『仮面ライダー対じごく大使』(かめんライダー たい じごくたいし)は、1972年(昭和47年)7月16日に「東映まんがまつり・へんしん大会」の一編として公開された東映の中編映画作品。テレビ番組『仮面ライダー』の劇場オリジナル映画第2作目。カラー、シネスコ、上映時間は34分。1972年の日本は「変身ブーム」の真っ只中にあり、テレビ各局こぞって「変身」を見せ場としたヒーロー番組を競作し、子供達が「ヘンシンごっこ」に熱中していた。「変身ブーム」の中、前作『仮面ライダー対ショッカー』が丸の内東映のアンケート調査で1位になったことを受け、東映は恒例の「東映まんがまつり」の夏休みプログラム興行を「へんしん大会」と銘打ち、そのメインとして本作が企画された。ストーリーは、石森章太郎による『仮面ライダー』の原作漫画の最終章『仮面の世界(マスカーワールド)』をベースに、富士山麓における怪人軍団と仮面ライダーの攻防を描いている。公開当時のキャッチコピーは、「あっ! 新怪人カミキリキッドだ! ぼくらの仮面ライダーが、大型画面でおおあばれ!」。一文字隼人(仮面ライダー2号)は本作では未登場。本作は、撮影中に本郷猛役の藤岡弘(現・藤岡弘、)が失踪し、制作中断というアクシデントに見舞われている。藤岡は1972年5月、同年10月にNHKで放映予定の時代劇ドラマ『赤ひげ』のオーディションに合格していた。事後報告となったこの一件が『仮面ライダー』制作者である東映・毎日放送とトラブルとなり、一時期行方をくらませてしまったのである。主演俳優の不在という事態にまずテレビ本編の制作現場が大混乱となり、第66話としてスペシャル番組のような内容の「ショッカー墓場 よみがえる怪人たち」(7月1日放映)が急遽、制作された。その結果、本作の目玉となるはずの新怪人カミキリキッドが、テレビに先行登場することとなってしまった。また、本作では大幹部・地獄大使をタイトルに据えてその対決を打ち出している。その一方で、東映・毎日放送側では本作公開日である7月16日以前に、もう1人の大幹部・死神博士との決着をテレビ本編で付けるはずだった。ところが、それも藤岡の失踪によって大きく狂うこととなり、主役不在のまま決着話を撮るわけにもいかないために死神博士との決着が繰り下げられ、制作話が前後することで本来は死神博士の正体として用意された怪人だったノコギリザメスが、第67話「ショッカー首領出現! ライダー危うし」に一般怪人ギリザメスとして登場することになってしまった。この混乱の中、本作の撮影は本郷がエミとトッコを救出するシーンを残して中断し、ようやく藤岡が現場復帰したのは第68話「死神博士 恐怖の正体!」(7月15日放映)撮影時のことで、死神博士は第68話でイカデビルを正体とし、映画公開ギリギリに仮面ライダー1号に倒され、新サイクロン号とともに公開に間に合わせることに成功した。このため、第68話のイカデビルとの決戦は、上記の撮り残しシーンと同じく奥多摩の採石場で行われている。また、中盤の山場である朝霧高原でのロケは梅雨時にずれ込み、湿気のためにピントが合わず、撮影に苦労したという。当事者である藤岡は後年のインタビューで、この件については嫌な思い出であったため、記憶から消していたと述べている。プロデューサーの平山亨や阿部征司は、藤岡のオーディション参加やその後の失踪は彼の所属事務所社長の命令であったのではないかという見解を示している。藤岡はテレビシリーズ終了後に大河ドラマ『勝海舟』に出演しているが、これは本件の際に平山がNHKの知人を通じてテレビシリーズ終了後に藤岡を起用する確約を取り付けていたことによる。本郷猛と滝和也は東日本ロードレースに出場した。その頃、ショッカーは富士山頂の大要塞にスーパー破壊光線砲を設置し、日本全土を焼き払う作戦を進めていた。ショッカーの罠でコースを外され、ヘリコプターの爆撃を受けた本郷と滝はヘリを奪って戦闘員に化け、ショッカーのアジトに潜入するが、これもショッカーの罠だった。待ち受けていた怪人カブトロングを倒したものの、アジトは地獄大使によって仮面ライダー1号と滝もろとも、爆破されてしまう。富士山麓までスーパー破壊光線砲の輸送を開始した地獄大使は、万一のことを考えてカミキリキッドに立花レーシングクラブを襲わせ、立花藤兵衛らを拉致する。エミとトッコを乗せた車を追う本郷をカミキリキッド率いる怪人軍団が襲い、それを撃退した1号はエミとトッコを救出すると、滝の報告を受けて地獄大使らの陸送車両隊を追う。朝霧高原に差しかかった1号は、ジャガーマンとサイギャング率いる戦闘員オートバイ部隊や、セミミンガ率いる戦闘員騎馬部隊と戦う。十字架にかけられた藤兵衛とユリを人質にされて1号は手出しできなくなるが、滝が藤兵衛とユリを救出したことで形勢は逆転し、勝利した本郷と滝は富士山中の大要塞に向かう。※ 映画クレジット順※ 映画クレジット順いずれも東映ビデオより発売。空撮シーンでは元特攻隊員がヘリコプターのパイロットを務め、超低空飛行で送電線の下をくぐるなど当時の航空法に違反すると思われる操縦をしていた。同乗した撮影の川崎龍治は高所恐怖症であったことに加え、眼前に爆発が迫ることに恐怖を感じ、撮影助手は失禁していたという。
出典:wikipedia
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