広告代理店(こうこくだいりてん)とは、広告を扱う会社の総称である。1864年に世界最初の広告代理店ジェイ・ウォルター・トンプソン (JWT)が創業された。メディアの広告枠を広告主(クライアント、顧客)に売り、手数料(コミッション)を得るというのが基本的企業形態である。従来は純粋にそれだけを行っていたが、時代とともにその役割は広がっており、メディアをまたがるメディア・ミックス、マス・メディア以外も統一してキャンペーンを組み立てる統合的マーケティング・コミュニケーション(Integrated Marketing Communications)、インターネット登場後の相乗効果の追求(クロスメディア)や、その枠に載せる広告を効果的・効率的に制作指示するのも広告代理店の業務となっている。制作部門を持つ広告代理店の場合は、制作部門が広告制作会社と共に行う。また顧客企業のマーケティングの一環としての広告計画、その立案のためのマーケティング・リサーチ、商品開発、広告計画・実施の一環としての販売促進、商業印刷、プレミアム景品類の制作などのほか、顧客企業や取り扱う製品のイメージの構築(CIなど)、イベントのプロデュースあるいは運営を行う。大型博覧会でのパビリオン企画・設計・建設・運営、国際的なスポーツイベントへのスポンサード、映画製作への出資・参画、シンポジュウムの企画・運営、PRなど業容は広い。今世紀に入って以降、デジタル関連のサービスも増加した。世間ではプランニングと認知されているが、広告業界では原音に近いプラニング()と呼称することが一般的である。上位から順に広告代理店はいくつかのタイプに分けることができる。クライアントが国内系企業の場合、1ブランドに対しては1つの総合広告代理店が川上から川下まで担当するのがほとんどだが、クライアントが外資系の場合、ブランディング、広告制作、メディアプランニング(バイイング)、イベントなどが各専門の広告代理店に分化され複数の代理店がチームを組んでブランドの広告を考えることもある。また日本で活動する外資系企業は、世界的規模で活動する日本の広告代理店が皆無であることから、担当する広告代理店もグローバルで契約した外資系広告代理店が多く、外資対外資の場合では契約形態はコミッション制ではなく、フィー制度のとなるのがほとんどである。外資系広告代理店は役割に応じて、以下のように区別される。(なお、ブランドエージェンシーがクリエイティブエージェンシーを兼務する場合がほとんどである)主な外資系広告代理店で、日本国内に拠点がある会社に、以下の会社がある(世界の売上高順2009年-2010年)などがある。日本と海外の広告代理店を比較してよく批判されるのは、海外のほとんどの先進国で見られる「一業種一社制」の原則が日本には見られないことである。「一業種一社制」とは1つの広告代理店が同時に2つ以上の競合(同業種他社)会社の広告を担当しないという、社会的モラルも含んだ制度であり、これは「同広告代理店が競合他社の製品の購買も促進する」という矛盾の防止が目的である。例えば日本の自動車会社の広告を見ると、電通はホンダやトヨタ自動車・傘下のダイハツ工業を始めとする大半の競合自動車メーカー、博報堂も日産自動車、マツダなど、というように競合する他社同士の広告を同時に担当することで、顧客企業が開発を進める新製品の機密情報の保守や、競合メーカーの商品購買も誘導しているなどの観点からしばしば問題に上がる。その結果、同業他社のいかんを問わず、様々な業種の大企業を一手に顧客に収める電通や博報堂、ADKなどの主要な広告代理店が強大な媒体力を保持してしまい、自由競争が損なわれているため、広告代理店の売上げ順位どころか売上げの比率もほとんど変化しないこと。媒体露出量に依存し、「一業種一社制」の元で競争が激しい海外市場に目が向かなくなることが、日本の広告代理店の国際競争力が低い原因の一つに挙げられる。例えば電通は、単体で世界最大の広告代理店にもかかわらず、世界的な認知度はほとんどない。また、一部の広告代理店は、過労自殺した社員の親族が「社員の安全配慮義務を怠った」「残業手当が支払われていない」などで会社を相手に損害賠償を請求し裁判を起こしたことに象徴される、過酷な勤務状況でよく知られている。現在は大手代理店は過大残業を見直し、アウトソーシングによって大幅に減らしていこうと努力しているが、これにより制作プロダクションは一層の激務を要求されることになり、本質的な問題の解決には至っていない。広告代理店はテレビドラマやアニメ、映画の制作においてもスポンサーとして強大な影響力を持つ。特にキー局(テレビ局)の制作費に頼らず出資者を募る製作委員会方式が主流になり、放送枠の買い取り方式が中心となっている現在のアニメ産業では重要な地位を占めている。しかし、一部では製作費の一部を広告代理店が確保し、番組や映画の制作費が十分に確保できないとの批判もある。広告代理店が「手数料」などの名目で中間搾取をしている、と呼ばれる一つの例である。極めて少数の反対意見でも、広告掲載中止などの大がかりな事態になる場合があるため、比較広告も日本ではこういった理由から、あまり制作されない。(2012年国内売上高順、広告経済研究所「広告と経済」2013年4月21日発行より)
出典:wikipedia
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