赤潮(あかしお)は、プランクトンの異常増殖により海や川、運河、湖沼等が変色する現象である。水が赤く染まることが多いため「赤潮」と呼ばれるが、水の色は原因となるプランクトンの色素によって異なり、オレンジ色、赤色、赤褐色、茶褐色等を呈する。赤潮を引き起こす生物は、色素としてクロロフィルの他に種々のカロテノイドを持つ場合が多く、細胞がオレンジ色や赤色を呈する為にこう見える。 水系の富栄養化が主な原因とされる(→栄養塩)。従来、合成洗剤に含まれているリン酸塩(リン)が問題視されたが、近年では栄養塩の供給側の問題に加えて、塩に対する浄化側の作用低下の一因として、護岸工事による干潟の減少が問題視されている。また、養殖業の発達により、養殖生命体の老廃物、死骸による塩の過剰供給を指摘する研究者も多い。干潟に住むアサリなどの生物は、そこに棲む微生物やプランクトン等を餌として取り込み海洋への栄養塩や有機物の流入を食い止めるという、いわば自然の浄化槽の役割を果たしてきた。しかし、護岸工事などにより干潟が大幅に減少し湾内の富栄養化が進行。これを一因としてプランクトンが大量発生すると考えられている。諫早湾の干拓事業においては、干拓に伴う経済的な利害関係と並び、有明海での赤潮発生との因果関係が議論されている。日本においては、有明海の他、瀬戸内海、東京湾、伊勢湾、大阪湾などの内湾部で赤潮の発生が多く報告されている。また、日本の歴史上、文献に残る最初の赤潮に関わる記録は、奈良時代に成立した『続日本紀』天平3年(731年)6月13日条に記載されており、紀伊国阿氐郡(現和歌山県)沿岸で、海の色が5日間にわたり赤く染まった事例であるとされている。広義に赤潮とされる現象の中には、一般的なイメージの赤潮とは異なるものも多く存在する。それぞれの現象には、色や性質、現象を見る視点などによりさまざまな名称が存在する。青潮も富栄養化した海域で発生しやすい点は同じであるが、赤潮などの呈色が増殖した生物自体の色であるのに対し、青潮の色は貧酸素水塊により形成された硫黄化合物に由来することから、これらは区別することが多い。赤潮が魚介類に与える影響は幾つかに分類される。これらの作用により、漁業、特に養殖現場では特に大きな被害が出る。また、有毒藻である渦鞭毛藻類などの産生する毒素が貝類の体内に蓄積し、それを食べた人間に健康被害を及ぼすこともある(→貝毒)。こういった赤潮被害が漁業や水産業に及ぼす影響を抑えるため、赤潮の発生時や発生が予想されるときに、都道府県の担当部局は赤潮警報や注意報などを出して関係機関や漁業者に注意を呼びかけることがある。湾内の富栄養化を抑制すべく、地方自治体による下水道整備事業が各所で行われている。この他、人工干潟の造成も行われている。人工干潟では微生物が大量発生し、これをアサリなどの貝類が食べる事で湾内の水質改善に期待が寄せられている。また、整備如何によっては、潮干狩りや自然学習を目的としたレジャー施設の創造も期待できる。近年では生物農薬の一種として、藻類に感染するウイルスを用いて赤潮を防除する技術の開発も進められている。日本近海で優占するものを列挙する。★印は大量発生種や有毒種など、防除の観点から特に重要とされる種。有害プランクトンによる赤潮は特に「有害藻類ブルーム」(HABs; Harmful Algal Blooms)と呼ばれる。プランクトンや微細藻類の毒は、貝などに取り込まれ、人に摂取された場合に中毒を引き起こす。
出典:wikipedia
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