スルファミン酸(スルファミンさん、)は、別名をアミド硫酸といい、示性式が HNSO と表される無色の固体。水によく溶け、比較的強い酸性を示す。ジアゾ染料で染色した際に残留している余剰亜硝酸塩を分解するのに使用される。硫酸のヒドロキシ基がアミノ基に置換したもの。スルファミン酸の性質は中性型 HNSO(OH) としてではなく互変異性である双性イオン型のひとつ、HNSO としての性質を示す。硫黄と酸素、硫黄と窒素の結合距離はそれぞれ 1.44、1.77 Å と知られており、より長い 硫黄-酸素が単結合、硫黄-窒素が二重結合性を持つことを示している。さらに中性子散乱の実験により 3個の水素が窒素から 1.03 Å の距離にあることが示されたことから、4種類の異性体(中性型 HNSO(OH)、HN=SO(OH)、双性イオン型 HNSO、HN=SO(OH)O)のうち、HNSO の構造が主であることが分かった。スルファミン酸は比較的強酸で、酸解離定数 "K" = 1.01 x 10。固体は吸湿性を示さず純品を得やすいため、酸塩基滴定で標準物質として用いられる。アンモニア水の中では2段階の脱プロトン化を受け、ジアニオン [HNSO] となる。スルファミン酸の固体は 205 ℃で融解し、さらに高い温度では分解して水と三酸化硫黄、二酸化硫黄、窒素分子に変わる。アミノ基が電子求引基と結合している点で尿素と共通点があり、例えばともに水溶液を加熱するとアンモニウムイオンを生成する。尿素と発煙硫酸の反応によって生じる。亜硝酸と反応して窒素ガスを発生する。水酸化ナトリウム溶液の正確な濃度を求めるための標定に用いられる。還元剤としてはたらき硝酸と反応して亜酸化窒素が発生する。冷水中では徐々に、80℃以上では速やかに加水分解して、硫酸水素アンモニウムになる。スルファミン酸は人工甘味料との関連が深い。スルファミン酸とシクロヘキシルアミンの混合物に水酸化ナトリウムを反応させて得られるチクロはかつて安価な甘味料として多用されていた。現在も使われるアセスルファムカリウムもまたスルファミン酸構造を持つ人工甘味料の例である。スルファミン酸の O-または N-置換誘導体の中には、抗生物質、HIVに対する逆転写阻害薬やプロテアーゼ阻害薬、抗ガン剤(ステロイドサルファターゼ阻害薬、炭酸脱水酵素阻害薬)、抗てんかん薬、あるいは抗肥満薬として用いられるものがある。スルファミン酸は酸性の洗浄剤として、金属やセラミックの洗浄に用いられる。塩酸の代わりに錆落とし、湯垢落としとして用いられる。ほか、エステル化反応やポリマー(ウレタン樹脂、入れ歯安定剤)の固化を進める酸触媒、色素や除草剤合成の原料、亜硝酸製造、水系消火剤への添加剤としての用途が知られる。
出典:wikipedia
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