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レーゼドラマ

レーゼドラマ(Lesedrama)とは、上演を目的とせず、読まれることを目的に書かれた、脚本形式の文学作品のこと。ブーフドラマ(Buchdrama)とも言う。戯曲の一種とされる。対義語はビューネンドラマ(Bühnendrama)。いずれもドイツ語で、レーゼは「読む」、ブーフは「本」、ビューネンは「舞台の」という意味である。なお、英語における「クローゼット・ドラマ」は、ほぼ同義の概念である。また、「書斎劇」という漢字語も存在する。シナリオ(映像作品の脚本)の形式で書かれたレーゼドラマを、レーゼシナリオという場合もある。レーゼドラマの代表作として、ミュッセの『戯れに恋はすまじ』(1834年)が挙げられよう。『ヴェネチアの夜』という芝居の初演が不評だったミュッセはその後、読まれるための戯曲を志向し、前掲作も収められた戯曲集は『肘掛椅子の中での観物』と名づけられた。ここに収められている戯曲には多すぎる場面転換などの実演上困難な仕掛けがあり、これは文学的な必然性のみからなされたのではなく、かつての不評から観客に不信感を抱いたミュッセがわざと上演の障害をもうけたためだと見る向きもある。しかし、「上演不可能に書かれている」ということは、レーゼドラマの必要条件ではない。
他には、ジョン・ミルトンによる『闘士サムソン』(1671年)、太宰治の『新ハムレット』(1941年)、ゲーテの『ファウスト(とくに二部)』(1808年~1833年)、シラーの『群盗』、フローベールの『聖アントワーヌの誘惑』、北村透谷の『蓬莱曲』などが、その例にあたる。トーマス・ハーディの『覇王たち』も叙事詩劇などと呼ばれた。クローゼット・ドラマは、”ロマン主義の時代”と呼ばれる18世紀末から19世紀前半にかけてのイギリスにおいては、特に詩人によって好まれ、数多くの作品が生まれた。「読むための戯曲」はさまざまな時代と地域で書かれてきたが、一つのムーブメントと呼べるほどに多く書かれたのは、英国ロマン主義時代であろう。バイロンやパーシー・シェリー、ジョアンナ・ベイリーらがこの時期の「クローゼット・ドラマ」作家の代表的存在とされるが、ベイリーは上演されることを望んでいたともいう。レーゼドラマとして書かれながら上演された例として、星新一の『にぎやかな部屋』(新潮社・刊)が挙げられる。文庫版の後書きに、人気小説家に戯曲を書かせるという出版社の企画を受けて自らの戯曲への適性に半信半疑のまま筆を執った星が、上演許可の依頼に対して「あれは読み物として書いたのだから、止めたほうがよい」と思いつつも承諾し、初演は酷かったらしいが再演はまずまずの出来と評価した、という旨が記されている。その他の主な例として、イプセンの『ペール・ギュント』(1867年)、バイロンの『マンフレッド』、太宰の『新ハムレット』などが挙げられる。オスカー・ワイルドの『サロメ』(1891年)も、レーゼドラマとみなされる場合もある。西村孝次による訳書(新潮文庫)の解説でも、「劇の額縁にはめこまれた散文詩」と呼ばれている。実際には上演も念頭におかれていたが、禁止令が出たりして演劇的成功になかなか結びつかなかった。ドイツ語訳をもとにしたオペラ台本がリヒャルト・シュトラウス作曲の音楽で上演され、こちらは成功した(サロメ (オペラ) 参照)。武田泰淳の短編小説『ひかりごけ』は一風変わった文体を採っている。この小説を3つに分けるとすると、一つが随筆に似たようなもの、残りが戯曲形式のもの、となっている。ただし、作者は2つの戯曲風部分について『読む戯曲』として表現した、読者がこの上演不可能な『戯曲』の演出者になりきって欲しい旨を作中に述べている。五木寛之の『蓮如-われ深き淵より-』(中央公論、1998年)は、戯曲体で執筆された文芸作品である。文庫版には巻末に文芸評論家の三浦雅士との対談が収録されており、対話中にレーゼドラマという言葉も出てくる。可能涼介が、レーゼドラマという言葉こそ使っていないものの、上演を無視した戯曲「頭脳演劇」を標榜している。鯨統一郎の、「mornig girl」(講談社文庫 ISBN 978-4-06-276671-5)も、レーゼドラマのスタイルの文芸である。小説の中に部分的に戯曲形式が入る文学作品もある。古典的名作の中ではドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』、メルヴィル『白鯨』、ジョイス『ユリシーズ』、フォークナー『尼僧への鎮魂歌』などである。最近の作品ではチャート・コープチッティの『時』がある。第1回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞の山口泉『宇宙のみなもとの滝』も同様である。

出典:wikipedia

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