまた別の仮題を掲載という状態が続き、他誌でも『亜空戦記スティルバー』と紹介されるなどしていた。これはタイトル決定が二転三転していたわけではなく、意図的に情報を撹乱する手法であったためであり、同時期に放映中だった他社制作アニメと紛らわしいネーミングであった。ガンダムZZを踏襲してレギュラー登場人物たちのセリフの掛け合いや作劇をコメディ調で描写し、意外なキャラクター同士を恋愛関係にしたりといった、パターン破りの作劇を試みている。バイファムと監督が同一であることもあり、試行錯誤の仕方が本作でも同一である。また前期オープニングに登場するドラグナー1型は、原画を担当した大張正己により大幅にアレンジがされていたが、第14話からは数カットが元デザインに近いものへ差し替えられている。しかし、このアレンジ版ドラグナー1型は当時のマニアから「バリグナー」という通称が付けられ、定番の呼び名となった。後にこのアレンジ版への換装キットがB-CLUBからガレージキットとして発売され、その後はさらに「魂SPEC」などからバリグナーデザインで完成品が発売されるなどしている。敵キャラクターであるプラクティーズを主とした展開に変更する等、様々な新要素を取り入れたものの、全体的な印象つまりデザインや内容はガンダムシリーズを踏襲した劣化版的なものにとどまり、キャラやメカや道具の各デザインが意図的に地味で、作画や演出の不安定さや人材由来の古さからコミカル演出や戦闘描写もインパクトが薄く、当時の視聴者から目立った反響や消費を得ることはできなかった。版権商品の売れ行き不調もあり、中盤から路線変更し「生身での修行の結果、銃弾をかわせるようになる」といった漫画的描写も取り入れられた。この時期にサブキャラクターデザイナーとして、バイファムのキャラクターデザイナー芦田豊雄、音楽担当に超時空要塞マクロスの羽田健太郎が途中参加している。後期オープニングは、主題歌の歌唱を1987年当時アイドル歌手であった山瀬まみが、作画を大森英敏が担当している。この土曜夕方の放送時間帯では、機動戦士ガンダムが発端となり、その翌年の合体変形ロボ路線の無敵ロボ トライダーG7と最強ロボ ダイオージャをはさんで、その翌年の『戦闘メカ ザブングル』以来ずっと日本サンライズによるリアルロボット路線が続いていたが(なお放映順にザンボット3、ダイターン3、ガンダムとも同監督作品で、ザブングル以降も同様)、本作でサンライズのリアルロボット作品の連作は一旦終了し、同時間帯は他ジャンルの、それもサンライズ以外の制作によるアニメ作品が放映されるようになった。また本作以後、サンライズはリアルロボットアニメ作品制作に消極的となり、制作作品数は減少した。後年もビデオテープソフト化はされず、後にLDで発売されているが、DVDの爆発的普及期と発売が重なったため販売は奮わず、ほどなくして廃盤となっている。しかし、2001年に発売されたシミュレーションRPG『スーパーロボット大戦A』に登場したことをきっかけに以降『スーパーロボット大戦シリーズ』に登場。そのほか、リアルロボット系アクションゲーム『A.C.E.』、『リアルロボッツファイナルアタック』にも登場。これらによって人気が再燃し、2005年冬にはDVD-BOXが発売されるに至った。舞台は西暦2087年。月に誕生した軍事政権による統一国家「ギガノス帝国」が地球の統一連合「地球連合」に対して一方的に独立を宣言し、宣戦を布告。戦火はスペースコロニーと地球本土に拡大し、月面のマスドライバーやメタルアーマー (MA) などの兵器によって、地上の7割はギガノスに占拠されていた。そんな中、スペースコロニー「アルカード」の住人である主人公・ケーン・ワカバ、タップ・オセアノ、ライト・ニューマンの3人は、コロニー内で敵・ギガノス帝国軍に追尾される最中のなりゆきで新開発メタルアーマー「D兵器」(ドラグナー)に乗り込んでしまい、正規パイロットとして制御コンピュータに生体認証され、そのまま操縦して敵追撃部隊を撃破する。これにより連合軍のパイロット候補者が台無しになり交代も不可能となったことで、彼らは連合軍に徴用され、ギガノス帝国軍と戦いながら地球上の連合軍本部を目指すことになる。上記4曲を2曲ずつ収録したEPレコードは、共にキングレコードから発売された(第26話までのOPとED、第27話以降のOPとEDを収録したものである)。放送当時のキャラクター商品はガンダムシリーズ同様、バンダイのプラモデルが主力であった。初期のMAは1/144スケールで大半がキット化されており、価格も400円から500円と手頃なものだった。主役機DシリーズにはBB弾発射ギミックを組み込んだオプション武器がついており、後のリフター装備版はこのパーツを除くことで同じ価格を維持している。説明書にはバリエーション機体のイラストが掲載されていた。このシリーズで特筆されるのは、D-1のストライプカラーリングを素組みの状態で再現するため、白色成型パーツに青と赤のプラスチックを鋳込むという、システムインジェクションを1パーツ内で導入したことである。また、従来のデカールに替わり極薄のシールが採用され塗装なしに設定に近い色分けを再現できるように工夫されるなど、初心者でも手軽に組める工夫が随所に盛り込まれていた。この他、初代ガンダムシリーズ以来の「武器セット」も発売された。箱のシリーズNoを切り抜いて集めて送ると、金色に塗られたD-1がもらえるキャンペーンもあった。後期に登場するMAはプラモデルとしての発売はされなかったが、キャバリアー0等、ガレージキットで発売されたものもある。また、前期オープニングで大張正己によるデフォルメ版D-1を1/144キットとパーツ交換することで再現する換装セットが、Bクラブから発売されている。しかし、設定との差異をアピールした頭部と肩、そして開いた手のパーツのみという商品構成であり、設定とシルエットの異なる足に関しては換装パーツがなかったため、この商品でも中途半端な形でしか再現できなかった。1/100スケールではD-1カスタムのみ発売される。こちらも1/144と同仕様のシステムインジェクションや、半完成のフレームに外装パーツを取り付ける構成等、これらの経験が後のガンプラに受け継がれた要素が多数ある意欲的なプラモデルであった。数度の再発売が行われているが、近年は2008年にギガノス軍MAも含めて販売された。主役機Dシリーズはリフター装備版のみの販売が行われた。しかし、諸事情により放送当時よりも値上がりしている。2006年の静岡ホビーショーでは、バンダイの新シリーズリアルロボットレボリューションの候補として参考展示されていた。玩具サイドの話としては、2007年後期に魂SPECにてまずD-1が2種類のバージョンで発売されている。10月に『オープニング・シルエット』と名付けられたバージョンが発売された。これは前期OPの大張バージョンで、リフターも付属している。続いて12月に設定バージョンのD-1とキャバリアーがセットになったバージョンを発売。こちらにも設定版のリフターが付属されている。このバージョンでは武器が追加され、さらにキャバリアーが一般モデルで商品化された。過去にもガレージキットで発売はされていたが、一般モデル化はされていなかったものである。このキャバリアーはオープニング・シルエットバージョンにも装着可能である。両方とも基本フレームはほぼ同じものを使用しているが、外見は大幅に違う。その後同ブランド魂SPECにてファルゲンも発売されている。2010年以後はメーカー直接の通信販売方式の魂web商店限定でシリーズは継続。大張アレンジバージョンのデザインでD-2(リフター)、D-3(リフター)、2011年にドラグーン、更に2012年にD-1カスタム(可動を優先させたためドラグーンまで続いた基本フレームが廃止された)とリリースされた。2014年には同じく魂web商店通販限定で、魂SPECギルガザムネ(ドルチェノフ機)を発売。そして、同年9月27日にD-1カスタムのROBOT魂版が一般販売される。基本的にはデザイン、ギミックも発売済みの魂SPEC版を踏襲しているが、廉価版なため一部がオミットされている(ちなみに、ROBOT魂ドラグナーは先述した魂SPECギルガザムネとの劇中イメージサイズにあわせた面があることを開発者が語っている)。ROBOT魂での「ドラグナー」の商品展開は大張デザインアレンジバージョンで以後も続き、2015年2月にD-2カスタムが一般販売、魂web商店でD-3(リフター)、スターク・ダイン、ファルゲンを受注販売した(D-2カスタム、D-3(リフター)は既発のD-1カスタムから金型流用したため、D-2カスタムは特に本来のイメージと違い細身になっている)園田英樹によるノベライズ版が、角川書店より角川スニーカー文庫として出版された。巻末には永井豪が解説を寄稿している。単行本化されていないが、『コミックボンボン』に連載されていたコミカライズ版が存在する。神田正宏による約半年の連載。当初はアニメ版に準拠したストーリー展開をしているが、途中からオリジナル展開となり、D-1カスタムが登場したところで連載が終了している。オリジナル要素としては、ラング・プラートの宿敵であるハグラー教授が開発した、本来「ドラグナー」として採用されるはずだったMA「ゲルニカ」をマイヨが操り、ナイフのみのD-1でケーンと一騎討ちするほか、ギガノスの特殊工作員ピンク・J・フォックスがドラグナーのパイロット登録解除を行ってケーン達を混乱させるも、後にドラグーンの開発に携わり、実戦投入された際にはドラグーン隊の隊長として参戦するなど、特筆すべき要素が多い。ツクダホビーのボードゲーム(『D-WEAPON D-ウェポン』- 戦術級・『METAL ARMOR メタルアーマー』- 戦術級)以外、本作単独のゲームタイトルは存在しないが、前述のようにバンプレストの『スーパーロボット大戦シリーズ』に登場したことが、本作がDVD-BOX発売にまで至る大きな要因となった。『スーパーロボット大戦シリーズ』以外には『Another Century's Episode』シリーズへの登場が挙げられる。3作目の『ACE3 THE FINAL』には、大河原邦男デザインの新MA「ファルゲンカスタム」が登場するなど、作品終了20年経過後に新しい動きがあるという珍現象が起きている。『サンライズ英雄譚2』ではギルガザムネがグン・ジェム機の他、グン・ジェム隊四天王機も登場する(カラーリングは四天王それぞれ別)。なお、量産機のカラーリングは白色になっている。
出典:wikipedia
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