伊奈駅(いなえき)は、愛知県豊川市伊奈町南山新田にある、名古屋鉄道(名鉄)名古屋本線の駅である。駅番号はNH02。急行停車駅だが、特急や快速特急の一部も特別停車する。特急以上が特別停車する時間帯はほとんどの急行が当駅または国府で折り返しとなっており、間隔が開くのを避けるために停車している。駅の乗降客は多くはないものの、隣の豊橋駅へはJR東海飯田線と線路を共有しているため毎時6本しか乗り入れできないという制約があり、普通列車、臨時列車、団体専用列車、試運転列車、回送列車(豊橋駅へ送り込む回送列車を除く)の全てが当駅で折り返している。そのため当駅 - 豊橋駅間で乗車できるのは、一部時間帯を除き毎時2本の急行のみである。当駅から下地駅、船町駅へ向かう場合、いったん豊橋駅まで抜けて、JR線の切符に買い直した上で飯田線の普通列車で折り返すことになる(manaca・TOICA利用の場合は改札内カードリーダーに触れて出入場処理を受ける必要がある)。伊奈駅の開業年月日には諸説があり、はっきりしていない。愛知電気鉄道(愛電)は岡崎から豊橋(吉田)への延伸計画を立てていたが、自社線による豊橋乗り入れに先立ち、ひとまず豊川鉄道の小坂井駅に接続して豊橋方面との連絡を図ることになった。愛電が1925年(大正14年)に鉄道省へ申請した『下地岡崎間線路設計変更並豊川鉄道連絡線敷設工事認可申請』には「…小坂井村大字伊奈ニ於テ弊社線ノ停車場ヲ設置シ是ヨリ分岐シ…」とあり、伊奈駅の設置も計画されていたが、岡崎 - 小坂井間が開通した1926年(大正15年)4月の時点ではまだ存在しなかった。その後、1927年(昭和2年)6月1日に吉田方面が開通したが、伊奈駅の開業は同時、またはその前後だったとされる。『名古屋鉄道百年史』では1927年(昭和2年)6月1日の吉田方面開通時に伊奈信号所を設置し、同年9月1日に駅へ昇格したとしているが、昭和2年6月1日に発行された愛電の時刻表にはすでに伊奈駅が特急停車駅として掲載されていたほか、吉田方面開通を知らせた『官報』1927年6月11日号には「伊奈(旣設驛)」と記されており、吉田方面開通以前から存在した可能性がある。なお、豊橋方面開通に伴い小坂井方面は小坂井線(後に小坂井支線へ改称)となり、豊川方面との連絡線と位置付けられたが、豊川市内線の全通に伴い廃止されている。単式・島式の複合型2面3線のホームを持つ橋上駅である。2番ホームが単式、3・4番ホームが島式である。自動改札機はトランパス導入時に2機設置された。ICカードmanacaの使用は可能である。橋上駅舎化前は1 - 3番線だったのを2 - 4番線に振り替えたため、1番線は欠番となっている。これは従来存在しなかった下り副本線の用地を確保し、1番線として使用できるようにしたためであるが、現時点では駐車場になっている(豊橋方には、一部未整備の用地を見ることができる)。橋上駅化に伴う配線変更以前は(旧)4・5番ホームも存在したが、有効長が短く未舗装であり、晩年は留置専用で乗降に利用することはほとんどなかった。現在このエリアには留置線が5本あり、その内最も西側の1線は下り方へも発車可能となっている。改札を入ったところに方面別に反転フラップ式案内表示機が設置されている。豊橋方面は、朝と深夜の特急特別停車時間帯を除いて、「急行 豊橋」が表示されたままとなっている。また、備考欄には特急用車両を急行以下の種別で運用する際に使われる、他の駅では見られない、「前(後)2両 締切扱い」のコマも入っている。構内通過制限速度は豊橋方のポイントが100km/h、国府方が110km/hと120km/h区間側が高くなっており、この点は新清洲駅に類似している。また、配線変更に際して上り線の小田渕駅 - 当駅間に閉塞信号機が増設された。始発列車に名古屋方面の当駅発の特急(2200系+3100系または3150系の8両)が設定されているほか、朝のラッシュ時には、伊奈駅発の急行等も数本あり、豊橋発の列車本数が限られているのを補完する形になっている。また夜(当駅に特急が停車する時間帯)は、豊橋着の列車が殆ど特急となるため、伊奈止まりの急行等も同様に数本存在する。さらに2006年4月29日改正で、初めて当駅止まりの特急も新設された。これは、それまで国府止まりであった列車を、伊奈まで延長運転したものである。この特急は伊奈駅で停泊後、名古屋方面へ向かう。2008年12月の改正で平日のみもう1本増えており、平日の伊奈止まりは2本になっている。事故などで名古屋本線のダイヤが乱れた場合でも、JRへダイヤの乱れを広げないようにするため通常の豊橋行きの特急や急行を一時的に当駅止まりにすることがある(この場合、東海道本線または飯田線で振替となる)。逆にJRのダイヤが乱れた場合も通常の豊橋行きの列車が当駅止まりになることがある(豊橋駅はJRの管轄であり同駅へはJRが優先的に入線することになっているため。この場合の振替輸送はない)。駅の西側は工場が多い。
出典:wikipedia
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