音響装置付信号機(おんきょうそうちつきしんごうき)は、視覚障害者用交通信号付加装置が付加された交通信号機の事。後述する擬音式のものは「ピヨピヨカッコー」等と呼ばれる。視覚障害者用交通信号付加装置とは、交通信号機において歩行者用灯器が青であることを視覚障害者に知らせるため、外部に接続したスピーカーより誘導音を鳴動させる装置である。音響装置付信号機は、盲学校や福祉施設・公共施設等、視覚障害者の利用頻度が高い場所に優先的に設置され、全国で約14200基(メロディ式 約1450基、擬音式 約12750基)が設置されている(2006年3月末現在)。常時、音が出るものと、視覚障害者が押しボタンを押した時だけ音が出るものの2種類がある。東京都などでは都心のごく一部を除き、ほとんどが押しボタン式である。これは常時音響式に対する近隣からの苦情が多かったためである。スピーカーは、灯器内蔵のものと外付けのものがある。スピーカーの色は、かつては黄色が多かったが、現在は歩行者用灯器と同色の白あるいは灰色が多い。美観地区では、信号機ともども茶色に塗られていることもある。誘導音には擬音式とメロディ式がある。擬音式では「カッコー」(東西、またはは南北、もしくは主道路横断用)・「ピヨ」(南北、または東西、もしくは従道路横断用)の音響が使用され、メロディ式では『通りゃんせ』(童歌)・『故郷の空』(スコットランド民謡、原題:Comin' thro' the Rye)のメロディーが使用されていた。メロディ式の音響信号機に搭載されていた曲数は20曲以上だった。また、地方によっては『赤い靴』(横浜市)や『ふじの山』(静岡県)、『おうま』(名古屋市)、『乙女の祈り』(青森県、歩車分離式信号機のみ)などの特殊メロディもある。誘導音の鳴動の方式として、同種同時・同種鳴き交わし・異種鳴き交わしの三種がある。なお誘導音が鳴り終わると青信号が点滅するが、その際に警告音が鳴るものと、鳴らないものがある。警告音には以下のパターンがある。警告音は奇数回鳴らすものが多い。また、青点滅時に警告音のかわりにアナウンス(青森県・熊本県など)や誘導音の場合は、青点灯時の約2倍の速さで点滅を知らせるタイプ(大分県など)がある。どの方式を採用するかは、各都道府県警察の裁量に任せられており、異なる方式の音響信号機が同じ地域に存在することも多かった。これは、視覚障害者の混乱を招くことも少なくなかった。そのため1975年に警察庁などからなる委員会による検討が行われ、2種のメロディー(『通りゃんせ』、『故郷の空』)および2種の擬音式(「ピヨ」、「カッコー」)が制定された。さらに、2003年(平成15年)10月には、警察庁より、今後の視覚障害者用付加装置については、擬音式の異種鳴き交わし方式により設置するように通達が出された。これは、2002年に警察庁が行った実証実験で、目の不自由な人の半数以上が「従来のものより横断方向の音が取りやすい」という反応があった為だという。そのため、「異種鳴き交わし方式」は2016年3月末現在で19219基ある音響装置付信号機の45%超となっている。この影響で、メロディ式や同種同時方式・同種鳴き交わし方式の音響信号機は、更新の際に置き換えられ、徐々に姿を消しつつある。その中で、メロディ式の音響信号機は2003年に2000基以上があったものの、2016年3月時点ては12都県・527基に減っている。地域別では、2003年度に781基だった大阪府では姿を消し、四国地方と共に近畿地方ではメロディ式の音響信号機は見かけなくなった。また。中国地方ではメロディ式の音響信号機が3基残っているだけで、2015年度には神奈川県内のメロディ式の音響信号機は無くなっている。視覚障害者用交通信号付加装置の他に交通弱者用押ボタン箱、歩行者横断支援装置も音響を出力する機器であり、ニッポン放送を中心としたAMラジオ局のNRN系10局において、毎年放送されている『ラジオ・チャリティー・ミュージックソン』では、この装置を「音の出る信号機」と呼び、設置するために募金を募っている。なお、第1回目の『ラジオ・チャリティー・ミュージックソン』により、全国で初めて視覚障害者用交通信号機が設置されたのは、神奈川県横須賀市若松町一丁目交差点であり、初代機種はメロディ式で、使用曲は「通りゃんせ」であった。このため、現在でもこの募金のことを「通りゃんせ基金」と呼んでいる。
出典:wikipedia
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