ファンファーレ・チョカルリア()は、ルーマニアのロマ(ジプシー)によるブラスバンド。欧米や日本ではジプシー・ブラスと呼ばれ、古くはチョチェクと呼ばれるスタイルの音楽を演奏する。ルーマニア北西部の村ゼチェ・プラジニ (Zece Prăjini) 出身。日本盤のアルバムではファンファーレ・チョカリーア、映画「ジプシー・キャラバン」ではファンファーラ・チォクルリーアと表記されている。また、「チョクルリア (Ciocârlia)」(aの上にサーカムフレックス)とはルーマニア語でヒバリの意味だが、バンド名は「ファンファーレ・チョカルリア (Fanfare Ciocărlia)」(aの上にブレーヴェ)である。ファンファーレ・チョカルリアは地元の結婚式や洗礼式などで演奏するアンサンブルとして活動していた。1996年10月、ドイツ人のサウンド・エンジニアでプロデューサのヘンリー・エルネスト (Henry Ernst) が、ルーマニアのゼチェ・プラジニを訪れたとき、そこにいた多くのミュージシャンたちの才能を確信し、バンドに「ファンファーレ・チョカルリア」と名づけた。ファンファーレ (Fanfare) とはフランス語由来のルーマニア語でブラスバンドを意味し、チョクルリア (Ciocârlia) はルーマニア語でヒバリを意味する言葉である。この時以来、ファンファーレ・チョカルリアは世界50以上の国で1000回を超えるコンサートを行っている。2006年、彼らはBBC Radio 3 のワールドミュージック賞を受賞した。同年10月にバンドの中核であったイオン・イヴァンチャが癌で死去。新体制の下、アルバム"Queens and Kings"を発表。ジャケットにはイオンと彼の妻の写真が使われており、彼等に捧げられたアルバムである。トルコの軍楽隊に由来するといわれているファンファーレ・チョカルリアの楽器構成はトランペット、テノールホルン、(ドイツ式)バリトン、チューバ(ヘリコン )、クラリネット、サクソフォーン、バスドラム、パーカッションである。歌詞はルーマニア語のものもロマ語のものもある。彼らの音楽スタイルは主として、伝統的なロマ音楽、ルーマニアの音楽、チョチェクに基づいたものであるが、自由にトルコの音楽やブルガリアの音楽、セルビアの音楽、マケドニア共和国の音楽などの要素を織り交ぜたものである。インド映画などからの影響もある。ブラス編制のために英語圏ではジプシー・ブラスとも呼ばれている。ファンファーレ・チョカルリアはそのパワフルで躍動感のある複雑なリズム、高速にスタッカートするクラリネットや、サクソフォン、トランペットのソロなどで特に知られており、時に毎分200ビートを超えることもある。また、演奏には楽譜を用いず、曲中でときに即興でホルンやクラリネットを吹く。デビュー・アルバムRadio Pascani、特に収録曲「Ah Ya Bibi」は北米のファンの心を大きくつかんだ。米国のジプシー音楽家、バルカナラマ () は2003年のアルバム"Nonstop"で「Ah Ya Bibi」をカバーした。カリフォルニア州のバンド、エストラーダスフェア () も同曲をカバーし、ライブで披露したほか、ミニアルバム"The Silent Elk of Yesterday"にも「A Tune by F.F.C.」の曲名で収録されている。ニューヨークのハンガリアン・マーチ・バンド () は「Asfalt Tango」をカバーし、アルバム"On the Waterfront"に収録されている。エクストラ・アクション・マーチング・バンド () はCD "Live"に「Ciocarlia Suite」を収録している。ファンファーレ・チョカルリアはまた、ダニー・エルフマンの50歳の誕生パーティーに招待され、演奏を披露している。ファンファーレ・チョカルリアの楽曲「Asfalt Tango」は英国のエレクトロ・ダンス・ユニット、ベースメント・ジャックスの曲「Hey U」に使用され、同曲はアルバム"Crazy Itch Radio"に収録された。日本では、ドキュメンタリー映画「炎のジプシーブラス ~地図にない村から~」、そして来日公演によって認知されるようになった。ファンファーレ・チョカルリアは、ドイツ人のラルフ・マルシャレック (Ralf Marscalleck) 監督の長編ドキュメンタリ映画「Iag Bari - Brass on Fire」(邦題:炎のジプシーブラス ~地図にない村から~)で取り上げられた。同映画はジプシー村、ゼチェ・プラジニに始まり巨大なコンサート会場に立つようになるまでのファンファーレ・チョカルリアのメンバーたちに焦点を当てている。同映画は2003年のバルセロナとマドリードの音楽ドキュメンタリ映画フェスティバル (Festival De Cine Documental Musical) でベスト・ドキュメンタリ賞を受賞した。また、この映画はマケドニア共和国のテレビ・ラジオ番組Golden Wheelによるスコピエのロマ・フェスティバルで最優秀長編ドキュメンタリ賞を受賞した。また、ファンファーレ・チョカルリアは、トルコ人の映画監督ファティーフ・アクンの映画「愛より強く」でも焦点があてられた。同映画はベルリンのベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した。「Asfalt Tango」はポーランドのトーマス・バギニスキ () によるアニメ番組Fallen Art (ポーランド語:) の主題歌として用いられた。2006年、映画「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」のバック・グラウンド・ミュージックとして「Born to Be Wild」を演奏した。2006年制作(日本での公開は2008年)のドキュメンタリー映画「ジプシー・キャラバン」に出演。
出典:wikipedia
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