巨大地震(きょだいじしん)は、地震の中でとくに規模が大きなものを指す言葉である。学術用語ではないが、日本地震学会の発表や各種教科書・論文でもしばしば使われる表現である。また地震の大きさを端的に表す言葉であるためか、マスメディアも積極的に使用している。一般的にはマグニチュード(M)8以上のものを巨大地震、モーメントマグニチュードでMw9程度以上あるいはMw9クラスのものを超巨大地震と表現することが多いが、これは厳密に定義づけられているわけではない。M7以上のものを大地震と表現することが定義されていることとは対照的である。とくにマスメディアが使用する場合は、被害の程度によってM7程度でも巨大地震と呼称する場合がある。M8以上の地震では、一般的に断層長200km以上、かつ断層の食い違いが数メートルに達する。こうした地震が発生しうる場所は地球上でも限定されている。環太平洋などプレート境界周辺で発生する浅い巨大地震は大きく分けて、断層面が約10 - 20°と緩やかに傾斜した低角逆断層の地震と、断層面が約45°の正断層型の地震の2つのタイプに分類される。巨大地震はプレート境界がずれる低角逆断層(東北地方太平洋沖地震、スマトラ島沖地震、チリ地震、宝永地震など)が圧倒的に多く、アウターライズ地震である正断層型(昭和三陸地震など)は少ない。また巨大地震の断層面の長さは短いものでも約100km、長いものは約1000kmに達する。低角逆断層の地震の断層面は海溝軸よりも陸側に位置し、陸側のプレートが海側のプレートに衝上することにより発生し、その断層面の走向は海溝軸あるいは地震帯の走向に平行である。正断層型の地震は海側のプレート内で断層破壊が発生する。昨今の日本においては、東海地震に代表されるようなプレート沈み込み帯における百年前後 - 数百年周期の地震のことを指す場合が多い。しかし上記のように、沈み込み帯以外の場所でもM8前後の地震が発生する場合があり、これらも含めて巨大地震と称する。とはいえ数的にはプレート境界型の地震が大半を占める。以下に観測結果からMw(モーメントマグニチュード。主にアメリカ地質調査所で使用されている)9程度以上とされる地震、もしくはMw9程度以上と推定される地震の例を挙げる。長大な震源域をもつプレート境界型巨大地震は、通常は海溝沿いの別々のセグメントで起こっている地震が、時に複数のセグメントが連動して断層破壊が進展する連動型地震を想定すれば説明できるとしている。具体的に複数の震源域がほぼ同時に連動して発生したと推定される地震の実例としては、1707年宝永地震、2004年スマトラ沖地震、および2011年東北地方太平洋沖地震が挙げられる。連動型地震では単独地震に比べて震源域が広大となるため、おのずとマグニチュードも大きくなる。しかしながら海溝型の連動型地震には不明な点が多々あり、今後の調査が必要である。19世紀以前に発生した地震計による記録の存在しない歴史地震の規模については、激震域の長さ即ち大凡の断層長や推定される津波の遡上高などからの推定であり、諸説ある。以下にMw8以上Mw9未満の地震、もしくはMw8以上と推定される地震の例を挙げる。多くは過去から周期的に同程度の規模の地震を繰り返している。単位 Mjは「気象庁マグニチュード」、1884年以前は河角(1951)、宇佐美(2003)による推定値など(M8を超える巨大地震のため特にモーメントマグニチュードとは若干相違が生ずる)。また、ここに挙げられる震度分布などからM8クラスと推定された歴史地震の中にも、例えば貞観地震のようにモーメントマグニチュードではMw9クラスと推定され得る地震もある。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。