スポーツチャンバラとは、1971年、田邊哲人によって始められた。日本において遊戯として存在したチャンバラごっこと小太刀護身道を基にし、エアーソフト剣という武器とアクリル製の面という防具によって安全性を確保した競技である。略称はスポチャン。 遊び道具として現代のようなテレビゲームが存在しなかった頃、友人達と遊ぶ遊びとしてチャンバラごっこがあった。男の子も女の子もみな、棒きれを探してきては剣に見立て、それでよくチャンバラごっこをしていた。しかし、時代は進み次第に「危険だ」「怪我をする」などと言われるようになるとともに、遊びも近代化して行きチャンバラごっこをする子供は少なくなった。 そのような背景の中、1971年に田邊哲人により、より安全に、しかも健康的に、という観点から、小太刀護身道を基にルールや用具の開発が進められた。現在においても、進化し続けている。 ルールはいたって簡単で、十分な威力で相手の身体のどこでも良いので剣で叩く(斬る)というのである。つまり、「どこを打ってもよいが、どこを打たれてもいけない」。 1人対1人で行う「対戦」から、1人対多人数、多人数対多人数といった多人数対戦の「乱戦」、より人数を増やして30人対30人や50人対50人の「合戦」といった対戦方式もある。また、より遊び心を付け加えた30人程度で行い、周りにいる全員が敵と想定し戦う「サバイバル」(=バトルロイヤル)がある。 用具は、面と剣、楯があり、剣は安全と公平さを期すため、全世界共通のエアー(空気)を使うエアーソフト剣。面は透明アクリル製フェイス、目や耳といった、衝撃に弱い部位を保護するように作られている。また、得物(武器)にも色々種類があり、短刀・小太刀・長剣・杖・棒・槍と、自分の好みのものを選ぶことが出来る。 これらの得物を使い、各種目ごとに分かれて戦う。種目も、短刀の部(小太刀の使用可)、小太刀の部、楯小太刀の部(楯と小太刀を持って戦う)、楯長剣の部(楯と長剣を持って戦う)、長剣の部、両手(諸手)長剣の部(試合中は攻撃動作、防御動作としての片手持ちを禁止)、二刀の部(小太刀と長剣を持って戦う)、異種の部(どの得物を使ってもよい)があるので、大会の規模で最大三種目と上限が決められることはあるものの、好きな種目に参加することができる。国内競技団体は日本スポーツチャンバラ協会。国際競技団体は国際スポーツチャンバラ協会、日本レクリエーション協会と日本ワールドゲームズ協会に所属。 剣道は江戸時代中期に最も安価で弾力性のある材質であった竹を模擬刀に使用し、以前の木刀(あるいは真剣)による剣術の修行に比べれば格段に安全な競技(あるいは剣術の鍛錬手段)として開発された。一方のスポチャンは現代に開発されたこともあり武器の前の部分を空気で膨らませる専用ゴムチューブを布で覆う(エアーソフト剣)のさまざまな武器(槍・棒・杖・長剣・小太刀・短刀)を使用する。 この違いにより競技における安全性の向上からスポーツチャンバラはルール的に自由度の高いものとなっている。まず、剣道は有効打撃部分が防具のある面と胴と小手と喉の4箇所(年少者の喉の突きは禁止)に制限されている。スポチャンは顔を透明のプラスチックで守る面(プロテクター)を被る必要はあるが、相手の身体のどの部分に当ててもいい。 剣道は剣術の修行の手段として開発されたこともあり、竹刀が防具部分に当れば一本となるのではなく、打撃が刀であった場合に相手に致命傷を与えたであろう有効打であると審判が判断しないと一本とならない。この判断には主観が伴い、剣道の完全なスポーツ化(あるいは非武道化)および日本国外の普及の歯止めとなっている。一方でスポチャンは子どもの遊びを原点に生まれたスポーツであり逆に相手のどの身体のどの部分でも十分な威力で当れば有効打となり、空気で膨らませた武器がポンと音を出すため一本の判定が子供でも容易にでき、観客にも分かり易い。 また剣道においては防具があっても竹刀で叩かれれば痛いし喉を突かれるあるいは打撃が防具以外の場所に当れば傷を負うこともあり、また身体を衝突させるなどの激しい動きが存在するなど身体的負担が大きい。一方でエアーソフトの武器は取扱いが容易で、叩かれて痛いこともなく転んだり柄の硬い部分があたることを除けば怪我をすることも少ない。 また剣道のような大掛りで比較的高価な防具を揃える必要がない。そのうえ、防具の装着が容易なため準備から稽古開始までの時間が短い。さらに試合は6〜9メートル四方の空間か、練習ならそれ以下でも事足りる。また剣道のように激突することもないので屋外でも遊べるため、練習場が容易に確保できる。極端に言えば昔のチャンバラ遊び同様、友人達と公園等の空間で二本の武器を交代で使って遊ぶことも可能である。子どもの指導において、安全確保に留意すればよいし、あてられてはいけないと単純なルールであるので指導もやりやすい。また子どもの観点から見て武器が軽量で扱い易いなだけでなく、背やリーチの長い年長者と対抗する場合も足などの下部を叩くことが出来るだけでなく、武器の長短でハンデつけをすることも出来るので子どもから大人まで一緒に参加できる。子どもの遊びを原点に生まれたスポチャンであっても礼節を重んじ、幼児期から少年期、青年期への礼儀を教えるという役割も担っている。コートは6~9メートル四方の正方形。主に1分一本勝負。しかし、決勝戦といった特別な場合は3分3本勝負となる。コート内から両足が出たら「場外反則」となり、2回で反則負けとなる。しかし、剣を落とした場合にそのままでは負けてしまうと判断した時、あえて場外に出るといった作戦として使われる場合がある。過去の統一世界チャンピオンおよび全日本チャンピオンは統一世界チャンピオン(国際スポーツチャンバラ協会ウェブサイト)に掲載されている。
出典:wikipedia
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